【京都市上京区】アユの道造ったよ! 2022年はどこまで上るかなあ? 鴨川源流目指してがんばれアユ!
京都では穏やかな気候が続き、いよいよ本格的に春がやってきたようです。そんな2022年の3月15日、上京区にある鴨川の荒神口落差工辺りで、なにやら川に入って木造の施設を設置する人たちの光景が見られました。沿岸をジョギングする人たちも、「護岸工事でも無い感じやし、いったい何をしてるんやろう」といった様子で眺めていきます。
実はこれ、鴨川に生息するアユが遡上できるようにと、「京の川の恵みを活かす会」の方たちが、アユの道となる手作りの木造製の仮設魚道「AYU FISH WAY」の取り付けをしていたのでした。昨今では毎年恒例の光景となってきました。会では、木組、損壊防止蓋、幅広の階段、魚道の入り口を落差工直下に横向きにすることによって、アユが魚道の入り口を見つけやすくする工夫など、実際のアユの生態に合わせて改善もしてきました。
「えっ! 鴨川にアユがいたの?」と思った人も少なくないのでは。アユと言えば、四万十川や長良川などを思い浮かべがちですが、実はかつて鴨川源流近くの雲ケ畑あたりまで上がってきた鮎は極上品でした。他県の流域で、友釣りで釣るアユの漁師でさえ、自分の食べるアユは鴨川で求めるほどだったのです。
天然アユは冬は大阪湾で暮らし、夏は京都の川で暮らします。アユもまた魚の習性として、おいしいごはんとなる自然石に生息する上質の藻を求めて、上へ上へと、はるばる50キロの道のりを経て鴨川へやってくるのです。北の清流で暮らすほどアユは子をたくさん産めるようにすくすく育ち、大きいものは30センチを超えるものも。
しかし近年、このアユの遡上を妨げる事態が……。洪水を防ぐための堰や高さが1メートルを超える落差工が造られたため、アユを始め魚たちが上がれなくなってしまったのです。伏見区下鳥羽の龍門堰辺りから遡上出来ずにうろうろし、飛び跳ねるアユの姿を見かけるようになります。
事態の改善に立ち上がったのが、鴨川・桂川・宇治川・木津川を含む淀川流域の自然の恵みを豊かにし、これを活かしていくことに賛同する関係団体・個人で構成されたネットワーク「京の川の恵みを活かす会」のメンバーたちでした。毎年時期になると、今井堰、四条落差工、三条落差工、丸太町落差工、荒神口落差工と5つの落差工に「AYU FISH WAY」の取り付けを行ってきました。
その結果、今では出町柳のデルタ付近でも天然アユが捕獲できるようになりました。さて、2022年は、どこまで遡上してくれるでしょうか? 楽しみですね。めざせ鴨川源流、がんばれアユ!
「京の川の恵みを活かす会」(外部リンク)宇治市五ヶ庄京都大学防災研究所水資源環境研究センター竹門研究室 0774-38-4253
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