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【京都市中京区】新京極通150年で商店街や大学、企業ら共同で事業史編纂 全国へ情報提供呼びかけ! 

HOTSUU地域ニュースサイト号外NETライター(京都市)

 京都市中京区の河原町通と寺町通の間にあり、三条通から四条通までの約500mの南北の通りにある新京極。新京極というと京都の人たちのみならず、全国的にも一度は訪れたという人も多いはず。かつては周辺に老舗旅館なども多く、新婚旅行の人たちが訪れた時代から始まって、映画館や多数のおみやげ屋さんが建ち並び、修学旅行生ら若い世代の人気スポットともなりました。コロナ禍前はインバウンドの人たちで溢れかえっていたのも記憶に新しいところです。

新京極通
新京極通

 新京極通は、2022年に開通して150年を迎えます。そんな中、新京極商店街150年記念事業実行委員会が「新京極150年史」の編纂に乗り出しています。同会は、新京極今昔写真展や子どもたちに歌ってもらった京のわらべ歌を収録して商店街で放送する企画、後世に残したい風景画像の募集、商店街の高齢者に話を聞く会、統一看板の設置など様々な取り組みを行ってきました。

新京極今昔写真展
新京極今昔写真展

 これまでも10年、20年、100年など節目ごとに事業史の編纂が行われてきましたが、今回の事業は、2026年となる新京極商店街振興組合の50周年の時期に発刊を予定していて、4年をかけての壮大な取組となります。

節目ごとに事業史
節目ごとに事業史

 2022年2月9日に開かれた同実行委員会には、振興組合の役員、京都商店連盟、イベント会社、京都精華大学の吉元加奈美講師も参加して、150年史の章立てや今後の調査項目などについて議論を交わしました。西村秀生実行委員長(スター食堂株式会社)は冒頭あいさつで、「新京極通が明治5年に開通して以来、150年を迎えるのを機に、この通りの歴史を振り返り、現在のこの街を見ながら、失われていくものも記録に残し、そこから未来に向けてどんな街づくりをするのか考えていきたい」と語ります。

新京極商店街振興組合提供
新京極商店街振興組合提供

 京都精華大学の学生らによる新京極に関わって来た古参の人たちへの聞き取り調査などもすでに進められています。吉元さんによると、「自分たちの研究課題の参考にもなると積極的な生徒たちも多い。学術的にも充実した中身になるよう編纂に関わっていきたい」と言います。

商店街内に錦天満宮や誓願寺など8社寺
商店街内に錦天満宮や誓願寺など8社寺

 新京極通は、かつて秀吉の京都大改造の際に、寺町通に京の東の防波堤の役割として集められた社寺の境内が、明治期には料亭、飲食店、商店、見世物小屋などが建ち並び、縁日の舞台となっていたところを、1872年の東京奠都後に、落ち込んだ京都経済の再生のために新たに造られた通りです。三条通と新京極通の交差にある通称「たらたら坂」もその名残だと言われています。

通称「たらたら坂」
通称「たらたら坂」

 新京極通には、今も商店街内に錦天満宮や誓願寺など8社寺が現存します。会議では、「新京極通の不思議や歴史に関わるエピソードや各社寺の法主のエッセイなども載せてはどうか」などの様々な意見も出され、ラインやクラウドなどでの情報共有などについて確認して閉会しました。

新京極商店街150年記念事業実行委員会
新京極商店街150年記念事業実行委員会

 同会では、編纂史充実のため、「SNS、電話やメール、直接の訪問、どういった形でもいいので、画像やエピソード、新京極に関わるあらゆる情報を寄せてほしい」と呼び掛けています。新京極商店街150年記念事業実行委員会(新京極商店街振興組合内)(外部リンク)京都市中京区新京極通六角下る桜之町438番地1べんてん堂ビル3F TEL.075-223-2426(月~金/10:00~12:00/13:00~17:00)MAIL. office@shinkyogoku.or.jp FAX.075-211-1300 まで。

地域ニュースサイト号外NETライター(京都市)

 「YAHOO!ニュース ベストエキスパート2024 地域クリエーター部門 特別賞」を受賞 京都をこよなく愛する地域ニュースサイト号外NETの京都市担当タウンクライヤ―です。四国から大阪の元地方紙記者。観光ガイドをしながら京都時空観光案内2024(観光ガイドのための京都案内マニュアル)全19巻や「やさぐれ坊主京を創る 前田玄以の生涯」(京都文学賞一次審査通過)はじめ、京都を題材にした小説なども執筆しています。

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