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夏の脳梗塞、魔の時間帯はいつ ? ストレスフルな人は若くてもリスクあり 水分補給で命を守って

保健師ノンオイル料理研究家茨木くみ子保健師・ノンオイル健康料理研究家


こんにちは、保健師・ノンオイル料理研究家の茨木くみ子です。

ここのところ暑い日が続いていますね。
今日は、保健師の仕事をしているときに、夏になると必ずお話してきたテーマを書かせていただきます。
特にお仕事や育児・介護など、ストレスフルな状況で頑張っている方に読んでいただきたいと思います。またお酒好きの方もリスク大です。

〇夏に多い脳梗塞・血栓症

脳梗塞は冬に多いイメージですが
国立循環器病センターの調査によると、夏場6月~8月は冬と同じくらいの割合で発症することがわかっています。

国立循環器病センターが調査を行い、2018年に日本循環器学会英文機関誌「Circulation Journal」で発表。

〇脳梗塞が起こりやすい魔の時間帯は ?

脳梗塞を起こしやすい、魔の時間帯はわかっています。
それは睡眠中から朝の起床後2時間以内です。

考えられる理由としては

睡眠中の汗によって脱水になり血液がどろどろし、睡眠中は血圧が低下するため、血液の流れが遅くなり、血栓ができやすい状態になっていること。そして、
起床する前後からは、交感神経が優位になり、血圧が上昇、アドレナリンが分泌されることによって血液が固まりやすくなるためと言われています。

こんな生活の方要注意です。

例 夕飯からお酒を飲み食事をし、水分はお酒のみ、お風呂で汗を流しそのまま寝てしまった。その日は熱帯夜で寝苦しかったが疲れていたのでそのまま寝ていた。
朝起きて、のどは乾いていたが、朝ご飯は食べずに出社した。

例 家族の夕飯を作り子供と食事をした。子供に食事を食べさせ、自分はゆっくりは食べられなかったが、子供をお風呂に入れて寝かしつけた。自分もそのまま疲れて寝てしまった。
夜は暑かったが、疲れていたのでそのまま寝てしまった。
朝、喉は渇いていたが、子供のお弁当作りや朝食を作り幼稚園に行く準備や下の子の授乳をして水分補給はしなかった。

よくある光景だと思います。しかし身体の中は相当脱水になっています。
熱中症のリスクはもちろんですが、血栓もできやすい状況です。

〇血栓とは

血管にできた小さい傷を修復するためのかさぶたです。
かさぶたとしての役割を果たすと通常はなくなります。
しかし様々な原因で消えずに血液中に残ることがあります。
それが
脳で詰まると脳梗塞、肺で詰まると肺塞栓症、心臓で起こると心筋梗塞を起こします。
糖尿病などがある方は網膜血管や腎臓や神経血管で詰まることもあります。

〇血栓症に影響する3つの因子

血栓症が起こりやすいかどうかは
「血管内皮の状態」「血液成分」「血流」が関係しています。

・血管内皮の状態 動脈硬化


加齢などで起こる動脈硬化によって血管の弾力性が失われると、血管内皮に傷が付きやすく血栓ができやすくなっています。
高血圧・脂質代謝異常・糖尿病など動脈硬化症をおこしやすい生活習慣病のある方は特に注意が必要です。

・血液成分 
どろどろの血液は固まりやすく、サラサラの血液は固まりにくい性質があります。

・血流
長時間椅子に座ったままや同じ姿勢でいると、体内の血流が悪く、静脈の中に血栓ができ、この血栓は歩行などをきっかけに足の血管から離れ、血液の流れに乗って肺に到着し、肺の血管を閉塞することがあり命に係わる突然死の原因になります。(エコノミークラス症候群)
運動など体を動かすと血のめぐりが良くなり血栓の予防になります。

〇血液がドロドロになる原因は?

①脱水
夏場に汗をかき、水分摂取が少ないと血液は濃くなりどろどろします。

②高脂血症
食事からの油・脂質やお酒の影響などで、血液がドロドロしている状態。

③過度なストレスと睡眠不足

交感(戦い)神経が優位な時、体内の血液はドロドロになります。(傷を負ったときに止血が早くできるように)特に怒りの感情は自身の心も体も多大な影響を受けます。

お仕事や育児・介護など日常生活でストレスが多い時は、血液はどろどろし血栓ができやすい状況なのです。
頑張りすぎていると、若い方も脳梗塞や心筋梗塞を起こすことがあります。

睡眠時間を確保して副交感神経が優位な時間を作り血液をサラサラにしましょう。

【夏の脳梗塞の予防】

〇水分補給  利尿作用のないものを飲んで

利尿作用(脱水リスク)があるアルコールやコーヒーは控え、利尿作用のない麦茶や白湯、水がお勧めです。
一度にがぶ飲みするのではなく、ちょこちょここまめに飲むと体内に留まりやすくなります。
特に寝る前と起床後すぐのコップ一杯の水が命を守ります。

〇ストレス解消・リラックス

深呼吸とリラックス
深呼吸とリラックス

簡単な方法としては深呼吸。
そして「笑う」ことがとてもお勧め。
運動のストレス解消効果は絶大です。
あまり難しく考えずに、20~30分くらい少し息が苦しくなる程度の早歩きなどでも大丈夫です。
また
推し活など、わくわくできるものに出会えると幸せですね。

〇普段から糖尿病・高脂血症・高血圧など動脈硬化を予防しましょう。

血液をサラサラに保つこと、そして血管を傷めないような食事がお勧めです。
バター・マーガリン・油もの・揚げ物・肉類などの脂肪は控えめに。

血液サラサラのために私が食べている簡単な常備菜をご紹介しています。
保健指導歴30年の保健師が毎日食べているレシピ 血管を若々しく血液サラサラ 悪玉コレステロール対策に

☆次のような症状がみられたときは、脳梗塞を起こす前触れである可能性があります。

脳梗塞の前兆
おかしいなと思ったら、下記の判定方法を試してください。

脳血管疾患の徴候【FAST】

[脳血管疾患の徴候【FAST】
[脳血管疾患の徴候【FAST】

「F Face  顔がゆがんでうまく表情がつくれない」

「A Arm 腕を同じ場所で固定できない」
 持っていたものを落としてしまうなど

「S Speech うまく話せない」
 口を広げて「イー」と発音したときに、片側しか口角が上がらない。ろれつが回らなく、簡単な言葉でも、ろれつが回らず上手く言えなくなる。

「T Time 症状が出た時間を記録してすぐに受診」

バレー兆候チェック「A Arm 腕を同じ場所で固定できない」 どちらかの腕が下がってきてしまうときはおかしいです。
バレー兆候チェック「A Arm 腕を同じ場所で固定できない」 どちらかの腕が下がってきてしまうときはおかしいです。

脳卒中の治療は時間が勝負です。
1つでも当てはまる時は、すぐに脳神経科を受診します。
一旦症状が回復しても、実際は血栓が一時的に取れただけで、脳梗塞のリスクは残ったままの危険な状態です。
数日~数カ月の間に再度、脳梗塞を起こすといわれています。

最後までお読みいただきありがとうございました。

暑い夏を元気に乗り切っていきましょう。

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保健師    茨木くみこ 

保健師・ノンオイル健康料理研究家

産業保健・特定保健指導・子育て相談などの相談業務を長くしてきました。また自身が過食症・摂食障害を克服し約-20kgのダイエットに成功その体験から日本人に合った健康な食生活は和食だったことを再確認。高脂質な洋食・中華・洋菓子・パンを日本人に合った低脂質な和食に近づけたレシピをご紹介しています。著書多数最新刊「ふとらないクリームのお菓子 」「ふとらない米粉のお菓子」【現在の活動】オンラインや自宅で料理教室にて健康情報や料理レシピを発信保健師業務は「うららか相談」にて個別相談を受けています。料理制作動画はYouTubeにてInstagramでは最新情報とライブをしています。

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