【京都市左京区】普段見ることのできない格式高い尼門跡寺院の椿の咲き誇る庭園や如意輪観音像を特別公開
「ふとん着て寝たる姿や東山」と詠われたほど穏やかな稜線の続く東山連峰。その大文字山の稜線の麓に厳かに佇む霊鑑寺は、承応3年(1654)、後水尾(ごみずのお)天皇の皇女・多利宮(たりのみや)を開基として創建され、歴代皇女が住職を務めた尼門跡寺院です。別名「谷の御所」と呼ばれた格式と清楚な佇まいを今に伝えています。
「椿の寺」として知られる同寺ですが、普段は固くその門が閉ざされています。2022年3月19日(土)~4月10日(日)まで行われる今回の特別公開では、如意輪観音像を安置している本堂を公開するほか、椿咲き誇る美しい庭園を自由に散策できます。(2022年は書院の一般公開はありません。)
後西天皇の院御所から移築した書院は「四季花鳥図」など狩野派の作と伝わる華麗な障壁がで飾られ、本堂は江戸幕府十一代将軍・徳川家斉が寄進したもので、如意輪観音像が安置されています。後水尾天皇が椿を好んだことから、広い庭内には100種類以上の名椿が植えられています。
庭園で見ることができる椿は、日光椿(京都市指定天然記念物)をはじめ、散椿、白牡丹椿、舞鶴椿など、100種類以上。椿は種類によって開花時期が異なるため、訪れる時期によってちがった景色を楽しめます。
庭園入口に設置された椿の花手水は、ピンクや白など乙女心をくすぐるカラーで統一されており、思わずシャッターを切りたくなる可愛さ。庭園内の小さな手水鉢にも椿が浮かべられていることもあります。公開期間中にしか購入できない霊鑑寺オリジナルの御朱印帳や、椿があしらわれた御朱印も用意されています。
開花中はもちろん、苔の上にぽとりと花が落ちる姿や、散椿の花びらが地面に散り積もる様子など、散ったあとも美しいのが椿の醍醐味です。 春の陽気に誘われておでかけしてみませんか!