千本今出川を、いつものごとく軽快に下っていると、千本中立売の手前にある西陣京極の入り口から「373」（みなみ）と描かれたシンプルだけど愛らしい暖簾が見えたので、「新しい店ができたんや」ということで入ってみました。

　遊んで楽しめるショットバー「373」がオープンしたのは2021年の8月1日のこと。お店を切り盛りするアヤさん、リリさんの24歳同士の若々しいコンビは、開店に向けて、「年配の人でも、若い人たちでも楽しめるように」と山崎、響、京都ウイスキー3種などのウイスキー、マバム、プラチナムなどの可愛いいシャンパン、ワイン各種、ビール各種などを幅広く取り揃えました。

　ローストビーフやラスクなどのおつまみの研究もしてきました。しかし、すぐに京都市はまん延防止重点措置から緊急事態宣言となり、酒類提供もできなくなりました。それでも二人はめげずに、持ち前の明るさで、「やりたいことはいっぱいあるけど、できることから始めよう」と一念発起。ラスクとバナナジュースの研究を重ねました。

　一つ一つイラストを入れたアイシングラスクは小さくキューブ状にして、可愛い卵型の容器にいれたところ、これが大好評。バナナジュースもシナモンの効いたお腹に優しい飲み物に仕上がりました。飲んでみたら、いい感じでミルク多めのさっぱりバナナジュース、まじ美味しかったです。思わずもう1杯注文してしまいました。

　西陣京極は、かつては寄席や芝居小屋、昭和になってからは映画館などが密集した一大興行地でした。今はスナックや居酒屋などがあるこぢんまりとした繁華街です。残念ながら現在は緊急事態宣言もあって、休業中の店舗も多く灯が消えたようになっています。

　二人は、「２Fにはダーツもあって、楽しめる空間になっていますが、今は自由にできないので、早く宣言解除になって、地域の人たちに、遊びながらお酒とおつまみを楽しんでもらいたい」と話しています。

　西陣京極の希望の灯になりそうな「373」に期待大。ゲート入ってすぐにありますので、千本通りをお通りの際は、ちょっと寄り道してみてください。

ショットバー ３７３　京都府京都市上京区東石橋町30−４