古来より乙訓地域と呼ばれる向日市、長岡京市、大山崎町（※市町村コード順）で地元の人たちを中心にユニークなパーソナリティーを一から育て、アーティストはもとより、地域の様々な分野で活躍する地場産業や住民の人たちと創り上げてきた「FMおとくにMHz86.2」。2018年12月2日に始まったFMおとくにも現在は、JR長岡京駅前のバンビオ館とイオン桂川サテライト、阪急長岡天神駅前PUB GUMP内にオープンスタジオを有します。

　2022年7月18日、「一般社団法人FMおとくに」の木本直樹専務理事にお話を伺いました。「FMおとくにMHz86.2は、長岡京スタジオを中心に地域に貢献する放送を貫きつつ、向日市に隣接するイオン桂川サテライトでは、全国の人たちにもおとくにの魅力を広げる両輪の発信を心掛けてきた」と言います。

　そして今回、全国の地域コミュニティFMの多くが参加する「Listen Radio」の週間聴取数で、2022年1月から6月の半年間、26週連続第1位を達成しました。これまで上位を独占してきた全国有数の人気局を抑えての快挙です。木本専務によると、「人口15万人ほどの乙訓地域のコミュニティ局の成果としては画期的なこと」だそうです。

　そして、この裏には、木本専務を始めとするスタッフらの並々ならぬ努力がありました。「SNSに押されて」という理由で大阪や神戸周辺のFM局が閉鎖されていくなか、「逆にSNSを制すればラジオは必ず生き残れる」と、AIやSNSマーケティングの権威を訪ねてSNS活用の研究を重ねました。

　放送とツイッターを融合させた独特の手法を展開する中で、特にコロナ禍で一気にラジオの需要が高まった事とも相まって、今では、1つの投稿に対して、多い時には50万近く、通常でも10万から20万のインプレッション（ツイートがタイムラインに表示された回数）をはじき出すようになっています。

　元々、長岡京市の環境や防災の担当職員だったという木本専務は、「阪神淡路大震災の際に地域の細かな情報を伝えるために見直されたのがコミュニティFMで、以来、全国に300を超えるコミュニティFM局が出来てきています。乙訓でほんとに災害が起きた時に、全国に広がったリスナーからの支援、応援や生きた災害情報が寄せられる筈。必ず力になってくれるということもあります。同時に、これからも全国に平安京より以前からある最初の京、乙訓地域で生活する人々の魅力を発信していきたい」と語ってくださいました。

一般社団法人FMおとくに（外部リンク）京都府向日市寺戸町七ノ坪１４１ SUBACO4階