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ミシュランガイド掲載店の店主が放つワンオペ・ワンコイン・土日限定の朝麺〈クリア豚骨ラーメン〉の凄み

RAMEN ANTENNAラーメンアンテナ|福岡のラーメンを愛する地元民の一日一麺

通常営業は11時からで、日頃は老若男女、すべての方に安心して楽しんでもらえる無化調の鶏出汁による美味しい「中華そば」をメインで提供しているお店。ミシュランガイド2019特別版の掲載店でもあり、知る人ぞ知る福岡の名店。それが福岡市博多区東比恵にある〈中華そばかなで〜鶏だし編〜〉である。博多駅のビジネス街からは少し離れた場所にあるものの、お昼のピークには、会社勤めの方々を中心に地域に根ざした人気店としても知られている。また女性お一人での来店も多いのがこのお店の特徴。

〈中華そばかなで〜鶏だし編〜〉の開業は2015年の10月で、かなで2号店になる。創業の地は、福岡市に隣接する春日市須玖南で、2011年6月に濃厚とんこつラーメンをメインとしたお店「ラーメンかなで食堂」が、かなで1号店としてオープンした。さらに現在は福岡市東区多の津に、2022年3月に煮干系の中華そばをメインに提供する「中華そばかなで〜煮干編〜」が、かなで3号店として開店。現在、以上の3店舗体制で運営されている。

中華そばかなで〜鶏だし編〜のメインメニューでフラッグシップ麺の「中華そば」。
中華そばかなで〜鶏だし編〜のメインメニューでフラッグシップ麺の「中華そば」。

店主のワンオペによる土日限定の朝麺

その名店の店主が昨年(2023年)から始めたのが朝麺。通常は、週末の土曜・日曜に限り、店主自らがこだわりの週替わりの限定麺を、基本ワンオペで提供するというスタイルで運営されている。

一定数のファンも付き週末の朝が賑わう

その週末の一杯を求めて訪れる方もこの一年近くで相当数になり、一定の「朝のラーメンファン(=朝ラー民)」たちの心を今もなお鷲掴みにしている。

2023年にデビューした逸品で大人気の名作「正油ラーメンボニート」。今年1月の週末にも提供された。
2023年にデビューした逸品で大人気の名作「正油ラーメンボニート」。今年1月の週末にも提供された。

営業は朝6時から8時30分の限られた時間

11時からの〈中華そばかなで〉の通常営業もあるため、朝6時の開店で、8時30分までという早朝・短時間の営業スタイル。それにもかかわらず、特に早い時間帯は、朝のラーメンファンでこの1年近く、いつも賑わっている印象だ。

2024年1月頭に提供。特別朝麺で鴨と鯖の出汁を合わせた「鴨南蛮そば1000円」。
2024年1月頭に提供。特別朝麺で鴨と鯖の出汁を合わせた「鴨南蛮そば1000円」。

もちろん私自身も例に漏れず、週末は、7時前後を目標に車を走らせる。現地に到着すると早朝にもかかわらず、専用駐車場はすでに満車ということも多々あり、そんな時は、お店のすぐ隣にある広めの有料駐車場にサクッと停めてお店へと向かう。入口から店内に入ると、すでに先客の方が多数の時がほとんど。席数は、カウンター席が8席、4人掛けのテーブル席が2つ、奥に2人掛けのテーブル席が2つある店内構成。一番手前の席に空席がある時はそこに着席し、店主に挨拶を交わすと同時に「おつくりしますね!」という元気なひと声とともに、私の朝の「一杯」がスタートする流れだ。

初めての試みとなる「平日の朝麺」

今回の朝麺は、初めての試みとなる「平日の朝麺」。木曜・金曜と初の平日朝麺の後、いつもの土曜・日曜の朝麺と、連続4日間の提供になる今回の一杯。そして、その一杯は、昨年二度ほどブラッシュアップしながら提供された「豚出汁麺」を、さらにアップデートさせた一杯で、透き通るようなクリアなスープなのに豚骨ベースという、近年流行りとなっている「クリア豚骨」のラーメン。その名も「スケルトン(豚)」。意味合いとしては「透ける豚骨ラーメン(スケルトンコツラーメン)」からと想像するけど、店主の言い得て妙なネーミングセンスには脱帽するしかない。

透ける豚骨〈スケルトン〉500円。クリアな豚骨ラーメンになる。
透ける豚骨〈スケルトン〉500円。クリアな豚骨ラーメンになる。

また、透明で火傷しそうなくらい熱々のスープは、思いの外しっかりとした豚骨を感じられるのに、さっぱりとした塩みの立つ味わいなので、朝麺には特に合う最適解のスープだと感心。見た目もシンプルでとてもキレイな佇まい。合わせる麺は「自家製麺の端っこ麺」だけど、侮るなかれ。不揃いの麺のため、それが逆にいろんな歯応えを味わえて本当に楽しい食感の至福。豚骨スープのさっぱりとした程良い塩みとの相性も抜群でたまらなく美味しい。

朝麺の情報は前日に店主のSNSで公開

朝の限定麺は、数量も限定(基本1日40杯ほど)の1種類のみで選択肢はない。通常は、店主のみのワンオペになり、金額は基本ワンコイン(500円)での提供で、会計時の繁雑なやり取りの手間を省く意図もあるので、500円コインか千円札の事前のご準備もお忘れなく。同時にその安価な設定額になる代わりに、麺は自家製麺の端っこ麺を使用、無化調ではなく旨味調味料も使用することもあり、大盛や替玉は無く、ご飯やおにぎり等の持ち込みは大歓迎、味や麺の要望は無し、という条件のもと、迅速かつ効率的に提供されているのが「かなで流の朝麺スタイル」と言える。

画像では伝わらないけどスープは火傷しそうなくらい熱々なのでご注意ください。
画像では伝わらないけどスープは火傷しそうなくらい熱々なのでご注意ください。

通常営業時のハイスペックなレギュラー麺もさることながら、季節限定麺や期間限定麺にも意欲的に取り組んでいる〈中華そばかなで〜鶏だし編〜〉。本来店休日にあたる火曜日にも週一限定営業の「鶏白湯そばまつ尾」、そして週末土日の朝麺と、いろんな提供日時のパターンやシーンを試してくれているので、曜日や時間によってタイミングの合わない方でも、食べるチャンスがどこかにあるかもしれないので、お近くにお越しの際や、この日は行けるかも、という時がありましたら、ぜひ、事前に店主のSNSをチェックして、お立ち寄りいただければと思います。

中華そばかなで〜鶏だし編〜
住所  :福岡県福岡市博多区東比恵2丁目8-23[地図
営業時間:11時00分〜22時00分 ※要確認
土日朝麺:06時00分〜08時30分(※前日に店主のSNSにて告知あり)
店休日 :火曜日(鶏白湯そばまつ尾として同店が営業中)
駐車場 :専用駐車場あり(店頭に3台)、隣接有料駐車場あり

ラーメンアンテナ|福岡のラーメンを愛する地元民の一日一麺

福岡の片隅で日常食としてのラーメンを啜り続け、日々頭の中でグルグルとラーメンが廻っています。一日一麺、週間9麺、毎年450麺ほどを食べています。福岡の地元民が日々食べているラーメンをできるだけ多くの方に知っていただきたいという想いから肩肘張らない感度緩めな『ラーメンアンテナ』をお届けしています。少しでも福岡での麺活の参考になれば幸いです。〈 Horii Koji 〉

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