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【京都市中京区】430年以上前から京のまち支える三条大橋西詰で早咲きの桜が満開! 木製高欄修復進行中

HOTSUU地域ニュースサイト号外NETライター(京都市)

 鴨川に架かる三条大橋の最初の架橋は、室町時代といわれ、天正17年(1589年)、豊臣秀吉の命により五条大橋と共に石柱の橋に改修されたことでも知られます。

 そんな三条大橋の西詰で、2023年3月14日、河津桜が満開になり、道行く人々の目を楽しませています。

 河津桜とは、元々は静岡県賀茂郡河津町で毎年3月上旬に満開になるピンク色の桜で、原木は、河津町の民間人が河津川沿いの冬枯れ雑草の中で芽咲いているさくらの苗を見つけて、植え代えたのが始まりだそうです。今では全国に広がりました。

 三条大橋は、江戸時代には五街道のひとつ東海道五十三次の西の起点となりました。そのため幕府直轄の公儀橋に位置付けられました。各時代に橋の架け替えが行われています。現在の橋は1950年(昭和25年)の改築で、木製高欄は昭和49年(1974年)3月に更新されています。

 現在、老朽化が激しいため、2022年4月から2024年春完成予定で、木製高欄と防護柵の更新が行われています。木材には、京都市左京区鞍馬や右京区京北産のヒノキ材が用いられていて、工事がかなり進行した様子で、真新しい木の高欄の姿が現れました。

 江戸時代に出版された十返舎一九の滑稽本の「東海道中膝栗毛」で弥次さん喜多さんの珍道中の終点としても知られ、西詰には、三条小橋商店街の建てた「弥次喜多像」があります。

 また、西詰から2番目の擬宝珠には、幕末の元治元年に、京都三条小橋の旅籠・池田屋に潜伏していた長州藩や土佐藩などの尊王攘夷派志士を、京都守護職配下の新選組が襲撃したとされる「池田屋事件」で付いたとされる刀傷の跡が残っています。

 その池田屋跡はというと、現在居酒屋となっていて、玄関に事件の石標が建っています。店内には東映太秦映画村などの協力で、映画のセットや小道具、衣装類などが展示されています。

 その他にも、生簀の発祥の地であったり、江戸時代に藩や幕府の高札を立てた「高札場跡」や日本で最初の駅伝競走「東海道駅伝徒歩競走」の出発地点だったりと、三条大橋にはいろいろな歴史があって面白いですよ! ぜひ散策してみてください。

 三条大橋 京都市東山区大橋町

地域ニュースサイト号外NETライター(京都市)

 「YAHOO!ニュース ベストエキスパート2024 地域クリエーター部門 特別賞」を受賞 京都をこよなく愛する地域ニュースサイト号外NETの京都市担当タウンクライヤ―です。四国から大阪の元地方紙記者。観光ガイドをしながら京都時空観光案内2024(観光ガイドのための京都案内マニュアル)全19巻や「やさぐれ坊主京を創る 前田玄以の生涯」(京都文学賞一次審査通過)はじめ、京都を題材にした小説なども執筆しています。

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