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【京都府向日市】全国の蔵元の思い伝える創業105年の老舗酒屋の品揃えが凄い! 店主は地域の消防団長も

HOTSUU地域ニュースサイト号外NETライター(京都市)

 平安時代より以前からの歴史色ずく西国街道沿いにある創業105年の老舗酒屋「野村龍酒店」を2022年10月26日に訪れました。店頭には、歴史を感じさせる一木の野村龍酒店の看板が掲げられています。

 店内に入ると、社長の野村和久さんと明子夫人が明るい声で出迎えてくださいました。お店は、1917年(大正6年)に祖父の龍さんが開業され、和久さんで、3代目となります。数年前まで、西国街道五辻角で営業を続けられていましたが、創業100年となる2017年に、道路拡張に伴い、石塔寺さんの北側の現店舗に移転されたという事です。

 創業当時は、食料品店としての商品の一つとして、酒を扱っていましたが、戦時中、乙訓地域のお酒の配給所となり、戦後、免許制と共に酒販店として営業する事となりました。当時は、父親の寛さんが、味噌や漬物などをリヤカーで大山崎辺りまで配達されていたようです。最近でも、大山崎方面に配達に行くと、当時の思い出を語ってくださる方がいらっしゃるとのことです。

 規制緩和による、酒のディスカウントストアやスーパー、コンビニエンスストアでの酒類の販売により、売上が落ち込んでいく中、20年ほど前から、こだわりの清酒や焼酎、日本ワインなどの「和酒」の販売に力を入れ、日本各地のご縁のある蔵元さんから直接取寄せた商品を販売するようになりました。

 店内のショーケースや棚には、醴泉(岐阜)、羽根屋(富山)、菊姫(石川)、赤武(岩手)など全国各地のこだわりの日本酒がズラリ。見たことのないような銘柄もたくさん並んでいます。夢酎・龍乃幹(福岡)、晴耕雨讀、一尚など焼酎のラインナップも凄い。麦を焙煎して脂肪分を飛ばして醸造し、3年から5年の間樫樽で貯蔵した「龍乃幹」は酒屋グループでのオリジナルで思い入れもひとしお。ウイスキーのような香ばしい香りと糀で作る焼酎なので同じ蒸留酒でもまろやかで優しい味になるのだとか。

 酒びんには一本一本丁寧に解説が添えつけられています。野村社長は、「蔵元さんの想いや商品の背景をお客様にお伝えすることをモットーに日々営業しています。」と話します。米の味わいを最大限に引き出し濃淳な酒を追求する蔵元「菊姫」、何杯もお替りの出来るスマートな味わいの酒を追求する「八海山」。「相反する考えで酒を造る酒蔵ですが、それぞれのこだわりを追求して生み出されているお酒をぜひ味わってください。」とお酒談義は留まることを知りません。

 野村社長は、辛い物は苦手ですが、お店では町おこしのために加盟している「向日市激辛商店街」のおすすめの商品として、激辛トウガラシ「ジョロキア一味」などの激辛商品も販売されています。また地域貢献の一つとして、向日市消防団の団長も務められています。地域での火災発生時には、仕事の途中や深夜でも、現場へ出動し消火活動を行っておられます。

 他にも、ブランド立ち上げ時から関わりのある日本ワイン、アルガブランカ(山梨)、お酒を飲めない人にもおすすめの、ぶどうのお酢とお米のお酢を主原料にした健康ぶどう「ビワミン」等も取り扱っています。「話をするだけでもお気軽にお立ち寄り下さい。」とのこと、飲みたいお酒がきっと見つかりますよ!

「(株)野村龍酒店」(外部リンク) 京都府向日市鶏冠井町楓畑28 075-933-2103

地域ニュースサイト号外NETライター(京都市)

 「YAHOO!ニュース ベストエキスパート2024 地域クリエーター部門 特別賞」を受賞 京都をこよなく愛する地域ニュースサイト号外NETの京都市担当タウンクライヤ―です。四国から大阪の元地方紙記者。観光ガイドをしながら京都時空観光案内2024(観光ガイドのための京都案内マニュアル)全19巻や「やさぐれ坊主京を創る 前田玄以の生涯」(京都文学賞一次審査通過)はじめ、京都を題材にした小説なども執筆しています。

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