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看板のない福岡の有名ラーメン店は〈青いバケツが営業中のサイン〉5年連続百名店とミシュランにも選出

RAMEN ANTENNAラーメンアンテナ|福岡のラーメンを愛する地元民の一日一麺

1999年創業で今年25周年をむかえる、福岡市博多区下呉服町のラーメン店〈博多元気一杯!!〉。2000年代はじめの頃には、地元のラーメン好きの間で「場所はどこなのか?」という話題で持ちきりとなった記憶がある。話題になった頃のお店には、すでに看板らしきものは無く、外からも店内が見えないため、パッと見た感じでは、まったく存在自体が分からなかった。実際の所在地は、どこにでもありそうな白いビルといった趣で、そこの1階にラーメン店が存在するとは、意識しなければ夢にも思わないし、おそらくお店を目指して行っても簡単にはたどり着けないと思うくらい存在感がなかった。そんな中、お昼のピークタイムだけは、お店の前に行列ができていたので、それを目印に訪麺すると、何とかたどり着けたという感じだった。さらにその頃、唯一の目印と言われたのが大きな「バケツ」。お店の外に灰皿代わりに利用されていた「バケツ」が設置されていて、ソレがあれば「営業中」の目印だった。

昔に比べると「バケツ」が小さくなり、可愛くなっている。
昔に比べると「バケツ」が小さくなり、可愛くなっている。

小さな青いバケツが営業中の目印

そして現在。お店の外にあるエアコンの室外機の近くに、小さく佇む白いマスクをした「青いバケツ」が存在する。それがあれば「営業中」というサインは、今も変わらないまま継続されている。初めて訪麺される際は、それを目標にお越しいただければいいと思う。ただ、2024年の今は、入口に「ミシュランガイド福岡2019」の掲載店のステッカーのほか、現在の「メニュー表」や、2016年から登場した「カレー味替玉」の説明書きが可愛らしいイラストとともに貼られているので、万が一「青いバケツ」を知らなくても、なんとなく「ラーメン屋さん」があるということだけは分かる感じになっている。

都市伝説のような過去の逸話
あくまでも過去の逸話として。私語厳禁とか、店内撮影は一切禁止とか、麺よりも先にスープを飲まないといけない(これは当時貼紙で明確化されていたしお店の方も配膳時に必ず言明されていた)とか、テーブルの上の無料の辛子高菜(現在は提供していない)などをラーメンよりも先に食べると追い出されるとか、携帯電話は禁止(これは今でも当たり前)とか。嘘か誠かは分からないルールも存在していると噂されていて、店内に入るとお店側だけでなく、お客さん側(私自身も含め)も身構えて訪麺していた感じで、妙な緊張感が漂うお店だった。当時、何度か訪麺した際は、実際に怒られたり、追い出されたりする場面には幸い出くわしたことはなかったものの、あまりの雰囲気に耐えられず、その後は行く頻度が減った記憶がある。なので、その当時としての〈元気一杯!!〉の印象は、そのラーメンに惚れ込んだ熱狂的なファン(常連さん)も多かったし、その逆の大多数の一見さん(何度か行くものの常連には成りきれず)的な人も多く、地元の方々を中心とした、両極が存在していた時代。その後もゴーイングマイウェイな個性的なお店として、熱狂的なファンに支えられながら、存在感を徐々に増していったというのが個人的な感想。

今は「元気一杯!!」明るく元気な接客のお店に

そして今、代替わりされたのだろうか?と思わせるような、とてもお若い方々のチームでお店を仕切られていた。しかも、オペレーションも丁寧で明るく、スムーズでスピーディ。そして、店内での撮影もOK。携帯電話(スマホ)の使用も可能だけど通話は不可。店内は全席禁煙席。「辛子高菜」はなくなり「一味唐辛子」が設置されている。

5年連続食べログのラーメンWEST「百名店」に選出

最後に訪れてから数年。2019年を境に、5年連続で食べログの「ラーメンWEST百名店」や「ミシュランガイド福岡2019」の掲載店に選出され、飛ぶ鳥を落とす勢いで全国区へと、さらにその存在感が増していく。その頃には、地元の方だけではなく、日本全国からの観光客や出張族も訪れるようになった上に、海外からのインバウンド需要も増大し、さらなる人気店へと変貌していった。

海外からのインバウンド需要もあり大人気店に

福岡市博多区下呉服町の〈元気一杯!!〉へ。今回は、私自身も2年ぶりの訪麺になる。近くの「らぁめん39番地」によく行くのでお店の前は通りがかることは多々あるものの、お昼時は、いつも観光の方々の行列ができている印象で、近年は地元の方は少ないイメージ。

今回は、平日(水曜日だった)のお昼遅めの14時半を過ぎた時間帯だったこともあり、行列も落ち着きゆったりムード。店内は、二人掛けのテーブル席が5つ、右壁側にあるカウンター席が5席ほど。お一人様なのでカウンターの中央あたりに着座と同時に速攻で注文したのは、やはりベーシックな「ラーメン」だった。この時間の先客は、お隣の席にお一人とテーブルに2組の計5名。どちらの方も観光の方のようだった。

唯一無二の旨みが凝縮された豚骨のスープ

そして、待つことしばしで着丼の「ラーメン」は、旨みあふれるクリーミーで濃厚な豚骨ラーメン。臭みのないトロミスープと、よく絡むストレートなツルモチ食感の自家製の細麺が共演する個性豊かな一杯。どこにも似ていない唯一無二。ここだけの強烈な存在感を放っていた。

トロミの強力な濃厚スープの見た目から「ホワイトクリーミーな一杯」と表現したい。際立つポタージュ感のあるスープだから、当然ツルッとモチッとした食感のストレート細麺にもよく絡む。前回の訪麺の際には、コーンスープのような黄色味が強かった印象だったけど、今回は完璧なオフホワイトな鶏白湯のような濃度高めな豚骨スープが心地よくて最高だった。

最後にカレー味替玉で味の変化を楽しむ

最後にカレー味半替玉を注文。クリーミーからガラッと味変。別物の「もう一杯」をいただいて、これはとても美味しくていい。ありがとうございました。

最寄りの駅は、福岡市営地下鉄「呉服町」駅。そこから徒歩5分ほどの立地です。青いバケツを目印に、ぜひお立ち寄りください。

博多元気一杯!!

住所  :福岡県福岡市博多区下呉服町4-31-1[地図

営業時間:11時00分〜20時00分(L.O.19時30分)※要確認

店休日 :不定休

駐車場 :専用駐車場なし、近隣有料駐車場あり

ラーメンアンテナ|福岡のラーメンを愛する地元民の一日一麺

福岡の片隅で日常食としてのラーメンを啜り続け、日々頭の中でグルグルとラーメンが廻っています。一日一麺、週間9麺、毎年450麺ほどを食べています。福岡の地元民が日々食べているラーメンをできるだけ多くの方に知っていただきたいという想いから肩肘張らない感度緩めな『ラーメンアンテナ』をお届けしています。少しでも福岡での麺活の参考になれば幸いです。〈 Horii Koji 〉

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