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この季節しか見られない! 桜の限定御朱印と「ソメイヨシノ」のはなし

井口エリ御朱印記事ライター

3月に入ってから急にあたたかくなり、春の訪れを感じられるようになりました。

まだ満開には少しかかりそうですが、桜も咲き誇る準備を整えているようです。

さて、この季節の御朱印の楽しみといえば、桜をモチーフとしたピンクの美しい御朱印です。

浅草・浅草神社のさくら詣 御朱印(平成31年)
浅草・浅草神社のさくら詣 御朱印(平成31年)

近年新年度の時期に桜が咲く神社へ詣でて、これからの生活を祈念する「さくら詣」という新しい参拝の風習が生まれ、ますますこの時期が楽しみになりました。

秋葉神社のさくら詣 御朱印(平成31年)
秋葉神社のさくら詣 御朱印(平成31年)

上目黒氷川神社の御朱印帳(昼桜・夜桜)と阿佐ヶ谷神明宮の特別御朱印符と神むすび(夜桜)(平成31年)
上目黒氷川神社の御朱印帳(昼桜・夜桜)と阿佐ヶ谷神明宮の特別御朱印符と神むすび(夜桜)(平成31年)

御朱印だけではなく、この季節限定の授与品もかわいらしいものが多くて気分が上がります。

お寺も! 池上・池上養源寺の桜御朱印(令和4年)
お寺も! 池上・池上養源寺の桜御朱印(令和4年)

神社には桜が植えてあることが多く、同時に花見を楽しめるのはこの季節の参拝の楽しみですよね…!

実は比較的新しい「ソメイヨシノ」のはなし

日本人が愛する桜。

一般に「桜」と一言で呼ばれる場合、枝垂れるように咲くピンク色の花が特徴的な「ソメイヨシノ」という品種の桜を指すことが多いです。

桜の開花予想や、桜前線の北上予測もソメイヨシノのこと。ソメイヨシノは実は比較的新しい品種です。

江戸時代、天保9年(1838年)の『東都歳時記』で記されている「桜」とは、彼岸桜、しだれ桜、ひとえ桜、八重桜などの多種多様な桜でした。

ソメイヨシノという名称が正式に用いられだしたのは明治23年(1900年)のこと。ソメイヨシノは、現在の東京都豊島区駒込あたりにあった染井村で吉野桜から発見された品種です。当時、染井村は植木職人や造園業の方が多く住む地域だったそうです。

桜は日本の春の象徴であり、散り際の儚さから日本人は桜に人生のはかなさや美しさを重ねました。また、新年度の頃に咲くことから「新たなはじまりを象徴する花」としても親しまれています。

長く続いた冬の後に訪れた、あたたかく散策もしやすい季節。

今の季節の参拝は、自然の美しさを感じながら、日常の喧騒を忘れる贅沢な時間を過ごすことができます(花粉は気になるけど……)。今の季節だけの特別な参拝を楽しんでくださいね。

御朱印記事ライター

神社や御朱印が好きな元非常勤巫女フリーライター。現在は神社の授与品の企画・開発に携わるかたわら、WEB媒体を中心に様々なジャンルで記事執筆中。実は宝石鑑定士の資格を持っている。

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