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【京都市西京区】ミニ登山の後に静寂の中にある最後に残された紅葉の穴場は「天空の寺」 雲海の絶景も!

HOTSUU地域ニュースサイト号外NETライター(京都市)

 紅葉の名所がひしめく西山山麓の善峯寺で色づき始めた紅葉を堪能した2023年11月15日、その帰り道に府道を下っているとしばらく進んだ山側にポンポン山近道三鈷寺の看板を見つけました。山門まで10分500メートルの案内もあったので行ってみることにしました。

 筆者は山道の500メートルを完全に舐めきっていました。参道には、最初はかろうじて石段も設置されていましたが、だんだん道も険しくなり、休憩しながら30分かけ、やっとの思いで「本山三鈷寺」にたどり着くことができました。まさにミニ登山でした。

 しかし、その苦労のかいあってか、この日は曇り空でしたが、境内からまさに雲海の中にある京都の街の絶景を展望することができました。晴れた日には、宇治、城陽、木津方面まで見渡すことができ、「天空の寺」とも呼ばれています。

 本堂前にある、たくさんのお地蔵さんに覆いかぶさるように植えられた紅葉と柿の木のコントラストが絵になります。

 「三鈷寺」(さんこじ)は、京都市西京区にある西山宗の総本山です。山号は西山、本尊は如法仏眼曼荼羅です。平安時代の承保元年(1074年)に善峯寺の開祖「源算上人」が草庵を結んで北尾往生院と号した隠居所が始まりとされています。

 応仁の乱で荒廃した後に、法然の高弟である証空(西山上人)が浄土宗西山派の念仏道場として発展させ、背後の山容が三鈷に似ていることから寺名を三鈷寺としたと言われています。三鈷とは、金属製で杵(きね)の形をしており、両端が三つに分かれている仏教法具です。

 北門を出て、門前の紅葉が綺麗に色づきだしているのを見た後に気づきました。すぐそこに見えるのは、善峯寺の中腹にある北門の回転扉です。「えっ! 善峯寺側から来たらミニ登山をする必要がなかった」とびっくり仰天。帰りは善峯寺のパンフレットをインターホンに見せれば回転扉のロックが解除されるのだとか。

 紅葉狩りのできる最後の穴場、隠れ寺のような「天空の寺」にぜひ訪れてみてください!

「天空の寺 三鈷寺」(外部リンク)京都市西京区大原野石作町1323 075-331-0022

地域ニュースサイト号外NETライター(京都市)

 「YAHOO!ニュース ベストエキスパート2024 地域クリエーター部門 特別賞」を受賞 京都をこよなく愛する地域ニュースサイト号外NETの京都市担当タウンクライヤ―です。四国から大阪の元地方紙記者。観光ガイドをしながら京都時空観光案内2024(観光ガイドのための京都案内マニュアル)全19巻や「やさぐれ坊主京を創る 前田玄以の生涯」(京都文学賞一次審査通過)はじめ、京都を題材にした小説なども執筆しています。

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