【京都市西京区】2024年大河紫式部の氏神様 源氏物語にも登場する京都西山の聖地 大原野を歩く!
京都地方気象台は2023年8月14日夜はじめからの台風7号の影響について「14日夜のはじめ頃には強風域に入り、15日昼頃には暴風域に入る見込み。15日昼頃から夜にかけて、非常に強い風が吹くおそれ。15日は台風本体の雨雲がかかるため、広範囲で大雨のおそれ。雨のピークは15日日中の見込み。警報級の「風、雨、波、高潮」の可能性があります。15日を中心に大荒れの天気が予想されるため、不要不急の外出は控えて下さい。」と呼び掛けています。
台風7号の迫る2023年8月14日の午前中は、嵐の前の静けさでしょうか、大原野はおだやかなここちよい風の吹く過ごしやすい気候となっていました。あちこちに京都茄子などのその日朝どれの野菜が無人販売機に並んでいます。
大原野はかつて山部王(桓武天皇)が鷹狩りをし、貴族たちが遊興にふけった風光明媚な土地柄でした。桓武天皇皇后の藤原乙牟漏(ふじわらのおとむろ)は、出身の藤原氏が奈良の春日神社(現春日大社)を氏神としたので、長岡遷都と同時に造宮使長官藤原種継に命じて、春日の神を長岡京の近郊に建立します。
種継は自分の母の出身地である大原野の秦氏に命じて、神社の土地と神領を献上させて、秦氏の住む村の西の山裾に「大原野神社」を勧請しました。伊勢の斎宮や加茂の斎院にならって、かつては大原野神社にも斎女が置かれていました。かつては、藤原氏の一族に女子が産まれると、中宮や皇后になれるように、さらに女子が祈願通りの地位につくと絢爛華麗な行列を整えて参拝したといいいます。
源氏物語の作者紫式部は大原野神社を氏神と崇め、この大原野の地をこよなく愛していました。源氏物語二十九帖「行幸(みゆき)」の巻には、大原野へと向かう冷泉帝の華やかで美しい行列の様子が描かれ、「 小塩山深雪積もれる松原に今日ばかりなる跡やなからむ」(小塩山に深雪が積もった松原に今日ほどの盛儀は先例がないでしょう)と小塩山の情景が詠まれています。
実際に、寛弘2年(1005)3月8日に中宮彰子が大原野に行啓、父である左大臣藤原道長、紫式部以下がお供をした、その行列の絢爛さは、人々の眼をみはらせたと云われています。
奈良の猿沢の池を模して文徳天皇が造ったと言われる「鯉沢の池」があります。水蓮の花が美しく咲き誇っていました。今なお残る静かな山里へ、雅な歴史ロマンを感じに出かけてみませんか!
「大原野神社」(外部リンク)京都市西京区大原野南春日町1152 075-331-0014