【京都市東山区】源義経が源氏再興を祈願したえびす神像の特別公開 出世えびす祭を静かに開催!
京都市東山区の粟田神社で2022年1月9日〜11日まで摂社恵美須神社の「出世えびす祭」が斎行されています。
源義経が牛若丸の幼少時代に奥州下向の時、源氏再興の祈願をしたことで、出世又は門出恵美須と称されてきた「えびす神」の特別公開による参拝や粟田焼や明治初めの刀剣などの貴重なお宝が納められている宝物殿の無料公開などが実施されています。
また、境内では氏子たちの清々会によって甘酒が振舞われました。神楽や市などは出ず、静かに実施されていますが、地元での崇敬篤く、多くの家族連れや店主などが参拝に訪れていました。
粟田神社は、諸説ありますが、奈良朝より活躍した粟田氏の氏神として創建された社とも伝えられ、京都の東の出入口である粟田口に鎮座する為、古来東山道・東海道を行き来する人々は旅の安全を願うようになり、いつしか旅立ち守護・旅行安全の神として知られるようになったと云われます。祭には神輿に先行して剣鉾が巡行します。剣鉾は祇園祭の山鉾の原形と云われており、 室町時代には祇園会が行われない際は粟田祭をもって御霊会としたと伝えられます。
また江戸時代初期に始まった粟田焼発祥の地としても知られます。粟田焼とは、この地で始まった陶器の呼び名です。のちに金森宗和、野々村仁清によって大きく開花しその後、尾形乾山などに引き継がれます。現在、唯一蹴上の安田浩人氏が粟田焼を作陶しています。東山一帯の音羽・清閑寺・清水などに築かれた窯は清水焼の起源となりました。京都の焼物はこの粟田口の窯に始まったのです。
京銘菓 「粟田焼」の肌色は、この粟田焼の渋い色合いを再現しています。その素朴でなつかしい味わいは京ブランドとして人気です。
10月に行われる粟田祭では、かつて大燈呂の巡行が行われていました。大きな灯篭の山車で、今日の「ねぶた」の原型とも言われています。1567年(永禄10年)に行われた「夜渡り神事」の記録にその記載があります。2008年に京都芸術大学の学生が取り組む「粟田大燈呂プロジェクト」が、180年ぶりに「夜渡り神事」の大燈呂をアートの力で復活させ、毎年恒例となって今日に至っています。
密になることはなく静かに参拝できますよ!
粟田神社(外部リンク) 京都市東山区粟田口鍛冶町1