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1968年創業の老舗にして今も変わらぬ昭和の凄みを体感できる福岡を代表する濃厚豚骨ラーメンの名店

RAMEN ANTENNAラーメンアンテナ|福岡のラーメンを愛する地元民の一日一麺

福岡市中央区白金。西鉄天神大牟田線の「薬院駅」からほど近い場所にあり、コッテリ&ベタ系の「ド豚骨」で親しまれる豚骨ラーメンを提供する有名なお店がある。深夜にもかかわらず行列ができることもある福岡を代表するそのお店は、飲んだ後のシメで立ち寄るパンチのある一杯が、昔も今も変わらず、地元の方々に愛され続けている名店〈八ちゃんラーメン〉である。

食べログラーメンWEST百名店2023に初選出

もともと個性豊かなお店ではあるけれど、食べログラーメンWEST百名店2023に初選出されたのはちょっと意外。もっと早く選ばれていてもよかったのでは?と個人的には思うほど際立った個性がある。1968年創業の今年56周年を迎える福岡豚骨ラーメン界の代表格で老舗店でもある。

昭和から平成の初め頃の世代には特に馴染み深いであろう〈八ちゃんラーメン〉。かなり濃厚なラーメンなので、若かりし頃には、そのパンチの効いた味わいに魅了され続けていた地元の方々も多かったのではないかと想像できる。さすがに近年は年齢を重ね、中年を超えた(自身も含めた)世代の胃袋にはちょっとハードかもしれないが、今現在、特に若い世代の方にはぜひ一度、リアルに体感して欲しいほど。若い頃の記憶に強烈なインパクトを残した一杯だったと、今もなお自信を持って言える存在感。

平打ちのストレートな細麺が濃厚なスープとベストマッチ。
平打ちのストレートな細麺が濃厚なスープとベストマッチ。

真夜中に食べる一杯がたまらなく至福

地元民は、特に酔っ払った真夜中に訪れ、シメのお酒(自身では瓶ビールを最後に煽る)を飲みながら、シメのラーメンをいただくことが多く、お酒との相性も抜群にいいスープだと自覚している。

早い時間は意外とあっさりな時もある。
早い時間は意外とあっさりな時もある。

翌日に胃もたれするまでがワンセット

食べたその瞬間は、本当に美味しくて至福のひと時を心の底から味わえる一杯。何度も同じ経験を繰り返しているので、翌日のもたれたようなつらさも自覚しながら、その日その瞬間の食べない後悔よりも、翌日のつらさを選ぶことは、最早飲みに行った日の既定路線で気にする必要はない。(シメでラーメン一杯だけならまだしも、さらに飲んだり食べたりするから、そりゃ自業自得で仕方ない)

食べる時間帯によってスープの表情が変わる

豚骨の旨みがあふれる濃厚なスープは、時間の経過とともに、シャバ系だったり、泡系だったりと表情や味わいが変化する。コロナ禍のあとも18時開店を続けているので、素面の状態でも行く機会が必然的に増えている方も多いのではないだろうか。

泡立ちはないものの脂の層がすごかった一杯。
泡立ちはないものの脂の層がすごかった一杯。

あくまでも個人的な感想になるけど、早い時間は、脂感はあるものの、泡立ちが少なく、どちらかと言えば「シャバ系の一杯」に近いように感じる。そして深夜に近づくにつれて、泡立ちが増し、ベタな脂も定着していくような落ち着きのある一杯に変貌していくようなイメージがある。

ベタ感強めな泡系の一杯。この表情がたまらない。
ベタ感強めな泡系の一杯。この表情がたまらない。

平打ちの極細麺がどこにも似ていない個性

昭和から平成、令和へと時代が流れていく中〈八ちゃんラーメン〉の変わらぬ麺が、懐かしさを醸し出してくれる。コッテリな豚骨スープには、この平打ちの麺しかないんじゃないか?と思わせるような相性の良さで、スープに負けないコシがしっかりとあり、歯切れのいい何とも言えないパツパツ系の食感。濃厚なスープをしっかりと絡め取る感じで口の中へ運んでくれる逸品。標準のラーメンはチャーシューと青ネギのみでデフォルトで胡椒が振られているシンプルさ。今も昔も圧倒的なスープと麺を、思い切り味わえる組み合わせになっている。

スープがシャバ系の時の一杯。
スープがシャバ系の時の一杯。

深夜のL字カウンターは様々な人間模様

店内は、胡椒や紅ショウガ、おろしニンニクが大量に常備されたL字型のカウンター席のみの15席ほど。間口は狭く奥に細長く延びていて、やっと一人が通れるほどの狭い通路なので、座っている酔い客にぶつからないようにご注意を。

入口の給水機すぐ横の席での一杯。
入口の給水機すぐ横の席での一杯。

飲んだ後のシメに、さらに飲んで食べて

飲んだ後のシメに〈八ちゃんラーメン〉のカウンター席に座ったら、とりあえず(瓶ビールを)飲んで(おでんを数個注文し摘む)食べてをつい重ねてしまう。そのために立ち寄るところも多々あり、ビールのお供に、軽めのおつまみ類が存在するのでとにかくエンドレス感が半端ない。

いつかの「おでん」。毎回ビールを飲みながらおでん数個を注文し摘むのが好き。
いつかの「おでん」。毎回ビールを飲みながらおでん数個を注文し摘むのが好き。

別日の「おでん」も同じ注文。いつもそうしている。
別日の「おでん」も同じ注文。いつもそうしている。

ただ、やっぱり来店される方の多くが注文するのは、八ちゃんの「一口餃子(10個入り)」。福岡の名物でもある、小ぶりな「博多一口餃子」の中でも、八ちゃんの一口餃子は、さらに小ぶりで可愛らしい名物餃子。皮がパリパリとしっかり焼かれ「外はパリッ、中はジューシー」な逸品。瓶ビールのおつまみにも最適解で、相性も抜群。餃子一個をひと口で食べるのは少し物足りないので、二つまとめて食べるのが好きで自分流。

そして最後は、やっぱりシメのラーメン

早い時間も美味しくいただけるけど、やっぱりおすすめの時間帯は深夜。行例を覚悟しながら、一日の最後をシメる最高のわくわくをお楽しみください。

こんな感じの一杯の表情が最高に嬉しかったりする。
こんな感じの一杯の表情が最高に嬉しかったりする。

最寄りの駅は、西鉄天神大牟田線、福岡市営地下鉄七隈線の両「薬院駅」から歩いて3分ほど。

以前(10数年前)は、福岡市南区野間に、もう一店舗あったので、薬院駅の近くの八ちゃんを「薬八(やくはち)」と略して表現する方も居るけど、現在は、薬院店だけで、系列店は無い。ここだけの、この味をぜひご堪能ください。

八ちゃんラーメン
住所  :福岡県福岡市中央区白金1-1-27[地図
営業時間:18時00分〜翌02時00分 
定休日 :日曜・祝日 ※要確認
駐車場 :専用駐車場なし、近隣有料駐車場あり

ラーメンアンテナ|福岡のラーメンを愛する地元民の一日一麺

福岡の片隅で日常食としてのラーメンを啜り続け、日々頭の中でグルグルとラーメンが廻っています。一日一麺、週間9麺、毎年450麺ほどを食べています。福岡の地元民が日々食べているラーメンをできるだけ多くの方に知っていただきたいという想いから肩肘張らない感度緩めな『ラーメンアンテナ』をお届けしています。少しでも福岡での麺活の参考になれば幸いです。〈 Horii Koji 〉

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