「おひがしさん」として親しまれる東本願寺の飛地境内地の庭園である「渉成園」は、1641（寛永18）年に三代将軍・徳川家光から約1万坪が寄進され、石川丈山の趣向を入れた作庭がなされました。

　周囲に枳殻（カラタチ）を生垣として植えたことから「枳殻邸」とも称されます。庭園には四季折々の花が咲きほこり、変化に富んだ景観は「十三景」と称されています。1936（昭和11）年には、文人趣味にあふれる仏寺庭園として、国の名勝に指定されています。

　絶好のお花見日和に恵まれた2023年3月27日、傍花閣前の一群を中心に渉成園内の桜はほぼ満開となりました。

　園内にある縮遠亭（飯店）と代笠席（茶店）、漱枕居（そうちんきょ）「酒店」は「煎茶三席」と呼ばれ、園内に三席が完存するのは大変珍しいと言います。

　この地は、「源氏物語」の主人公の光源氏のモデルとされる源融（みなもとのとおる）が営んだ「六条河原院」の旧蹟であったという伝承があります。

　折しも、2024年の大河ドラマは吉高由里子さん主演の「光る君へ」ですね。紫式部の生涯を中心に「源氏物語」の世界が描かれるそうです。また注目を浴びそうですね！

「渉成園」（外部リンク）京都市下京区下珠数屋町通間之町東入東玉水町　075-371-9210