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昭和の時代から変わらない味を守り抜く〈今も行列が絶えることのない〉福岡を代表する豚骨ラーメンの名店

RAMEN ANTENNAラーメンアンテナ|福岡のラーメンを愛する地元民の一日一麺

福岡市南区大橋。西鉄天神大牟田線の「大橋駅」のすぐそばに、1964年(昭和39年)創業の「一九ラーメン本店」がある。今年、そのお店は、60周年を迎える地域を代表する老舗店だ。

大橋にある「一九ラーメン本店」の外観。
大橋にある「一九ラーメン本店」の外観。

そして今回ご紹介するのは、そのお店を起源として、翌年の1965年(昭和40年)に誕生したお店。福岡市南区の〈一九ラーメン老司店〉である。

新しくなった「一九ラーメン老司店」の外観。
新しくなった「一九ラーメン老司店」の外観。

一九ラーメンは、大橋本店、老司店以外にも、現在福岡市内とその近郊に、複数店舗が点在し、それぞれのお店が地域の方々に支持され続けている老舗の名店ばかり。その中でも最も人気があるであろう有名店が、福岡市南区老司にある、ここ〈一九ラーメン老司店〉だ。

そして現在の〈一九ラーメン老司店〉は、昨年2023年10月に旧店舗があった同じ敷地内に新しく店舗を新築し、リニューアルオープンした。そして今回、その新しくなったばかりのお店に初めて車で訪れてみると、真新しい外観は、以前の店舗よりも奥へ下がった感じになってはいたものの、遠目からでも目を惹く大きな看板や建物の仕様自体は前と比べてもその存在感はまったく変わらずのままだった。駐車場は相変わらずの満車状態。しかし、駐車スペースの区画がきれいに整理されたおかげで、駐車場のかたわらに一旦、車を停めて空車を待つのも随分と楽になった印象。実際、食後に出てこられた先客の方との駐車スペースの入れ替えも、かなりスムーズに展開でき、とても停めやすくなっていた。

店内は以前と変わらない雰囲気の安心感

訪問した時刻が13時半過ぎの遅めの時間だったこともあるのか、お店の側面にある専用の入口(正面は出口専用)に向かうと、めずらしく行列はなく、すんなりと店内へ入れた。そして左手にある券売機で、まずは食券を買う。今回は最上段の中から「一九と言えば」という枕詞が付くほどの人気メニュー「ワンタン麺」を選択し発券した。

そして、真新しい店内を見渡すと、手前にテーブル席が並び、奥にカウンター席という以前とあまり変わらないレイアウトで、アットホームな雰囲気もそのままで、ちょっと安心しつつも、席のほとんどが埋まっていて満席状態。ただ、カウンター席の回転率が早いこともあり、食べ終わっている人もぼちぼち。ちょうど入れ替わりのタイミングで、カウンターの一番奥にあっさりと着席。そのままお店の方に食券を渡しながら麺の硬さは「カタ」でお願いし、待つことしばし。

ワンタンのボリュームと味わいの最適解

ここ〈一九ラーメン老司店〉の豚骨スープは、あっさりしてはいるものの、キリッとした塩みとしっかりとした脂感がありつつ、コクのある旨みがあふれる美味しさが特徴的。合わせるツルッと食感の細ストレート麺も喉越しがよく、とても食べやすい。そのため老若男女すべての方に人気があるのも頷けるし、一九を冠する他のお店とは一線を画すどこにも似ていない仕様の一杯に。この日も、お隣のお爺ちゃんとお婆ちゃんのカップルが笑顔で美味しそうに食べていらしてホッコリとした気分になれてなんだか嬉しかった。

また、手作りのワンタンはツルンとした皮の食感と餡の味付けが少しピリッとした力強い感じで、なるほど!と、このワンタンにも唸る美味しさがあり、豚骨のスープとの相性も抜群によく、やはりこちらの〈一九ラーメン老司店〉では、ワンタン麺をおすすめしたい。

未だにラーメン一杯が500円という安さ

このご時世で、未だにベーシックなラーメンが500円という安さで提供されていることに頭が下がる想い。ただ、値段の安さだけで、通い続けている常連さんはおそらくあまりいないのではないだろうか?と思うくらい、みなさん「老司店」の味そのものや雰囲気に惚れ込んだ方々が、わざわざ足を運ばれ食べるのを楽しみに訪れているのが想像できるほど。ホッコリとしたお店の雰囲気がよく、今回の新しい店舗もまた、とても居心地が良かった。

ベーショックな「ラーメン」は、500円。
ベーショックな「ラーメン」は、500円。

ラーメン作りが拝めるカウンターが特等席

奥へ延びるカウンター席の正面中央あたりに営業用の大きなスープ釜があり、ご主人が一杯一杯丁寧に、それでいて手際よくさばく姿を眺めながらラーメンを楽しめる特等席。今回、座った席は、カウンターの一番奥の端っこだったこともあり、残念ながらその姿を直に拝めなかったものの、代わりに脇に貼られているメニュー表をじっくり眺めながらラーメンを啜ることができた。

人気メニューは一九と言えばのワンタン麺

ラーメン500円、大盛ラーメン600円、一番人気で名物のワンタン麺が650円。チャーシュー麺650円、支那筍麺650円、高菜ラーメン650円、きくらげラーメン650円、ワンタン(10個)600円、めし(小)100円・(大)150円、おにぎり(2個)150円、替え玉100円となる。

カウンター席の一番奥にあるメニュー表。
カウンター席の一番奥にあるメニュー表。

一九ラーメンの系列ではなく〈一九ラーメン老司店〉の系列店として「18ラーメン」というお店があり、こちらは福岡市内近郊に複数店舗展開されていて、最も特徴的なのは、福岡県内屈指のそのお値段で、実に「300円」という破格値と間違いのない美味しさでラーメンを提供されています。詳細はここでは省きますが、いつか取り上げてみようと思います。

こちらの〈一九ラーメン老司店〉への交通アクセスは、車で訪問するのがおすすめです。最寄りの公共交通機関の駅としては西鉄天神大牟田線の「大橋駅」を起点に、西鉄バス老司方面行きに乗り「老司小学校」下車で徒歩数分といった場所。お立寄りの際は、美味しい一杯をぜひ楽しまれてください。

一九ラーメン老司店
住所  :福岡県福岡市南区老司1丁目33-13[地図
営業時間:11時00分〜21時00分
店休日 :不定休
駐車場 :専用駐車場あり(14台程度)

ラーメンアンテナ|福岡のラーメンを愛する地元民の一日一麺

福岡の片隅で日常食としてのラーメンを啜り続け、日々頭の中でグルグルとラーメンが廻っています。一日一麺、週間9麺、毎年450麺ほどを食べています。福岡の地元民が日々食べているラーメンをできるだけ多くの方に知っていただきたいという想いから肩肘張らない感度緩めな『ラーメンアンテナ』をお届けしています。少しでも福岡での麺活の参考になれば幸いです。〈 Horii Koji 〉

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