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【京都府長岡京市】やってるの? ほんとに気まぐれで営業している幻のパン屋さん。開店日はいつも行列!

HOTSUU地域ニュースサイト号外NETライター(京都市)

 長岡京市の友岡地域、西国街道から一筋入ると、閑静な住宅街に突然ポツンと現れる白木を基調としたお洒落な民家の前にテラスがあります。木の看板が掲げられていて、「きまぐれなパン屋さん」と書かれています。実は、筆者も何度も通りかかるのですが、これまで1度も開いているのを見たことがないんです。

 どうしても気になるので、ひょっとしてSNSとかやってないよな? とチェックしてみると、なんとInstagramがありました。「ここのところ益々名前の通り、“気まぐれ”でゆる〜く営業してます〜。寒〜い日々が続く間は、焼き立てワッフルあります〜」と掲載されていました。開店予定日などは無く、突然何日か前に、やってますと告示されるようです。2022年6月18日にやっと訪問することができました。

 開店直ぐに伺ったのですが、ひっきりなしにお客さんが訪れます。子ども連れのママさん、高齢者の方、オフィスワーカー風の男性や女性、近くの立命館高校の学生さんらしき若者たち。いずれも地元の人たちが多いようです。店内にはショーケースの前に一組しか入れないので、お客さんたちは、テラスの前に立ったり、腰掛けたりして待っています。

 店内に入ると、全粒粉の食パンや色とりどりのメロンパン、鶏肉とキャベツの粒マスタードソテーサンドやリンゴとハチミツのサンド、紅茶やバニラのシフォンケーキ、カボチャパンなどが並んでいました。ほうれん草パン、クルミとレーズンのパン、紅茶とオレンジピールのパン、ブルーベリーとクリームチーズのお焼きパン、帽子パン、じゃがいものフォカッチャと……まだまだあります。冷蔵庫の中には総菜パンもありました。

 小さな店内にこれでもかと言うくらいいろんな種類が、ぎっしり並べられたパンの中でも4種類の気まぐれピザが人気と聞いて、ソーセージとヤングコーンのトマトソースピザをテラスで食べてみると、小振りで食べやすく、確かに美味い。程よい焼き加減のパンに美味い一品料理が載っている感じの手作り感満載です。

 店主にお話を聞くことができました。なぜこのような営業日と販売方法になっているのかをお聞きすると、「元々日を決めてやっていたんですけど、具材をすべて手作りしているので手間がかかることもあって、三人の子育て真っ最中ですし、他に仕事もあるので、開けれる時だけ開くようにしたんです。でもおかげでSNSでみんな拡散してくださいますし、良い時代になりましたね。」と明るい笑顔で語ってくださいました。

 最近では、月に3回ほど開いているそうです。開店日は、前日の0時過ぎから仕込みにかかるそう。外で働いているご主人も手伝って、大量にパンが用意されます。「ママ友のお子さんたちにもアレルギーやアトピーの子たちが多い」とのことで、卵や乳製品を使わないパンや国産の小麦を使用していて、米粉を配合したパンも焼いていると言います。

 店主は、元々コックさん志望でした。子育てママでも家でできることをとパン屋を始めたそうですが、バリエーションの研究は独学で徹底的にやったと言います。どうりで美味いわけです。開店してから今年で7年目。「これからも今の感じでゆるーく末永くやっていきます」という店主。夏の間はしばらく休まれるそうで、はてさて、次はいつ開くのやら、インスタをしょっちゅうチェックするしか方法はなさそうです。でも本当に美味しいよ!

「きまぐれなパン屋さん」 (外部リンク)京都府長岡京市友岡2-11-7 

地域ニュースサイト号外NETライター(京都市)

 「YAHOO!ニュース ベストエキスパート2024 地域クリエーター部門 特別賞」を受賞 京都をこよなく愛する地域ニュースサイト号外NETの京都市担当タウンクライヤ―です。四国から大阪の元地方紙記者。観光ガイドをしながら京都時空観光案内2024(観光ガイドのための京都案内マニュアル)全19巻や「やさぐれ坊主京を創る 前田玄以の生涯」(京都文学賞一次審査通過)はじめ、京都を題材にした小説なども執筆しています。

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