【京都市中京区】紅葉めぐりはこだわりの名物観光タクシードライバーと行ってみよう! 得することいっぱい
紅葉シーズンに自家用車で行くと渋滞でへとへとになっちゃいますよね。かといって他の交通機関では、斜め移動ができない、混雑は半端ないし、道に不慣れで目的地にたどり着くまでに時間がかかったり、しかし、そんな問題をすべて解決した上に、丁寧なガイドやおもてなしまでついて、快適に京都巡りを満喫できる方法があるんです。
貸し切りの観光タクシーでめぐること。昨今は修学旅行なども班ごとに行動出来て、ドライバーさんについてもらって安心とタクシー観光が主流になっています。2021年11月12日、紅葉シーズンを目前にして、こだわりの名物観光ドライバーが何人も在籍するという評判の小さなタクシー会社「エコロ21」(中京区)のドライバーさんにお薦めを案内していただきました。
この日、案内していただいたのは、少しいかつい顔だけど、実はとっても丁寧で優しい観光ドライバーの壁谷圭司さん。まずは、本社の三条通りから北上して今出川通まで。「このあたりはかつて、応仁の乱でほとんど焼失してしまったんです。相国寺はかつて東陣にもなったところ、足利時代には御所を見下ろす七重の塔もあったんですよ。ところで、京都の人が先の大戦というと第二次世界大戦ではなくて応仁の乱のこと、面白いでしょ」
日本庭園と紅葉の美しさを同時に味わいたいとのリクエストに応じて、まず案内していただいたのはその相国寺(上京区)の開山堂庭園。禅庭・枯山水の完成者として名高い高僧・夢想疎石の作庭で、「枯山水と苔と築山の間を水が流れる山水の庭が一体となった庭園で、紅葉の時期は特に美しいですよ」と言います。12月12日まで秋の特別拝観をやっています。
走行中も楽しくて、筆者の大好きな深みのある話がたくさん出てきます。「タクシー貸し切りですからお迎え先も、行き先も自由です。最初にお客様の思いをきちんと伺って、好みに合わせて、その日最適のコースを提供させていただきます」とのこと。続けて、森の中に植物図鑑などを配した文庫がある京都御所の母と子の森に。こちらも色づいたらむっちゃ幻想的やなあと思わせる素敵な空間が広がっていました。ここ絶対穴場やなあ。
さらに北上して、圓光寺(左京区)へ。「圓光寺は、江戸時代の始めに、徳川家康がこれからの日本には学問が必要と、足利学校の塾頭を招いて伏見に開いた臨済宗のお寺なんですわ。境内では活字印刷が行われていて、日本最初の木版印刷が出されたところでもあるんです。」展示室には、その頃に使われていた五万個に及ぶ木製活字(重要文化財)の現物を見ることができます。 同じく重要文化財で寺宝の円山応挙筆「雨竹風竹図屏風」も常時展観できます。応挙ファンにはたまらないですね。
そして何といっても、紅葉が映える「十牛之庭」(まだ色づき初めです)。「建物の中から縁側越しに見てください。」 との勧めで、その通りにすると、まるで絵画を見ているよう。緑を敷き詰めたような苔庭に、鮮やかな紅葉が散らされています。「牛が寝そべって首を上げてるように見えませんか。牛を追う牧童の様子が描かれた十牛図が題材です。禅の教えで自分探しの旅に重ねてるんですね。探し求めていた悟りは自身の中にあったという物語です」と聞いて、思わず庭の見方が変わったわあ。
なんでそんなに仏教なんかにも詳しいんですかと尋ねると、壁谷さんは、元は代々奈良の法隆寺の壁塗りを担当していた左官屋さんだそうで、「壁屋の壁谷ですわあ。昔から寺院には縁が深かった」と言います。なるほどと納得です。
昼食は、聖護院にある最古の八つ橋屋さん、西尾八つ橋の食事処「お食事処・甘味処 西尾八ッ橋の里」で美味しいにしんそばとシフォンケーキを紹介していただきました。広い庭園を見ながら落ち着いて食べられました。このにしんがまた絶品でした。
タクシーの貸し切り観光はうまく利用すると実はとってもリーズナブル、7人乗りの観光特別車両もありますので、一度検討してみてください。
株式会社エコロ21(エコロタクシー) 京都市中京区壬生天池町42番地1 075-803-2228