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【京都市上京区】日本庭園と紅葉の究極の美 見頃間近! 相国寺特別拝観と疫病封じのお守りや五芒星探しも

HOTSUU地域ニュースサイト号外NETライター(京都市)

 築山と流れの「山水の庭」、かつては実際に水が流れていたと言います。その前に配された御影の切石に縁取られた白砂に庭石の「枯山水平庭」がひとつに同居し連携している珍しい形式をしているのが相国寺開山堂の庭園です。

相国寺開山堂の庭園 2021年11月10日現在
相国寺開山堂の庭園 2021年11月10日現在

 そしてこの庭園と紅葉とのコントラストは見事としか言いようがありません。さすがは、禅庭・枯山水の完成者として名高い高僧・夢想疎石の作庭ですね。開山堂はその名のように開山夢窓国師の木像を安置している堂で、境内で最も大切なところです。

紅葉満開の相国寺開山堂の庭園 相国寺提供 転載禁止
紅葉満開の相国寺開山堂の庭園 相国寺提供 転載禁止

 相国寺(しょうこくじ)は、京都五山第二位に列せられる名刹です。正式名称は萬年山相國承天禅寺。十四世紀末、室町幕府三代将軍の足利義満により創建されました。七重の塔はじめ、残念ながら当時の建物は応仁の乱などで焼失してありません。ところで実は金閣寺も銀閣寺もこの相国寺の塔頭(たっちゅう)の一つです。

2021年の12月12日まで、秋の特別拝観
2021年の12月12日まで、秋の特別拝観

 現存する法堂は日本最古の法堂建築として1605年、江戸時代の初期に再建された物を今に伝えています。法堂の狩野光信筆の蟠龍図(ばんりゅうず)は手を叩くと反響するので鳴き龍とも呼ばれています。方丈とともに2021年の12月12日まで、秋の特別拝観が行われています。

狩野光信筆の蟠龍図が描かれている法堂
狩野光信筆の蟠龍図が描かれている法堂

 また、第6波を封じ込め、コロナ退散を願って、経典を収めたお守りも作られました。「卻瘟神呪」(ぎゃくおんじんしゅう)は、釈迦が十大弟子の筆頭でもあった阿難尊者に授けたとされる経典で、江戸時代初期に疫病を収めたとされています。現在は臨済宗のみが読踊を続けています。江戸時代の先例に倣い、1200度の高温で焼いた黒い竹筒の中に経典を収めて封をしてあります。相国寺によって祈祷済みで、ふりがなと現代語訳を載せた紙が添えられています。

経典を収めたお守り
経典を収めたお守り

 次の時代を担う若い人たちにも寺院や仏教美術などに興味を持ってもらいたいとの思いから、境内のどこかにある、五芒星が掲出された珍しい鬼瓦を発見すると粗品を進呈するミニイベントも開催しています。詳しくは相国寺宗務本所まで。かなりその名が知られてきましたが、まだ比較的混雑も少ないので、見どころ満載の相国寺へぜひ訪れてみてください。

五芒星が掲出された珍しい鬼瓦
五芒星が掲出された珍しい鬼瓦

大本山 相国寺 京都市上京区今出川通烏丸東入 075ー231ー0301

地域ニュースサイト号外NETライター(京都市)

 「YAHOO!ニュース ベストエキスパート2024 地域クリエーター部門 特別賞」を受賞 京都をこよなく愛する地域ニュースサイト号外NETの京都市担当タウンクライヤ―です。四国から大阪の元地方紙記者。観光ガイドをしながら京都時空観光案内2024(観光ガイドのための京都案内マニュアル)全19巻や「やさぐれ坊主京を創る 前田玄以の生涯」(京都文学賞一次審査通過)はじめ、京都を題材にした小説なども執筆しています。

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