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【神戸市】昔は阪急神戸駅だった! 阪急電車神戸線の歴史に触れられるミュージアムは阪急電車ファン必見!

斎信夫(いつき)WEBクリエイター/旅行ライター・エディター(神戸市)

阪急神戸駅と言うと、えーーっ?神戸三宮駅じゃないの?って言い返されそうですが、実は、1936年(昭和11年)に、阪急電車の前身となる阪神急行電鉄が三宮に乗り入れた当時は、三宮駅ではなく神戸駅という駅名でした。そんな阪急電車神戸線の歴史がわかるミュージアムをご紹介します。阪急電車ファン必見ですよ。

まずご紹介するのが、池田市の逸翁美術館で2023年6月18日まで開催されていた小林一三生誕150年記念「阪急昭和モダン図鑑」という特別展。

逸翁美術館は、阪急電鉄の創業者小林一三が蒐集した美術品を所蔵する美術館で、阪急電鉄宝塚本線「池田駅」から北へ徒歩約10分のところにあります。

「阪急昭和モダン図鑑」では、1920〜1930年代の阪急沿線の暮らしが取りあげられ、当時のポスター、車内広告、写真、ファッション雑誌、記録映像などの資料を展示。阪急好きにはたまらない展覧会でした。特に、梅田〜神戸間の電車のスピードをアピールする広告の展示が多く、記録映画のコーナーでは当時の神戸線の映像も流されていました。

残念ながら展示物は撮影禁止なのでこちらに掲載できないのですが、ミュージアムショップには展示品の一部をクリアファイルにしたものがありましたので、こちらの写真を。
「梅田⇔神戸」とありますね。三宮ではなく神戸と書かれています。

そしてこの神戸阪急ビルのジオラマも撮影可でしたので、ご紹介します。
「大阪ユキ阪急電車」とあります。

こちらには「大阪ユキ急行電車のりば」と。

阪急電車の前身となる阪神急行電鉄の神戸線は1920年(大正9年)に開業しましたが、当初は上筒井までの路線で、上筒井の駅を神戸駅と名乗っていました。それが1936(昭和11年)4月に三宮まで延伸され、それを機に神戸阪急ビルが誕生、阪急神戸駅となったのです。

こう見るととてもモダンな建物ですね。

こちらは現在の神戸三宮阪急ビル。低層棟のところは、旧神戸阪急ビルをモチーフにデザインされています。

阪急電車神戸線に関する資料ですが、実は、逸翁美術館にほど近いところにある小林一三記念館の白梅館 展示室でも通年で展示されています。次はこちらをご紹介。

「神戸ゆき」と書かれたコーナーがあります。

神戸阪急ビルの当時の写真と大阪〜神戸線特急の1934年当時の広告なども。所要時間は25分!

1922年当時は40分でした。年々スピードアップしていったんですね。

1920年7月16日、神戸線開通当時の広告です。
「綺麗で早うて。ガラアキで。眺めの素敵によい涼しい電車」というキャッチ。
「ガラアキで」て!自虐広告みたいですが、創業者の小林一三氏発案のフレーズだったらしいです。
ライバルの国鉄と阪神電鉄との差別化を図るため、より山側の内陸部に線路を敷いたので、まだ車窓に田園風景が広がっていたそう。

京都〜神戸間の利用をアピールする京阪電車(当時)の広告も。珍しいですね。

1959年当時の京阪神急行電鉄沿線案内図です。

1943年(昭和18年)、戦時体制が強化される中、陸上交通事業調整法により阪神急行電鉄は京阪電気鉄道と強制的に合併され、京阪神急行電鉄となりました。その後、1949年(昭和24年)には、京阪電気鉄道が分離。元々京阪電鉄が持っていた新京阪鉄道の路線を京阪神急行電鉄が運行するようになります(後の阪急京都線)。その後、1973年(昭和48年)4月1日に京阪神急行電鉄は阪急電鉄に改称されました。なんだかややこしいですけど、こんな歴史を辿ってたんですね。

小林一三記念館には、阪急電車の神戸に関わる展示もたくさんあります。阪急好きな方、阪急の歴史が知りたい方は、是非訪れてみてはいかがでしょう。なお、逸翁美術館では、2023年7月1日から「はっけん!小林一三と宝塚」が開催されますので、阪急と宝塚に興味ある方は是非こちらも!

今回の記事、神戸にある施設ではありませんが、神戸に関する展示物の紹介ということで、あえて神戸の地域情報を発信する当記事で紹介させていただきました。

基本情報
各施設の詳細は、阪急文化財団の各施設公式サイトをご覧ください。

逸翁美術館
小林一三記念館

※本記事に間違い等がありましたら、TwitterかInstagramのDMよりご連絡願います。(プロフィールにリンクあり)

WEBクリエイター/旅行ライター・エディター(神戸市)

兵庫県西宮市生まれの神戸育ち。テクニカルライターを経て、1998年より会社を設立しWEBクリエイター、フリーライターとして活動。数々の旅行関連サイトを企画・運営。LINEトラベルjp元編集者兼ライター。沖縄と北海道が大好きで6年半沖縄市に在住。海外は特に台湾が好きで渡航回数10回以上。「週刊日本の島(デアゴスティーニ)」専属ライター&フォトグラファーとして沖縄、兵庫、瀬戸内等の33の島の記事を執筆。こちらでは地元神戸市の魅力を、時には動画を交えてお伝えしていきます。X(旧Twitter)、Instagramでも、神戸の最新情報や記事でのこぼれ話、その他の旅行ネタなども発信。

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