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【神戸市中央区】おにぎり専門店があるビルは戦前に作られたNHK神戸放送局の初代局舎でした

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神戸栄町通の歴史あるビル、現在おにぎりの専門店が営業していますが、このビルにはかつてNHK神戸局がありました。神戸に放送された終戦時の玉音放送もここから電波が中継されたのかもしれません。このビルとここに入るおにぎり専門を紹介しましょう。

1921年(大正10年)に建てられたビル

ビルのファサードには「1921」の数字が残る。
ビルのファサードには「1921」の数字が残る。

このビルは1921年(大正10年)に建てられました。ファサードにも「1921」の数字が刻まれています。当時は栄町のオフィスビルとして帝国生命保険が入居していており、その一角にNHKの大阪放送局神戸出張所として1925年に開設されました。その後は終戦後の1947年(昭和24年)までここに神戸局が入居していました。

戦前から戦後までの激動の時代を神戸のラジオ局として使われていた場所です。終戦時の玉音放送が神戸市内にはどこから送信されていたのかは確認できていませんが、この神戸局を中継して神戸市内に放送されたのかもしれません。ともあれ歴史的建造物であることは確かなビルです。

現在は神明別館としておにぎり専門店として1階は営業中。
現在は神明別館としておにぎり専門店として1階は営業中。

このビルのオーナーも時代とともに変わっていき、現在はお米を扱う会社の神明が所有していて神明別館というビル名になっています。現在は建築当時に近い形に改修されていてアールヌーボーが流行った時代を感じさせるデザインの窓枠も残っています。

登録文化財の銘板の横にあるおにぎり専門店の看板。
登録文化財の銘板の横にあるおにぎり専門店の看板。

このビルの1階をおにぎり専門店としてくれていることで、お店に入店すればこのビルに入れるのはとてもうれしいです。

おにぎり専門店、米処穂の店内から見た建物内。
おにぎり専門店、米処穂の店内から見た建物内。

おにぎりをいただきに米処穂(みのり)に入ってみました。注文を済ませて席について店内の様子を眺めるとビルの形状をそのまま活用しているのがわかります。この壁の様子を見ているだけでも大正時代の建物の雰囲気を十分に味わうことができます。

米処穂のおにぎり。
米処穂のおにぎり。

そしてこの歴史ある建物の中でおにぎりも味わえます。米処穂では、17種の具材から選ぶことができ、お米も白米か玄米かを選択できます。店内での飲食もできますし、持ち帰りもOK。お味噌汁やおにぎりに合うおかずも扱っています。平日のみの営業で、ランチタイム以降はカフェとしても利用できます。

各地の名産のお米も扱っている。
各地の名産のお米も扱っている。

お米を扱っている会社だけあり、各地のお米も量り売りしています。

歴史ある大正時代のビルを目で味わいつつ、おいしいお米も味わえるとても深みのあるおにぎり専門店です。

米処 穂(みのり) 神戸店
神戸市中央区元町通5丁目2-8 神明別館1階
営業時間:月~金 9:00~17:00 (和菓子カフェ提供は14:00~17:00)
定休日:土曜日、日曜日、祝日

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