【京都市上京区】お祭り男が神輿に担がれた? ワクワクする商店街へ北野天神さんのお膝元の新理事長語る!
4月から5月にかけて京都市の各商店会や振興組合などは総会ラッシュとなっています。そんな中、新会長も続々と誕生しています。上京区の北野天満宮の参道に位置する北野商店街振興組合も2022年5月の総会で理事長が交代、活動サイクルの都合で、この4月1日から実質の新体制で動き出しています。新理事長は、中立売と六軒町の交差から2軒隣に店を構える「とれんど美容室」の店主、桂 浩一さん(66歳)です。桂新理事長の素顔や商店街への思いを聞いてみました。
桂新理事長は、実は京都祇園のお茶屋に生まれました。幼いころから遊び場が花街だったと言います。当時のしきたりもあって、桂家へ養子に出ます。そんな環境からか、「女の人の髪結は男がした方が格好良くて、もてるようになるのではないか」と思うようになり、美容師の道をめざします。
当時はまだまだ「美容師なんてものは女のする仕事」といった風潮で、家族からも猛反対されましたが、意志を貫きます。「美容学院の生徒も男子は1割程度、男子トイレのないフロアーも多かった」のだとか。最初に勤めた大阪の繁華街の美容室でも、マダムたちから「殿方に髪を触ってもらうなんてとんでもない」と言われたりもした時代でした。
31歳の時に職場で知り合った奥様の幸子さんとこの地に美容室を開店して35年になります。店名は当時英語表記が流行でしたが、あえて優しい雰囲気をと、幸子さんの発案で、ひらがな表記「おしゃれ空間とれんど美容室」にしました。商店街に関わりだしたのは4年前のことでした。以前は3000人を超える夏祭りなどもありましたが、この3年間は新型コロナ禍となり、何もできない状況となります。
閉店する店舗も出てくる中、それでも「何とかせないかん」と桂さんも役員にもなって、店舗へのアンケートや商店街への若い人たちや女性の意見を直接聞けるコミュニティーとしての「ここかラボ」などの取り組みを始めます。イベントや京都子ども文化会館の跡地利用などへ店主さんたちから様々な意見も出され、2021年に12月に行われた商店街初のフリーマーケット「名前はまだない」も大盛況でした。
2022年4月23日(土)には、名前も決まった「きたの参道市場」が行われます。キッチンカーや手作り市、ハンドクラフトやぼっちゃ、シルバーカーの試乗体験、学生らの催しなど、近隣地域からの参加もあり、ユニークな19店舗が出店、今後は偶数月の第4土曜日に開催されます。
「支えてくれる若い役員たちに色々お願いしながら、地域の人たちや学校、医療福祉関係の人たちとも連携して、わざわざ訪れたくなるようなワクワクする商店街をめざしたい」と話す、桂新理事長は、実は大のお祭り好き。祇園祭はもとより粟田神社を始め、滋賀県までも神輿の「助っ人」に出かけていきます。この3年間はそれもままなりませんでしたが、今度は商店街という神輿に乗った「お祭り男」の手腕に注目が集まっています。
京都市上京区三軒町七本松通一条下る48−5 七本松一条下三軒50 075-464-2830