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茨木市の検察庁跡で上映会。めったに入れない場所へ行けた!

茨木じゃるこ北摂・ド・ローカルメディア茨木ジャーナル編集人(茨木市)

茨木市には「こんな店がある」「山が近い」「こんなイベントがある」といろいろなオススメしたいことはありますが…!

今回おすすめしたいのは、期間限定のオープンスポット。

(茨木市上中条1丁目7-22 茨木区検察庁跡へ!)
(茨木市上中条1丁目7-22 茨木区検察庁跡へ!)

茨木区検察庁跡です。
2021年12月19日(日)19時まで「茨木映像芸術祭特設会場」として、オープンしています。

「検察庁」の建物へ入るなんて、こんなチャンスはめったにない!

というわけで行ってみました。
おすすめですよ、タイミングが合うならぜひ!

茨木映像芸術祭って?

(期間限定でオープンしている建物です)
(期間限定でオープンしている建物です)

茨木映像芸術祭が生まれたのは、2020年夏。
多くの文化イベントが中止になり「表現すること」や「感じること」の制限を多くのひとが感じていた時期でした。

「地域を越えて多くの人へ届けること」を目指して「映像」で表現した作品を募集。

寄せられた78作品から、専門的知識や経験を持つ審査員の審議と、多世代の市民審査員の討論、さらに誰もが投票できる動画の配信を経て、入賞・入選作品が決定しました。

(本来の建物の外側にさらに一枚、扉が設置されています)
(本来の建物の外側にさらに一枚、扉が設置されています)

入賞・入選作品を生活のなかで体感できる機会を、と実施されているのが、今回の上映イベント。

数年前に役割を終えた「茨木区検察庁」跡で、開催されています。

検察庁だった建物へ入ってみた!

(土・日曜は、10時から19時までのオープンしています)
(土・日曜は、10時から19時までのオープンしています)

茨木区検察庁跡は、JR茨木と阪急茨木市駅のほぼ真ん中あたりで、どちらからも徒歩15分ほど。
上映展覧会の入場は無料です。

(会場で上映されているのは15作品)
(会場で上映されているのは15作品)

消毒と連絡先の記入を終えると、自由に会場内を回ることができます。1階と2階で7スクリーンがあり、15作品と審査員のインタビュー映像が流れていました。

(上映作品が部屋の入り口に表示されています)
(上映作品が部屋の入り口に表示されています)

スクリーンが設置されている部屋の入り口には、その部屋で上映される作品が表示されていました。視聴時間も書いてあります。
ちなみに、どの作品も8分19秒以内の短編作品です。

8分19秒とは、太陽から私たちへ光が届くまでの時間だそう。

(部屋は作品のイメージに合わせて分けられています)
(部屋は作品のイメージに合わせて分けられています)

どの部屋でどの作品が上映されているかは、入賞か入選か、といった区分けはされていません。

この作品に合う部屋、スクリーン、見せ方はどれがいいか、と考えられていったのだと茨木映像芸術祭実行委員さんがおっしゃっていました。

「小さい子どもさんと一緒にも楽しめるなぁという作品は、和室。ファミリーで観る、というイメージですよね」とおっしゃっていました。

それが、これ。

4畳半の和室に、その広さに合うほどのディスプレイがおいてありました。

(和室のそばにはキッチンもありました)
(和室のそばにはキッチンもありました)

この建物が検察庁だったことを思うと、
「この和室、なんの部屋だったんだろう…」と、妄想が始まるような部屋でした。おもしろい!

建物内のすべての部屋が使用されているわけではありませんが、廊下を歩いていても、なかなか見ることのないものに出会えます。

「検察官室」は、検察官が仕事をするための場所なんでしょうか…?

「検察官調室」とは、なんだろう。

テレビドラマや映画で見る、検察官がおしゃれに同僚らとしゃべっているシーンが、頭に浮かぶのですが、それらしい場所は…見当たりません。

「あのシーンは、この建物ならどこで繰り広げられるんだろう」
と、アタマがいっぱいになってきました。

検察庁の同行室って、なんだろう

そして、この日一番の「えぇぇ?!なに、ここはなんの部屋?!」というのが建物の奥にありました。

(検察庁跡の建物に残っていた同行室)
(検察庁跡の建物に残っていた同行室)

「同行室」です。
建物の一番奥にある部屋でした。

(検察庁跡1階の入り口側から奥をみたところ)
(検察庁跡1階の入り口側から奥をみたところ)

建物内の廊下の奥は、たまたま電気も切れかけていて「暗いからこっちにスクリーンはないな」と思ったら、あったんです、同行室。

(狭い空間の床にディスプレイが置いてありました)
(狭い空間の床にディスプレイが置いてありました)

扉の奥に、シングルサイズの布団を敷くといっぱいになりそうなスペース。
部屋の扉には、私たちが知ってる「ドアノブ」は、ナシ。

(同行室の窓にはしっかりと格子)
(同行室の窓にはしっかりと格子)

外に出られない窓と、

(ドアの設置されたのぞき窓のようなもの)
(ドアの設置されたのぞき窓のようなもの)

扉に取り付けられた、部屋の中を確認する小さな覗き窓。

こんなにどきどきする空間ってなかなかありません!

作り物じゃなくて、実際に使われていた場所なんだな…と思うと、映像を見ていても、どこかうわの空に。

映像の見せ方がおもしろかった!

(2階の部屋へも行ってみます)
(2階の部屋へも行ってみます)

検察庁跡の2階にも、スクリーンが設置されているので、階段で上へ。

(2階にはオープンスペースもありました)
(2階にはオープンスペースもありました)

「第2調室」という広い部屋がありました。

(床にプロジェクターが設置されていました!)
(床にプロジェクターが設置されていました!)

入ってみると、壁面でなく床に映像が映し出されていて、驚きました。

ほとんどは、前にYouTubeで視聴したことがある作品でしたが、床に映し出される映像と、PCで見る映像では、まったく印象が異なります。

(ストーリー性のある作品は映画を見るようなイメージ)
(ストーリー性のある作品は映画を見るようなイメージ)

ここは、隣の部屋と廊下に出ないで行き来できるようになっていました。
「行ったりきたりしてどの方向から見ても、伝わる作品を床に映し出している」とのこと。

隣の部屋は壁面にプロジェクター。
「ストーリー性のある映像は、映画館で見るようなイメージにして上映しています」とのこと。
この上映展覧会では「映像」を体感できることがおもしろいと感じました。

(オープンスペースでは審査員インタビューも上映)
(オープンスペースでは審査員インタビューも上映)

2階のオープンスペースには、さまざまなアートや音楽イベントのお知らせも置いてありました。

「逃走の恐れがない人は、ここで待ってたのかもね。わからんけど」という会話も聞こえてきて、またあの「同行室」を思い出したりしました。

ゆっくり見てまわっていると、いつのまにか外は暗くなっていました。
建物のなかにいても、日が落ちてからの空気はまた少し変わってきたようで、フシギな感覚がありました。

おもしろかったなぁ…。
年末でちょっとバタバタしてしまったので、ようやく行くことができたのですが、もっと早くに行けたらよかったなぁ。

見たことのある作品も、違う見え方があると気付いたり、自分の感じ方が前とは変わっていたり、フシギでおもしろい体験でした。

「場所」と「作品」の組み合わせを楽しむのも、展覧会のおもしろさなんだなぁ…と感じました。

茨木映像芸術祭 上映展覧会は12月19日までです。ぜひ!
(※茨木映像芸術祭実行委員会と茨木市担当課の許可を得て撮影しています)

【茨木映像芸術祭 上映展覧会】
■会場 茨木映像芸術祭特設会場(茨木区検察庁跡)
茨木市上中条1丁目7−22
茨木区検察庁跡Map
■開催日時
2021年12月11日(土)~ 12月19日(日)
平日 13時 ~ 19時
土日 10時~ 19時
​■入場無料
☆会場には駐車場がありません。
近隣のコインパーキングをご利用ください。
☆建物内のトイレは使用できません。

【茨木映像芸術祭 公式サイト】

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北摂・ド・ローカルメディア茨木ジャーナル編集人(茨木市)

大阪府茨木市の超ローカルメディア「茨木ジャーナル」を2013年から運営。ふつうに暮らす市民の視点で、茨木市のグルメ・イベント・スポット・できごとを発信しています。カバンもカンバンもジバンもないまま「やったろかい」と勢いで走るクセあり。好きなことばは「人生ムダなし」と「いつも見てます」です。

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