【京都市中京区】「京の文化を自分たちで守ろう」との意気込みが広がった。京のつくり手たちが一堂に集結。
2021年8月1日、京都市役所前直結の地下街、ゼスト御池で開かれた「京のつくり手マルシェ」には、地下街3会場に、9つの飲食店と、9つの伝統工芸などを販売する物販ブース、ワークショップコーナーが5店、全部で23店舗が集結しました。
「正直、取り組みを始めた当初、こんなに出店者が集まるとは思っていませんでした。新型コロナウイルスの影響下で苦境にあえぐ事業者さんたちの間で、京の文化を守るため、困難を自分たちの力で情報発信し乗り切ろうとの思いに賛同する人たちの輪が広がりました」と語るのは、野菜ソムリエの店・十祇家などの飲食事業や伝統文化、工芸販売事業を行ってきた株式会社SIPの松崎隆明代表です。
松崎代表とともに、呼びかけを始めたDesign Studio nanoのアートディレクター・小野寺朝さんも、趣旨への賛同者、申し込みがあいついだ事で、当初予定していた自身の店舗の出店を取りやめて、事務局に専念したほどだといいます。
河原町広場では、日の出テントの帆布バッグ、新京極の土産店・京のふるさとからは、人気の舞妓さんコスメシリーズが販売されたのをはじめ、鳥獣戯画マスクや手描き友禅など伝統工芸品、さらにはタルトタタン始め、ラーメンや手作りソースなどの地元飲食店の自慢の開発商品などが販売されていました。山鉾町の鷹山の地元、欧風カレーのガーネッシュは、鷹山カレーを開発、店主は「フルーティーで後から辛さが追いかけてくる自慢の一品、来年こそは祇園祭での山鉾巡行を願います。地域を盛り上げる一助になれば」と語ってくれました。
寺町広場では、京友禅で楽しく和はがき作りなど、職人さん達の細かい手仕事を簡単に体験できるように工夫されたワークショップを開催。130年続く中村ローソクのブースでも、子どもたちが初めて挑む、和ろうそくの絵付け体験に真剣に取り組んでいました。
また、御幸町広場では、日本フルートコンベンションコンクールや京都芸術祭毎日新聞社賞などでいくつもの受賞歴があり、著名フルート奏者を多数育成してきた、宇高彩子さんと宇高フルートレッスンスタジオの生徒さんたちが演奏会を行いました。「えっ、フルートの音色ってこんなに迫力があったんや」と筆者も驚いたほどの心にずしんと響く、しかも美しい音色。365日の紙飛行機や鬼滅の刃など聞きなれた楽曲に、地下街を訪れたたくさんの人たちも足を止め、聞き入る姿も見られました。