【京都府長岡京市】無垢の木から解き放たれるあったかい調べに思わずほっこり 魅惑のオルゴール展!
阪急長岡天神駅の西改札を出てアゼリア通りを西に行った1筋目から南北に続くセブン商店街の中ほどにある「Space7」は、自分のお店をもってみたい。新しいサークル活動をしてみたい。子供たちをのびのび遊ばせながら大人同士気楽にお話がしたい。などの声に応える場所を提供しようと設置されているチャレンジスペースです。
2022年5月10日(火)~15日(日)まで、その「Space7」で、木創舎によるオルゴールと木工展が開かれています。作者は、木工職人の清水明さん(73)。元々、幼少のころから物作りが好きだったという清水さんは、オフィスワーカーをしながら、35年前、趣味が高じて木工職人となります。
オルゴールと出会ったのは20年前、大阪市の吹田でスイス料理のフォンデユを食べた帰りに立ち寄ったスイスオルゴール展でのことでした。流れる「カノン」に感動して、「この箱を自分が木工で作ったらいい音がでるだろうな」と思ったそうです。それ以来、オルゴールづくりにハマってしまい、7年前定年退職してからは、近くの竹やぶに工房を造って山籠もり生活を始めました。
ちなみに、オルゴールが誕生したのは、ベートーベンの頃で、「カノン」の時代はまだできていなかったのだそう。そんなうんちくも語る清水さんのこだわりは、合板は使わず、すべて無垢の木(接着剤を使わずそのまま製材品として利用する木材)を使うこと。「合板は接着剤の寿命で作品が終わりますが、無垢の木は傷が出来ても、おじいさんのしわみたいなもので気にならない。それに音質が全く違います」と言います。
これまで100台を超えるオルゴールを造って来た清水さんですが、なんといっても最高傑作は、手作りのディスクオルゴール。サザンオールスターズの「いとしのエリー」を聞かせていただきました。共鳴箱から流れるなんとも優しく重厚感あふれる音質に驚きでした。「コンサートホールが壁や天井が広がっているのは、音をより響かせるため、このオルゴールも同様の設計になっています」と言われ、よく見ると確かに随所に工夫が見られます。
無垢の木といっても、ウォールナッツ(くるみの木)や黄柏(キハダ)、ローズウッドなど種類によっても音質が変わって来るそうです。作品は他にも、注ぐ仕草をするとはじけるような音が鳴り出すやかんのオルゴールなどキッチンシリーズやウイスキーの樽のオルゴールなど楽しい作品がたくさん展示されています。最終日の15日には記念コンサートも開催されます。
「どんなオルゴールを造ろうかあれこれ思案しているときが楽しくて仕方がない」という清水さん。コロナ禍で3年前に比べて材料のムーブメントが3倍に値上がりしている状況もあるそうですが、「これからもみんなをウキウキさせるような楽しいオルゴールを造り続けていきたい」と明るい笑顔で語ってくださいました。
木創舎 京都府長岡京市井ノ内横ヶ畑1の22 075₋955ー3877
Space7 京都府長岡京市長岡2丁目22-27