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【京都市】長刀鉾お稚児さんが八坂神社へ いよいよ2023祇園祭が始まります! 山鉾町では吉符入神事

HOTSUU地域ニュースサイト号外NETライター(京都市)

 2023年の祇園祭がいよいよこの7月1日から31日までの1か月間催行されます。今年度の祭りは通常開催が決定しています。7月1日の10時から、長刀鉾町のお稚児さんなどが八坂神社を訪れ、選任されたことを報告し、神事(祇園祭)の無事を祈願するお千度の儀が執り行われました。昇殿し、玉串を奉納した後、本殿を時計回りに3周し、正面と背面(裏正面)で立ち止まって祈願しました。

 前日となる2023年6月30日に各山鉾町を歩いてみました。四条通辺りでは、所々交通規制もなされ、街路を彩る行灯や提灯などの設置があわただしく行われていました。

 山鉾町は烏丸通りを挟んで、東洞院通、室町通、新町通、西洞院通、横の通りは姉小路通から三条通、六角通、蛸薬師通、錦通、四条を挟んで綾小路通、仏光寺通へと広がっています。東洞院四条の長刀鉾(なぎなたぼこ)では保存庫の扉が開かれていました。嵐の前の静けさといった感じです。「くじ取らず」の鉾として、常に山鉾巡行の先頭を進みます。

 長刀は疫病邪悪をはらうものとして、鉾先に大長刀をつけているのでこの名で呼ばれます。山鉾の中で唯一生稚児が乗る鉾となります。

 7月3日から5日にかけては、各山鉾町でいわゆる打合せにあたる吉符入が行われ、神事(祇園祭)の無事を祈願します。

 そしてこのころから、囃子方がある山鉾町の会所2階などでは、祇園囃子の稽古が始まり、「コンチキチン」の音色が街中で聞かれるようになり、雰囲気を盛り上げてくれます。囃子方は長刀鉾、月鉾、函谷鉾、鶏鉾、菊水鉾などにありますね。

 宵山は前祭が7月14日~16日、後祭が7月21日~23日になり、駒形提灯が灯され、祇園囃子が奏でられます。山鉾巡行は前祭(さきまつり)が7月17日(月)、後祭が7月24日(月)になり、山鉾が都大路を巡行します。日本最大規模と言われる屋台露店は前祭のみで、7月15日(土)~16日(日)に出店されます。

【今後の祇園祭2023日程】(前半)
7月2日 
くじ取り式 京都市役所で山鉾巡行の順番を決めます。くじ取らずの10基(前祭5基・後祭5基)を除く、24基(前祭18基・後祭6基)の山鉾の順番が決められます。そのあと、山鉾連合会が八坂神社へ社参します。
7月3日 
船鉾神面改め(通常非公開)船鉾町でご神体に取り付ける本面と写し面の確認が行われます。
7月5日 
長刀鉾稚児舞披露 お稚児さんが長刀鉾町の会所2階で清め祓い、疫病退散を祈願する稚児舞(太平の舞)を披露します。
7月7日 
綾傘鉾稚児社参 稚児などが八坂神社を訪れ、神事(祇園祭)の無事を祈願します。
7月9日 
菊水鉾の出囃子披露 菊水鉾が河原町オーパ(OPA)で祇園囃子を披露する予定です。
7月10日~14日 
山鉾建て 前祭の23基の山鉾が組み立てられます。釘を1本も使わず、荒縄などによる縄絡みと言われる伝統技法は圧巻です。
7月10日 
神用水清祓式 四条大橋の東岸で神事を行い、神輿洗の水を鴨川から汲み上げます。お迎え提灯 行列が八坂神社から京都市役所に向かい、市役所前で芸能が奉納されます。
その後、八坂神社に戻り、神輿洗後の神輿を迎え、能舞台で舞踊などが奉納されます。
神輿洗 3基の神輿が神輿倉から出され、その後八坂神社から四条大橋までを松明で清め、中御座神輿を八坂神社から四条大橋まで担いで神用水で清めます。榊によって振り掛けられた神用水を浴びると厄除けのご利益があるとも。夜間には、中御座神輿が飾り付けられます。
他にもこの日、八坂神社で様々な神事が行われます。
7月12日 
山鉾曳き初め(前祭) 14:00から函谷鉾(四条通)、14:30から鶏鉾(室町通)、15:00から月鉾(四条通)・菊水鉾(室町通)、15:30から長刀鉾(四条通)が曳かれます。長刀鉾では稚児舞(太平の舞)が行われます。
7月13日 
舁山舁き初め(前祭) 12:00から蟷螂山(西洞院通)が舁かれます。久世駒形稚児社参 14:00から稚児が八坂神社を訪れ、神事(祇園祭)の無事を祈願します。山鉾曳き初め(前祭) 15:00から放下鉾(新町通)・船鉾(新町通)・岩戸山(新町通)が曳かれます。
7月14日 
屏風祭(前祭) 16日頃まで山鉾町の町屋などで家宝の屏風などが虫干しを兼ねて飾られます。宵々々山(前祭) 夕方から山鉾の駒形提灯が灯され、囃子方がある山鉾で祇園囃子が奏でられます。綾傘鉾・四条傘鉾で棒振り踊りが行われます。(歩行者天国ですがこの日は屋台露店はでません)
7月15日 
山伏山護摩焚き 聖護院の山伏が山伏山で護摩木を焚き上げ、祈願成就と山鉾巡行の安全を祈願します。
伝統芸能奉納 八坂神社で今様歌舞楽、一絃琴、琵琶などの伝統芸能が能舞台で奉納されます。
宵々山(前祭) 山鉾の駒形提灯が灯され、囃子方がある山鉾で祇園囃子が奏でられ、綾傘鉾・四条傘鉾では棒振り踊りが行われます。四条通・烏丸通などが歩行者天国に。
宵宮祭 八坂神社の境内の明かりを消し、本殿から3基の神輿に神霊を遷します。
7月16日 
献茶祭 八坂神社で境内の井戸水で点てたお茶を神前に供えます。
宵宮神賑奉納行事 八坂神社の石段下の臨時ステージで京舞(祇園甲部歌舞会)、舞楽などの芸能が奉納されます。その後、石見神楽が能舞台で大蛇(おろち)などが奉納されます。
7月17日 
山鉾巡行(前祭) 四条烏丸を出発し、長刀鉾を先頭に23基の山鉾が四条通・河原町通・御池通を巡行します。巡行中にくじ改めや注連縄切り、辻回しが行われます。
神幸祭 八坂神社の石段下で出発式が行われます。3基の神輿が氏子町を回り、四条御旅所に向かいます。

 【今後の祇園祭2023日程】(後半)

7月18日 

山鉾建て(後祭) 21日までに11基(鷹山含む)の山鉾が組み立てられます。

7月20日 

山鉾曳き初め(後祭) 北観音山(新町通)・南観音山(新町通)・大船鉾(新町通)・鷹山が曳かれます。

花傘巡行馬長稚児・児武者宣状式 八坂神社で馬長稚児・児武者に宣状が交付されます。

7月21日 

屏風祭(後祭) 23日頃まで山鉾町の町屋では、虫干しを兼ねて家宝の屏風などが披露されます。

山鉾舁き初め(後祭) 橋弁慶山(蛸薬師通)が関係者によって舁かれます。

宵々々山(後祭) 山鉾の駒形提灯が灯され、囃子方がある山鉾で祇園囃子が奏でられます。歩行者天国になりますが、屋台露店はありません。

7月22日 

宵々山(後祭) 山鉾の駒形提灯が灯され、囃子方がある山鉾で祇園囃子が奏でられます。

7月23日 

煎茶献茶祭の八坂神社で煎茶を神前に供えます。琵琶が奉納されます。

役行者山護摩焚き 聖護院の山伏が役行者山で護摩木を焚き上げ、山鉾巡行の安全を祈願します。

宵山(後祭) 山鉾の駒形提灯が灯され、囃子方がある山鉾で祇園囃子が奏でられます。

南観音山あばれ観音 深夜に南観音山の御神体の楊柳観音像を蓮台にくくり、町内を巡回します。

7月24日 

山鉾巡行(後祭) 烏丸御池から、橋弁慶山を先頭に11基(鷹山含む)の山鉾が御池通・河原町通・四条通を巡行します。花傘巡行 八坂神社を出発し、巡行後に八坂神社で舞踊などが舞殿で奉納されます。

還幸祭 3基の神輿が四条御旅所から氏子町を回り、又旅社(御供社)を経由して、八坂神社に戻ります。

7月25日 

狂言奉納 八坂神社で狂言大蔵流・茂山忠三郎社中によって茂山狂言が能舞台で奉納されます。

千団子 又旅社(御供社)で3基の神輿に供えられた団子が配られます。食べると厄除けになるとも言われています。

7月28日 

神用水清祓式 四条大橋の東岸で神事を行い、夕方からの神輿洗の水を鴨川(宮川)から汲み上げます。

神輿洗 八坂神社から四条大橋までを松明で清め、中御座神輿を八坂神社から四条大橋まで担いで神用水で清めます。その後八坂神社に戻り、神輿庫に収められます。

7月31日 

疫神社夏越祭 八坂神社の境内摂社・疫神社で鳥居に取り付けられた茅輪をくぐり、護符が授与されます。祇園祭の締めくくりです。

 4年ぶりの通常開催される祇園祭の観覧へぜひ京都へお越しください!

八坂神社(外部リンク)京都市東山区祇園町北側625 075-561-6155

地域ニュースサイト号外NETライター(京都市)

 「YAHOO!ニュース ベストエキスパート2024 地域クリエーター部門 特別賞」を受賞 京都をこよなく愛する地域ニュースサイト号外NETの京都市担当タウンクライヤ―です。四国から大阪の元地方紙記者。観光ガイドをしながら京都時空観光案内2024(観光ガイドのための京都案内マニュアル)全19巻や「やさぐれ坊主京を創る 前田玄以の生涯」(京都文学賞一次審査通過)はじめ、京都を題材にした小説なども執筆しています。

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