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「食欲の秋」が太りやすい理由 体の仕組みと秋の味覚を美味しく楽しむために今から準備できること。

保健師ノンオイル料理研究家茨木くみ子保健師・ノンオイル健康料理研究家

こんにちは保健師・ノンオイル料理研究家の茨木くみ子です。
わたしは大変太りやすく、20代から30代のころ、ダイエットの罠にはまり、抜け出すのに大変苦労した体験をしています。
そこから、太らず健康に、何より心も体も楽に、快適に生きるための食生活と生活習慣の研究をライフワークにしています。
今日は秋に起こりやすいリバウンド(体重の跳ね上がり)について少しお話させていただきます。

もうすぐ夏の終わり、「食欲の秋」が来ますね。
今年の夏は酷暑でしたので夏バテで食欲が低下した人は多かったことと思います。

特に夏バテでたくさん体重が減って、ラッキーと思っている方ほど、秋に大幅なリバウンドによる体重増加が起こることがあります。

「食欲の秋」のいわれを理解することで秋太りを予防しながら、楽しく秋の味覚を楽しむことができます。
今日はその準備についてお話させていただきたいと思います。

「食欲の秋」
夏の暑さが一段落し、心地よい秋風が吹くころ、今まで寝苦しかった夜も熟睡できるようになり、体調が上向きになり、今まで元気がなかった胃腸も回復してきます。
そんな折、収穫の秋の食材、脂ののった魚、果物、お芋、栗や、秋の味覚を使ったスイーツなども出回り、どれを食べても美味しく感じられ、ついつい食べ過ぎてしまう。
これが「食欲の秋」です。



秋は過食しやすい要因が重なります。

食べずに急激に痩せた時ほどリバウンドは起こりやすい。その訳は。
食べずに急激に痩せた時ほどリバウンドは起こりやすい。その訳は。

1.夏の暑さが去り、心地よい気候の中、夏バテ気味だった体が回復してくる
夏バテしていた消化器官が回復し、活発に動くようになると、なんでもおいしく食べられるようになり、食欲が回復してきます。

2.夏の間食べられなかった一過性の拒食のあとの過食の状態
脳は夏バテによる食欲低下や体重減少を一時の飢餓状態と思って落ちた体重を取り戻させようと躍起になっています。
そして次の飢餓に備えるために、エネルギーを皮下脂肪に蓄えようと、さらに食べさせようとします。
夏バテで体重が減った人ほど、秋は太りやすくなる理由はここにあります。
飢餓の後の過食は生理的な反応のため、理性でコントロールすることは並大抵ではありません。

3 気温が下がることで基礎代謝が上がり、空腹感を感じることが多くなります。
夏は外気温が高い為、基礎代謝は下がっています。(基礎代謝の多くが体温を作ることにあるため)秋になると気温が下がり、体温を作ることも盛んなになって、空腹感を感じることが多くなります。

4.寒い冬に向けて、エネルギーを蓄積しようとする自然の力。
秋は冬に向けての身体の準備をする季節。
冬の寒さに備えるために、身体に脂肪をつけて体温を維持できる体にしようとします。
生理的にも体重が増えやすい季節とも言えます。

5.日照時間減少・照度低下との関係(セロトニン分泌低下)
夏から秋になると、秋の夜長で日照時間が減少します。セロトニンは精神の安定化を保つ作用のある脳内の神経伝達物質で、 食欲の調整にも深く関わっています。
セロトニンの分泌量は日光を浴びることが少ないと分泌量が減少します。減少した分を取り戻そうと、たくさん食べたり眠ったりすることでセロトニンを増やし、精神の安定を保とうとするからではないかと言われています。

食欲のない日も決まった時間にバランスの取れた食事を抜かないことがポイント
食欲のない日も決まった時間にバランスの取れた食事を抜かないことがポイント

夏の終わりから始める、「食欲の秋」を美味しく食べて太らない準備


まだ残暑はしばらく続きますが
この期間にあまりダイエットしない(体重を減らさない)ことが、食欲の秋を太らず楽しく過ごすポイントになります。
そのためにも三食を美味しく適量食べるようにします。

1.冷たいもの・水分の摂りすぎによる食欲の低下と栄養不足
まだまだ暑い為、水分摂取は大切です。しかし一度に大量にがぶ飲みすると、胃酸を水分で薄めてしまい、せっかく摂った食事も十分消化されず、栄養が吸収されにくくなってしまいます。
また冷たいものは胃に負担がかかり、これも食欲が低下する原因になりますので、飲み物は白湯やカフェインの少ないお茶など、常温かぬるいものを少しずつちょこちょこ飲むようにします。 

2.甘い飲み物を飲みすぎない
経口補水液や甘酒、ジュースなど水分摂取の時に糖分が多く含まれているものを頻繁にとると、血糖値が上がるため食事時間になっても食欲がわかず、食事を抜いてしまったり、少量しか食べられない原因に。
食事時間には空腹感が感じられるよう、水分摂取やおやつの内容と量をコントロールします。

3.蓄積した夏の疲れを解消する。
今から少しずつ夏の疲労を回復させましょう。
疲労物質の排出に役立つのは「クエン酸」。
梅干しやお酢を使った料理(酢の物やピクルス・酢漬けなど)、柑橘類などに含まれます。
クエン酸は、食欲を増進させるばかりでなく、唾液や胃液、その他の消化酵素の分泌を高めて消化吸収を助け、さらに胃腸の蠕動運動を活発にして便通をよくします。

4.冷房の冷えから、体を守り温める。
夏の疲れは冷房による冷えが大いに関係しています。
身体を温め血行を良くすることで、夏の疲れもさらに解消することができます。
体を温める食材、ねぎや生姜には血行を促進する効果があり、体を温めるのに優れた食材。
またカレー粉・山椒などの香辛料は精神安定やリラックス効果もあります。

夏の終わりから準備することで、「食欲の秋」も太らず、秋の味覚をおいしく楽しむことができます。


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茨木くみ子

茨木くみ子

保健師・ノンオイル健康料理研究家

産業保健・特定保健指導・子育て相談などの相談業務を長くしてきました。また自身が過食症・摂食障害を克服し約-20kgのダイエットに成功その体験から日本人に合った健康な食生活は和食だったことを再確認。高脂質な洋食・中華・洋菓子・パンを日本人に合った低脂質な和食に近づけたレシピをご紹介しています。著書多数最新刊「ふとらないクリームのお菓子 」「ふとらない米粉のお菓子」【現在の活動】オンラインや自宅で料理教室にて健康情報や料理レシピを発信保健師業務は「うららか相談」にて個別相談を受けています。料理制作動画はYouTubeにてInstagramでは最新情報とライブをしています。

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