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【京都市上京区】直に覗いて見ると変わる石の世界観? 全国津々浦々で採取の鉱石が一堂に工芸アートも! 

HOTSUU地域ニュースサイト号外NETライター(京都市)

 鮮明なブルーの海に浮かぶ淡い土色の島、頂上の火口から金塊があふれ出るような幻想的な光景が広がっていました。まさに石の世界観を変える驚愕の出来事。顕微鏡で覗いた秋田県亀山盛鉱石の青鉛鉱の小さな世界です。

顕微鏡で覗くと異次元世界
顕微鏡で覗くと異次元世界

 連休の初日となった2022年1月8日(土)から9日(日)までの間、上京区の堀川寺の内を上がった「スペースたて680」で開催されている「石コレクションお披露目会 石会たて」には、無類の鉱石マニアが集結して、自慢のコレクションを披露しました。

石コレクションお披露目会 石会たて
石コレクションお披露目会 石会たて

 技術開発関係の仕事に務める傍ら、趣味で日本全国を巡って、珍しい鉱石を集めてきたという石坂知裕さんの一押しは冒頭で紹介した青鉛鉱。「結晶の形が青く浮き出ている物はかなり希少」なのだとか。また愛媛県四国中央市の赤石鉱山が採れた灰クロム柘榴石は、「四国山地の1706メートルまで採取に登った」と言います。

秋田県亀山盛鉱石の青鉛鉱
秋田県亀山盛鉱石の青鉛鉱

 石坂さんの鉱石マニア仲間の中源也さんもまた技術系の会社にお務めです。「川で崖が崩れ落ちたりすると地層が表面に出てきて良い鉱石が出たりしますし、すでに有名なところでも数が多いのでまだまだ出物がありますよ」と話してくれました。北海道から鹿児島まで全国を周った」と言います。アンモナイトなどの化石がある鉱石がたくさん並べられていました。

石坂知裕さんと中源也さん
石坂知裕さんと中源也さん

 現在使われている産業鉱石をテーマに展示を行っていたのはハンドルネーム「これでええねん」さん(22)です。砕いて製錬するとアルミ鍋や茶碗に生まれ変わったり、ステンレスの材料のクロム鉱石、重晶石のようにバリウムになったり、イットリウム鉱石のようにガンの治療薬にもなる医療系の鉱石も展示されていました。「どれも産業に必要な縁の下の力持ちだ」と言います。

「これでええねん」さん(22)
「これでええねん」さん(22)

 酒徳利やおちょこ、コーヒーカップといった釉薬研究者による陶器の展示もありました。金属やマンガン、銅などの原料を1260度で熱するとイオン発色し、見事な青色に変化するのだそうです。ただ青いだけでなく、重厚感があり、どことなく温かみがある作品に仕上がっています。

釉薬研究者による陶器の展示
釉薬研究者による陶器の展示

 「小さい鉱物に光を当てたい」とつまようじの先を削った道具なども駆使したという、鉱物のほんとに小さなアート工芸はひと際目を引きました。城陽市のHEYさん(60)の制作です。会の主宰でスペースたて680オーナーの西田勝一さんは、「大きな展覧会のガラス越しの展示ではなく、実際に見て触れて鉱物の魅力を知ってほしい」と語ってくださいました。

スペースたて680オーナーの西田勝一さん
スペースたて680オーナーの西田勝一さん

 今後も定期的に開催していく予定だそうです。あなたも石の魅力を感じてみませんか!

スペースたて680(外部リンク) 京都市上京区寺之内竪町680(堀川寺の内上ル)

地域ニュースサイト号外NETライター(京都市)

 「YAHOO!ニュース ベストエキスパート2024 地域クリエーター部門 特別賞」を受賞 京都をこよなく愛する地域ニュースサイト号外NETの京都市担当タウンクライヤ―です。四国から大阪の元地方紙記者。観光ガイドをしながら京都時空観光案内2024(観光ガイドのための京都案内マニュアル)全19巻や「やさぐれ坊主京を創る 前田玄以の生涯」(京都文学賞一次審査通過)はじめ、京都を題材にした小説なども執筆しています。

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