【京都府長岡京市】花手水発祥の寺で雨に映えるアジサイが見ごろ! 観音様は何故険しい山奥におられるの?
【COCO&KAORINのおとくに散歩】小雨降る中、2022年6月11日に訪れたのは「柳谷観音 立願山楊谷寺」です。本堂は新西国霊場第十七番に、奥之院は洛西観音霊場第十番に指定されている、平安時代より続く観音霊場です。FMおとくにのパーソナリティーとしても活躍する歌手のCOCOさんと関西を拠点に活躍するモデルのKAORINさんに雨のアジサイ寺を案内していただきました。
「柳谷観音」は平安時代の806年(大同元年)に清水寺を開山した延鎮僧都により開創され、古来より眼病に良いとされてきました。延鎮僧都は、「西山にて生身の観音様に出会うことができるという夢のお告げにより、清水寺からこの西山に入り、柳(楊)生い茂る渓谷の岩上に生身の観音様を見つけ、その観音様が、古来より眼病に霊験あらたかな十一面千手千眼観世音菩薩だった」(楊谷寺公式HPより)。
さらに「811 年、乙訓寺の別当(総括管理の僧官)を命じられた空海が参詣の折、お堂のそばの溜まり水で親ザルが目のつぶれた子ザルの眼を一心不乱に洗っている姿を見て、17 日間の祈祷を施したところ、子ザルの眼が開きました。 空海はこの不思議な水にさらに祈祷を施し、眼病に悩む人々のために霊水にした」(楊谷寺公式HPより)との二つの伝承に寄ります。
その霊水が、独鈷水(おこうずい)だと云われます。豊臣秀吉の側室、淀殿も楊谷寺の観音様を信仰し、淀城に在りし時、毎日この独鈷水で洗顔していたのだとか。
COCO&KAORINは二人とも大の長岡京フリークです。KAORINによると「柳谷観音さんは今話題の花手水を全国でも最初に始められたんですよ」とのこと。確かに境内には、龍手水、庭手水、恋手水、苔手水、琴手水などと呼ばれる花手水が数か所あります。
本堂、奥之院の観音様のお堂のそばに観音様をお守りする神様の鎮守社があります。 平安時代には、神と仏を同格とし共に崇拝するというのが一般的でした。しかし明治時代の神仏分離令により神仏習合は鎮圧されていきました。 そんな中でも柳谷観音は、古くから人々が行ってきた祈りの形を守り続けた、全国でも数少ない寺院の一つです。
ところで、京都の清水寺や滋賀の石山寺、奈良の長谷寺など、古来の観音霊場が崖上に多いのには訳があります。釈迦如来や薬師如来、阿弥陀如来などすでに悟りを開いた如来様たちの次に位置する菩薩様たちは、まだ悟りを開く前の発展途上にあります。観音菩薩は南海(インド南端)にあると云われる補陀落山(ふだらくさん)の崖上で修業中であるとされているからなんですね。観音樣を拝むときは、南無観世音菩薩と言って拝みます。
楊谷寺では、6月1日から境内に京都最大規模の約5,000株のあじさいが咲き誇る「柳谷観音あじさいウイーク」を開催しています。
開催期間 6/1(水)~6/30(木) 9時~16時半(17時 完全閉門) 拝観料 700円 上書院拝観料 別途 800円 花手水まつり 寺宝庫 「謎の生物のミイラ」特別公開 (9時~16時)上書院特別公開(15時まで) ※事前予約制 あじさいウイーク限定御朱印(書置きのみ)
柳谷観音 立願山楊谷寺(外部リンク)新西国霊場 第十七番礼所 洛西観音霊場 第十番礼所 京都府長岡京市浄土谷堂ノ谷2 075-956-0017