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【京都市上京区】歩いてみると分かる、千本通りの歴史と魅力をギュッと詰め込んだ商店街の案内看板の凄さ!

HOTSUU地域ニュースサイト号外NETライター(京都市)

 千本通りはかつてのメインストリート。その中でも上長者町から丸太町は、歴史的な遺跡や伝説があり、朱雀大路のまわりに天皇の住まいや貴族の屋敷、政庁や役所が立ち並ぶ華やかな都でした。「千本商店街・朱雀大路の街」(外部リンク)が千本通りに沿って、2021年5月に8か所に設置したストリート大看板は、通り沿いの店舗や家並みがイラストで掲載されていて、「分かりやすい」と評判でした。

以前の看板 これも評判でした。
以前の看板 これも評判でした。

 なんとその大看板が、看板の端にあるQRコードから、投稿フォームへ、お気に入り、おすすめのスポットや店、散歩コース、とっておきの場所、思い出の地といった、寄せられた情報を元に、2021年12月に入って大幅にリニューアル。この看板が凄いのなんのって、店舗情報が掲載された上に、看板周辺の歴史や魅力スポットなどがイラストで紹介されているのですが、「イラストが可愛いし、めちゃくちゃ良く分かる」とすでに設置当初を凌ぐ大評判になっています。

出水看板
出水看板

 丸太町看板から一つ一つ見ながら案内のスポットを歩いてみました。丸太町の大極殿跡の案内板では、現在左京区にある平安神宮は実は平安京大極殿を模した8分の5サイズのレプリカ。元は千本通りに創建予定だったことや千本通りと平安神宮や時代祭の始まりとの意外な関係なども浮かび上がらせています。

大極殿跡の碑
大極殿跡の碑

 内裏跡の解説と日本最古の長編小説「源氏物語」、光源氏が姫たちと織りなす雅な話、また1000本あった卒塔婆から来た千本通りの名の由来や黒雲の怪鳥鵺(ぬえ)伝説など、千本のちょっと怖い話もあります。看板の案内に沿って二条公園まで歩くと確かに鵺大明神が奉られていました。

二条公園の鵺池の伝説と鵺大明神
二条公園の鵺池の伝説と鵺大明神

 出水通の云われは綺麗な地下水が出たことによるのだそう。都には造り酒屋がたくさんあって、亭子院合戦で貴族たちが一升瓶100本の酒を飲み干すほどの飲み比べをした様子や円山応挙の幽霊掛け軸がいつのまにか消え失せた話を始め、出水の七不思議なども描かれています。丸太町七本松の京都アスニーの敷地には、酒造司倉庫跡の石碑がありました。平安京創生館で平安宮に関する様々な展示がされています。

酒造司倉庫跡の石碑
酒造司倉庫跡の石碑

 出水周辺には魅力的なお寺の話もいろいろあります。秀吉が伏見城から寄進したと言われる毘沙門天像のある華光寺や観音寺の山門は伏見桃山城の牢獄門を移したことから、「百叩き門」と呼ばれ、夜な夜な人のうめき声が聞こえるのだとか。

観音寺の山門 観音寺様撮影掲載許可
観音寺の山門 観音寺様撮影掲載許可

 かつては千本通りから後院通りまで走っていた京都市電千本線の様子や日本映画は千本から始まった!? などまだまだあります。看板を見ながら街を歩くと、当時の情景が蘇り、タイムスリップしたかのような気分を味わえますよ。ぜひ一度、千本商店街・朱雀大路の街へ行ってみてください。

かつてこの界隈には映画館がいっぱい
かつてこの界隈には映画館がいっぱい

 また同商店街が「せんブラグルメマップ」を発行しています。商店街内の19の飲食店の地図と魅力がコンパクトな見開きマップに凝縮されています。こちらもあわせてどうぞ。

せんブラグルメマップ
せんブラグルメマップ

 平安京大極殿跡 京都市上京区小山町906

地域ニュースサイト号外NETライター(京都市)

 「YAHOO!ニュース ベストエキスパート2024 地域クリエーター部門 特別賞」を受賞 京都をこよなく愛する地域ニュースサイト号外NETの京都市担当タウンクライヤ―です。四国から大阪の元地方紙記者。観光ガイドをしながら京都時空観光案内2024(観光ガイドのための京都案内マニュアル)全19巻や「やさぐれ坊主京を創る 前田玄以の生涯」(京都文学賞一次審査通過)はじめ、京都を題材にした小説なども執筆しています。

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