【京都市中京区】ぬいぐるみ守りが可愛いと人気の寺でご先祖様を送る鐘撞き 昨年に続き住職が代行で祈り
寺町専門店街の三条にある矢田寺を訪れると、愛らしい顔をした、ぬいぐるみでできたお守りが置いてあります。ご住職夫婦の手づくりだそうです。20年以上前に始めたそうですが、今では、若い女性がぬいぐるみ守りを求めて、全国から訪れるのだとか。
矢田地蔵尊とも呼ばれる矢田寺は、光仁7(816年)年に日本で初めてつくられたとされる地蔵菩薩立像がご本尊のお寺。このお地蔵様は、地獄の火焔地獄で罪人を救っている地蔵の姿を彫刻にしたものと伝承されていて、代受苦(だいじゅく)地蔵と呼ばれ、人々の苦しみを代わってくださる、ありがた~いお地蔵様なのです。
さて、「お精霊さん迎え(おしょうらいさんむかえ)」は東山区の六道珍皇子で行われ、多くの参拝者によって、「迎え鐘」が撞かれました。では、「送り鐘」はどこか? 実はこの矢田寺の鐘がそうなんです。この鐘、正平14年(1359年)に鋳造された梵鐘が戦時中の金属供出により失われたため、昭和48年(1973年)に新鋳されたものです。
例年、8月16日には檀家さんや一般の方々、多くの人が寺を訪れ、順番に送り鐘をつきます。しかし、2020年は新型コロナウイルスの影響で、事前に受け付けた水塔婆を奉納し、住職が代わって鐘を撞き、回向(えこう・読経・布施などをおこなって先祖の冥福を祈ること)しました。2021年も引き続き、同じ形式で行われます。
2021年、お精霊さんを送る、「五山の送り火」も、五山送り火連合会が2020年に続き、大 文字6箇所、松ケ崎 妙・法それぞれ1箇所、船形万燈籠送り火1箇所、鳥居型送り火1箇所、左大文字送り火 1箇所に点火する規模縮小で開催を発表しています。令和3年の護摩木の志納受付は行われません。
8月16日午後3時から、同会によるライブ映像配信も行われます。みなさん、今年はおうちで一杯やりながら、じっくり送り火を鑑賞しましょうか。
矢田寺 京都市中京区寺町通三条上る 075-241-3608