【京都市右京区】世界遺産仁和寺の鎮守様 福王子神社で希少な鳴滝砥石の扁額を見てきました!
京都市北区にある、ちょうど仁和寺街道と高雄へ向かう周山街道の交差点にひっそりと佇む「福王子神社」は、仁和寺を開いた宇多天皇の母にあたる班子皇后(はんしこうごう)が祀られていて、世界遺産でもある仁和寺の鎮守社とされています。2022年4月20日訪問しました。
現在はお寺の外に鎮守の神社があったり、中にある社もあったりと様々ですが、明治までは日本は神仏習合だったんですね。幕末から明治維新にかけての神仏分離、廃仏毀釈で仏教界も様相が一変したようです。ちなみに、お寺を守る神様を鎮守社、神社を守る仏さまを神宮寺と言います。
さて、福王子神社の名の由来は、第58代の光孝天皇(こうこうてんのう)の女御だった班子皇后がたくさんの子を産んだからだとも言われています。このあたりは福王子町となっています。光孝天皇は、自らの即位の後ろ盾となった藤原基経に権力を持たせるため、日本で最初に関白を置いた天皇でもあります。
本殿は、前身の深川神社が応仁の乱で全焼しましたが、徳川幕府3代将軍の家光と仁和寺第21世門跡の覚深法親王により再建されたと言われています。木賊葺(とくさぶき)という屋根を持ち、国の重要文化財に指定されています、
福王子神社では、鳥居に掲げられた扁額に一見の価値があります。ノミやカンナ、刀剣など鋭利な刃物を研磨する際に使う鳴滝砥石(なるたきといし)という最上級の岩石が使われています。古くは鳴滝、梅ヶ畑、愛宕山月輪寺、越畑において採掘されてきました。高雄奥殿山あたりで砥石の採掘場跡などが残されていますが、現在は希少な岩石だと言います。
何気ない処にも、いろいろと逸話があるものです。仁和寺に出かけられた際には、少し寄り道して見るのもいいのではないでしょうか!
福王子神社 京都市右京区宇多野福王子町52