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【ヒコーキ乗ろうぜ】プレミアムエコノミーの進化がすごい! これでもエコノミークラスと言い切るか⁉

岩佐史絵トラベルジャーナリスト
アッパークラスのサービス充実を追求するあまり、機内サービスがどんどん進化していく

飛行機は単なる移動手段ではなく、旅のアクティビティのひとつ。航空会社によってサービスが異なるため、フルサービスの航空会社利用の際は楽しみもひとしおです。特にアッパークラスでの空の旅は、その体験自体を目的に旅をしたいくらいすばらしいサービスを提供する航空会社が目白押し。しかしながら、そんな貴族の座席なんて、とても手が出ないわ……。筆者も含め、そのようにあきらめてしまう人も多かろうと思います。が、あきらめるのはまだ早い! ビジネスが無理ならプレエコがあるじゃない!?

プレミアム、でもエコノミークラス?

 航空会社というのはとかく究極を求めがち。各社が競うようにビジネスクラスの快適性と良質なサービスを追求しまくった結果、エコノミークラスとの差がだいぶ開いてしまうという問題が発生。そのギャップを埋めるべく30年ほど前に登場したのが、「プレエコ」ことプレミアムエコノミークラスです。航空会社によって呼び名は異なりますが、共通するのはエコノミークラスよりもシートピッチ(足元)が広く、マイレージの積算率がちょっと高いとか、ウェルカムドリンクがあるとか、エコノミーにはないプレミアムなサービスがプラスされていること。以前はエコノミークラスにじゃっかん料金を上乗せした「あくまでもエコノミークラス」という位置づけだったのですが、ここ数年さまざまな航空会社が次々と新しいサービスを付加。こちらもぐんぐん進化しつつあります。チェックイン時に優先レーンを利用できる、機内預け荷物に優先タグをつけてくれるといったサービスはもはや当たり前。つい先日も、米系大手のデルタ航空が同社のプレミアムエコノミークラスにあたる『デルタ・プレミアムセレクト』の新サービスとして、機内食の事前予約ができるようになったと発表したばかり。だいぶビジネスクラスに寄ってきています。

JALでは今を時めく著名なシェフによる監修メニューを導入。プレエコはドリンクにスパークリングワインのチョイスが加わっていたりしてちょっとうれしい(写真は昨年5月のホノルル線)
JALでは今を時めく著名なシェフによる監修メニューを導入。プレエコはドリンクにスパークリングワインのチョイスが加わっていたりしてちょっとうれしい(写真は昨年5月のホノルル線)

エコノミーではない“アッパークラス”

 では、具体的にプレエコってどんなものか? ちょうど昨年10月末に就航したデルタ航空の羽田/ホノルル線の『デルタ・プレミアムセレクト』に搭乗したので、そちらの体験談をば。

 デルタ航空では2017年にプレエコを導入するにあたり、「エコノミークラスにプラスアルファのサービス」ではなく、ひとつの座席クラスとして開発したそう。つまり同社の『デルタ・プレミアムセレクト』はカテゴリーこそ「プレエコ」ではあるものの、エコノミークラスという概念がはじめからなかったわけです。ゆえに、シートもまったくの別物。かなりの機能性をもっています。

 シートピッチは最大38インチ(約96.5cm)で、一般的なエコノミークラスの平均79~84cmと比べると10cm以上、足元に余裕があります。しかもシートのリクライニングやフットレストの角度を調整できるボタンがついていたりして、フルフラットにこそなりませんがほぼビジネスクラス! だってこのシート、ちょっと前まで本当にビジネスクラスで活躍していたデザインで、おそらく同じタイプのシートを短距離路線のビジネスクラスに導入しているエアラインもまだあるはず。というシロモノなのです。

ビジネスクラスとしても通用するシート。背もたれに体を預けたまま手の届く範囲にUSBポートや物入れがあるのは本当に便利(写真提供:デルタ航空)
ビジネスクラスとしても通用するシート。背もたれに体を預けたまま手の届く範囲にUSBポートや物入れがあるのは本当に便利(写真提供:デルタ航空)

こんなに充実していていいんですか

 アメニティキットもプレエコ専用のものを用意。サステナブルかつ作り手に対しフェアな商品をモットーとするメキシコのブランド『Someone Somewhere』のポーチはプラスチックやファスナーを一切使用しておらず、デルタ航空のサステナビリティへのこだわりを感じさせます。中には竹製の歯ブラシや靴下のほか、オーストラリアの自然派スキンケアブランド『Grown Alchemist』のリップバームやハンドクリームが入っていて、いやこれほとんどビジネスクラスじゃぁ……(2回目)という充実ぶりに、正直ちょっと驚きました。

アメニティキットのほかに、ノイズキャンセラーつきのヘッドセット、しっかり底に厚みのあるスリッパや大き目でふかふかの枕などがセット。長距離路線でも余裕の快適性
アメニティキットのほかに、ノイズキャンセラーつきのヘッドセット、しっかり底に厚みのあるスリッパや大き目でふかふかの枕などがセット。長距離路線でも余裕の快適性

エクスクルーシブなサービスの数々

 優先的に搭乗案内されるので、エコノミークラスよりも先に座席につくことになりますが、ここでウェルカムドリンクがふるまわれます。スパークリングワインのチョイスもあり、さっそくごきげんになる筆者。一般的なエコノミークラスの場合、ドリンクのサービスは最初の機内食の前であることがほとんどなので、プレエコではこの時点でもだいぶエクスクルーシブ感があります。

 ちなみに、米系エアラインではエコノミークラスのアルコールが有料化されているところもありますが、デルタ航空の太平洋路線は今のところ無料で提供。米国産クラフトビールの取り扱いもあり、お酒好きな筆者としてはそこもまたうふふ♪なポイントです。

 機内食も、デルタ航空のプレエコはエコノミークラスと内容がちょっと違うだけでなく、テーブルにクロスを敷いてくれるので、ぐっと高級感が。それだけでも「おっ」と思っていたのですが、今年3月には食器とデザートが刷新されたそう。そこまでしちゃう?

昨年の搭乗時にはエコノミークラスと同じサトウキビの繊維でできたバガスの器だったのが、2024年3月から食器が変更になったのだそう。わずか数か月でどんどん進化するそのスピード感に驚き
昨年の搭乗時にはエコノミークラスと同じサトウキビの繊維でできたバガスの器だったのが、2024年3月から食器が変更になったのだそう。わずか数か月でどんどん進化するそのスピード感に驚き

3月からはこんな感じだそう(写真提供:デルタ航空)。このビジュアル、「短距離路線のビジネスクラス」と言われたら信じちゃうほどのビジネスクラス寄り
3月からはこんな感じだそう(写真提供:デルタ航空)。このビジュアル、「短距離路線のビジネスクラス」と言われたら信じちゃうほどのビジネスクラス寄り

現地でのパフォーマンスに大きな差

 到着前の軽食を経て、無事にホノルルに到着。バゲッジクレームでは優先的に荷物が出てくるので、待ち時間が少ないのもデルタ航空・プレミアムエコノミーのサービスのひとつです。

 ミッドナイトフライトで午前中に現地到着というホノルル線では、到着して初日からばっちり遊べる! が魅力なのですが、寄る年波に勝てない筆者としては機内で休んだつもりでも夕方近くになると疲れてしまいます。しかし、足元広め+120度くらいのリクライニングでのんびりできたのが本当にありがたく。シートピッチが広いので、後ろの席をそれほど意識せずにリクライニングできるのもよき。

 今回は朝の10時半過ぎの現地到着後、すぐに取材開始というハードなスケジュールでしたが、夜まで元気りんりん。身体への負担が軽かったのを強く実感しました。

深夜便なのにノリノリで元気いっぱいのCAさんたち。フライトを通してこまやかなケアがあり、おかげで楽しく思い出深いフライトになった
深夜便なのにノリノリで元気いっぱいのCAさんたち。フライトを通してこまやかなケアがあり、おかげで楽しく思い出深いフライトになった

アップグレード、でも手が届く料金!

 こんなにビジネスクラスちっくに楽しめたプレエコですが、ここで気になるのはやはり料金。一般的に、ビジネスクラスがエコノミークラスの約3~5倍の金額であるのに対し、プレエコは約1.8~2.2倍程度という航空会社がほとんど。渡航時期や路線にもよりますが、いずれにせよデルタ航空のようにビジネスクラスに寄せたサービスのプレエコなら、かなりお得な料金といえるでしょう。

 たとえばシートそのものは同じで、エコノミークラスとプレエコの違いはシートピッチ程度という航空会社もあるので、それならばバルクヘッドシート(それぞれのクラスの最前列の座席で、CAと向い合せになっちゃうこともあるあの席。※緊急事態の際、CAさんのお手伝いを任されることもあり「英語が堪能である」など制限がある座席もあります)を選ぶのもあり。こちらも近年では予約を有料化している航空会社が多いものの、数千円程度の加算で済みます。しかしながら、そこにもうちょっと足すだけでさらにいろいろサービスが! と思うと、プレエコも手が届く範囲ではありませんか。

 多くの航空会社が導入しているプレミアムエコノミークラス。前述のとおり、航空会社は常に究極を求めてサービスを更新しているので、どんなサービスが加わっているのか、スペックは変わっていないか、予約前に今一度チェックしてみましょう。

トラベルジャーナリスト

旅活歴は四半世紀以上のフリーランス トラベルジャーナリスト。3か月ごとに拠点を変えながらのノマドライフを夢見て、「この町に住んだなら」を妄想しつつ旅を続けます。その土地のリアルな文化を知ることで、旅はぐっと楽しくなるもの。じんわり心地よい旅先探訪中に出合ったいろいろをご紹介します。

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