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【神戸市中央区】ラジオ塔も見てね! 隠れた神戸の歴史遺産

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神戸歴史遺産として新たに5か所が認定されました。諏訪山公園にある金星観測記念碑もそのひとつ。歴史遺産には認定されていませんがこの記念碑の近くもうひとつ注目したい歴史の遺産と言っていいものがあります。

神戸歴史遺産認定の金星観測記念碑

神戸歴史遺産に認定された金星観測記念碑。
神戸歴史遺産に認定された金星観測記念碑。

今回神戸歴史遺産に認定された金星観測記念碑とは、1874年(明治9年)12月9日に金星が太陽面を通過するという現象があり、それをフランス観測隊が神戸の諏訪山で観測したことを記念して建てられた記念碑です。

この円柱は江戸時代の地震で倒れた生田神社の鳥居を再利用したもの。
この円柱は江戸時代の地震で倒れた生田神社の鳥居を再利用したもの。

この碑として使われている円柱は江戸時代の地震のときに生田神社の鳥居が破損したものを再利用していると公園内の案内板に解説がありました。こちらの円柱も違った歴史の側面を持つことを知ると新たに興味深く見学ができます。歴史の遺物は何気ないところに埋もれているものですね。

ラジオ塔とは昭和初期に建てられた街頭ラジオ

左側が諏訪山公園にのあるラジオ塔。
左側が諏訪山公園にのあるラジオ塔。

この金星観測記念碑がある諏訪山公園の片隅にあまり目立たない石造りの塔があります。何も知らなければ見過ごされそうなこの塔は、ラジオ塔です。

ラジオ塔とは、まだラジオが一般には高価だった昭和初期にラジオの普及のために設置された公衆ラジオのことです。ラジオ塔の中にラジオとスピーカーが設置されていてこの広場に集まった聴衆にラジオを聞かせていたいわば街頭ラジオです。

このラジオ塔は、戦中にかけて全国400数十か所以上が建てられましたが、塔として現存するのは全国で40ほどとのことです。そのひとつがここ諏訪山公園に残っています。

ラジオ塔の上部には電線を通す碍子がいまでも残っている。
ラジオ塔の上部には電線を通す碍子がいまでも残っている。

昭和15年に建てられた諏訪山公園のラジオ塔。その上部を眺めると電線を引くのに使われたであろう碍子(がいし)がいまでも残っています。建てられた時代から見れば戦中のラジオ放送を中心に使われていたのでしょうか。また昭和初期に作られたこの碍子ひとつを見ても様々な当時のイメージが頭の中に広がり、歴史を感じるとはこういうことかと実感できます。

このラジオ塔の時代背景などを知ると、この塔を見ながら当時の生活などを想像してみるのも面白いです。このラジオ塔の周りに集まった人々は当時どんなことを考えて過ごしていたのか、そんな思いを巡らして眺めてみるのもおすすめです。

諏訪山公園の金星観測記念碑の見学に行った際には、このラジオ塔も眺めてみてはいかがですか。

諏訪山公園

  • 住所 兵庫県神戸市中央区諏訪山町2-8
  • アクセス 神戸市営地下鉄西神・山手線 県庁前駅 西出口から徒歩約9分

神戸歴史遺産公式サイト

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