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【京都市右京区】石田三成一族の菩提寺 狩野永徳の設計と伝わる庭園 戦国武将の供養塔などを特別公開! 

HOTSUU地域ニュースサイト号外NETライター(京都市)

 京都市と京都市観光協会は、2023年1月から3月にかけて、恒例となった「京の冬の旅」を開催します。普段は見ることができない仏像など貴重な宝物や庭園、襖絵、建築など非公開文化財が公開されるとあって、好評を博し、今年で第57回目を迎え、15の寺院などで実施されます。今回はその内、右京区エリアの妙心寺の2塔頭をご紹介します。

京都市観光協会提供
京都市観光協会提供

「正法山妙心寺」は、「双ヶ丘の東、京都市右京区には「花園」という地があります。昔、この地域には公卿の邸があり、お花畑があって、四季折々に美しい花が咲き乱れ、いつしか「花園」と呼ばれるようになっていました。この地をこよなく愛し、ここに離宮を構えて禅の奥義を究めるとともに、常に世の中の平和を願われた法皇さま、そのお方が第95代天皇、花園法皇さまです。法皇は、この花園の離宮を改めて禅寺にされました。これが、臨済宗妙心寺派の大本山である妙心寺のはじまりです。山号は正法山(しょうぼうざん)と称します。開山は関山慧玄(かんざんえげん)、開基は花園法皇です。
 現在の妙心寺は、塔頭46ヶ寺、末寺は日本をはじめ世界各国にわたり3,400ヶ寺余り、在籍僧数は約7千人を数えます。関連機関としては花園大学、花園高校、花園中学校、洛西花園幼稚園などがあります。」(妙心寺ホームページより)とされる古刹です。

「妙心寺 玉鳳院」は、~妙心寺発祥の地 戦国武将の供養塔が並ぶ場所~

京都市観光協会提供
京都市観光協会提供

 46の塔頭寺院をもつ妙心寺の、最古の塔頭寺院。方丈には、妙心寺を創建した花園法皇の木像を祀る昭堂や玉座があり、狩野永真(安信)や洞雲(益信)の筆と伝わる「麒麟図」「竜図」などの水墨の障壁画が残ります。また開山堂「微笑庵」(重文)は、開山・無相大師(関山慧玄)を祀る室町時代の唐様建築。庭の奥には豊臣秀吉の子・鶴松の霊屋や、武田信玄・勝頼父子の供養塔、織田信長・信忠父子の供養塔が並んで建っています。

2023年1月7日(土)~3月19日(日)1月11日(水)、2月11日(土祝)、3月11日(土)は14:30(14:00受付終了)までの公開。2月7日(火)は12:00~の公開。※期間中、方丈の屋根の修復工事を行っています。

京都市観光協会提供
京都市観光協会提供

「妙心寺 壽聖院」は、~永徳設計の庭園が残る石田三成一族の菩提寺~

 石田三成が父・正継の菩提寺として創建。絵師・狩野永徳の設計と伝わる池泉式庭園には、主君であった豊臣秀吉の戦勝の馬印「瓢箪」をモチーフにした瓢箪池があります。三成自筆の書状や、土佐派の筆によるものと伝わる「石田正継像」(重文・複製)や三成の肖像画(模本)など寺宝も展示されています。文化財を創り出す若い人材を育てる「襖絵プロジェクト」の絵師・村林由貴氏が描いた本堂と書院の襖絵「稲穂に雀図」「風浪双鯉図(ふうろうそうりず)」もみどころです。

2023年1月7日(土)~3月19日(日)毎週木曜は13:30(13:00受付終了)までの公開

 2023年京の冬の旅は、他区のエリアでも魅力的な文化財が目白押しです。ぜひこの機会に訪れて見てください! ※新型コロナウイルス感染拡大の状況、社会情勢等により「京の冬の旅」が中止または内容変更となる場合がございます。

妙心寺(外部リンク)右京区花園妙心寺町60 京都市観光協会オフィシャルサイト

地域ニュースサイト号外NETライター(京都市)

 「YAHOO!ニュース ベストエキスパート2024 地域クリエーター部門 特別賞」を受賞 京都をこよなく愛する地域ニュースサイト号外NETの京都市担当タウンクライヤ―です。四国から大阪の元地方紙記者。観光ガイドをしながら京都時空観光案内2024(観光ガイドのための京都案内マニュアル)全19巻や「やさぐれ坊主京を創る 前田玄以の生涯」(京都文学賞一次審査通過)はじめ、京都を題材にした小説なども執筆しています。

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