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自然農の『持続可能性』【前編】現代農業の抱える問題について

かーびー

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はじめに

だんだんどうも!かーびーです^^
今回は私が思う自然農の一番のメリットであり、魅力であり、私が取り組む理由でもある
自然農の持つ『持続可能性(サステナビリティ)』についての記事となります。
長くなってしまったので今回は前編として、現代農業の問題・課題についてです。

今回も長く、小難しくなったので、
『こんなの読めないし、よくわからない』という方は↓こちらの動画をご視聴ください。

小難しくても大丈夫!な方は是非そのまま読み進めてみて下さい^^

そもそも『持続可能性』ってなに?

かんたんに言えば、半永久的に…と言いたいところですが、数十年~数百年くらいの中~長期間、同じように続けていける仕組みかどうかということです。

環境問題や社会問題に関心のある方なら、現代は自然環境にも社会環境にも
『このままずっとは続けていけない』もしくは『続けていってはいけない』という仕組みがあるとお気づきだと思います。

『続けていけない』というのは、石油などの使ったら無くなって、
数百年では再生産できない枯渇性資源に依存した仕組みのように『環境的』なものがわかりやすいですが、
利益が出ないので継続していけないビジネスモデルというのも『商業的』に持続可能性が無いといえます。

『続けていってはいけない』というのは、倫理的、人道的、道徳的、モラル、世論といった、物質的というより人々の精神的、考え方の点で継続させてはいけない仕組みと考えます。

例えば、ブラック企業といわれるように法律に反する働き方を強制することや人権を無視した行為は、罰則の対象となるし、現代ではブラック企業認定されるとビジネス上でも不利益を被るようになってきたことで商業的にも続けていきにくい仕組みになってきました。

日本でのブラック企業は、まだ法律に反しているかどうかという基準がありますが、労働に関する法整備が整っていない途上国では、ひどい低賃金で過酷な労働を強いられている人々や子どもさえいます。
それらは、企業側にすれば利益が出るビジネスモデルなので商業的には持続的ですが、倫理的に問題があるので是正すべきだという流れが世界で出来始めています。
『続けていってはいけない』ものの問題点は商業的には利益の出る仕組みというところです。

ごちゃごちゃ書きましたが、シンプルに言えば、それに関わると不幸になる人が多い仕組みです。

ここまで読んで賢い方ならお気づきと思いますが、『続けていけない』と『続けていってはいけない』の両方を含む仕組みもあり、『持続可能』というのはその真逆の仕組みです。まとめると、

持続可能ではない仕組みは『枯渇性資源に依存している』『関わると不幸になる人が多い』
持続可能な仕組みは『使ってもまた生まれる循環型資源を利用する』『関わると豊かになる人が多い』

と、ここでは定義してみます。
さて、前置きが長くなりましたが、このことを補助線として本題に入っていきましょう!

農業の『持続可能性』は?

農業といえば、自然に関わる仕事というイメージを持っている方も多いかと思いますが、
現代農業の実態は『環境破壊』な産業と言わざるを得ません。

現代農業の基本は栽培効率最優先のモノカルチャー(単一栽培)

現代農業は機械化と、農薬・化学肥料の登場により単位面積・単位時間当りの生産効率は爆発的に増加しました。その結果、現在世界中で生産される食糧は100億人分、120億人分生産されてるとも聞きます。
飢餓に苦しむ時代が長かった人類にとっては夢のような時代になったともいえて、科学技術の功績はとても大きいと思います。

しかしその一方、上述した『持続可能性』という点で現代農業を見てみたらどうでしょうか?

機械、農薬、化学肥料を作るにも使うにも石油や天然ガス、その他鉱物資源など枯渇性の資源に依存しています。安価で大量に供給される農業資材の多くも石油を原料にしています。ビニールマルチはとても効果的な農業資材ですがもちろん石油から出来ています。最近ではトウモロコシなど植物を原料にした生分解性マルチも普及し始めましたが、その原料を栽培し製造するためのコストや環境負荷まで考えて持続的といえるのか疑問が残ります。

そして大型機械で効率化するためには広大な農地が必要で、その為に原生林が切り開かれたり、乾燥地域で地下水を大量に汲み上げて栽培したりしています。

生産効率を上げるには、同じ作物をまとめて栽培して、なるべく早く育てて、いっぺんに収穫します。
それを実現させるために、除草剤、農薬、化学肥料が使われ、植えられる作物も人間に都合良く品種改良され続けたものや、遺伝子組み換え作物となります。

その結果、何が起きるかというと、地力の低下、地下水の枯渇、そして砂漠化です。
(生物多様性の喪失も持続可能性に関わるのですがそれはひとまず置いておきます)

効率化を優先した代償

地力の低下というのは、農作物を育てるのに必要な栄養分が土から無くなって十分に育たなかったり、病原菌が増えて農作物が病気に罹りやすくなることも含まれます。それを防ぐ為に、一般的な農業では堆肥や肥料を土に投入して『土作り』を行います。

農作物を育てるには土が大事だというのは、農業をやらない人でも知っている事でしょう。
しかし、土そのもののことを知っている人は殆どいません。
農業をする人でも、土のことを十分に知っている人は少ないんじゃないかと思います。
というのも、一般的な栽培をする農家さんや農業経験者さんの話を聞いてみたら、
『無農薬・無肥料で野菜が育つのが信じられない』あるいは『どうやったら無農薬・無肥料で野菜が育つかわからない』という方がけっこう多かったんです。

(※土については私も通り一遍の理屈では知っていますが、わからないこと、未知のことの方が多いです。私が知っているのは実際に試してみて経験した、無農薬・無肥料でも野菜は育つということです)

仕事として生産効率や品質の向上を目指してきた、その技術や資材の使い方を学んで続けてきた熱心な農家さん(中には栽培マニュアルや農業資材業者の言うとおりに機械や資材、肥料、農薬を使ってきた農家さんもいるかな)からすれば、収穫量が減る・栽培効率が悪くなることは避けたいので、なにかしら理由がなければ無農薬はまだしも『無肥料』はやらないのが普通だと思います。
『土作り』に拘る農家さんの話がよく聞かれることからも、どれだけ『良い土を作るか』を考えて土にあれこれ入れるのが当たり前となっているのが現代農業です。

さて、ここで問題となるのは、土作りのための堆肥や肥料はどうやって作られるかです。

化学肥料は上述のように、石油や天然ガス、鉱物資源を原材料に作られます。
では、有機肥料・堆肥と言われるものは?

『有機』というと環境にも良いように思えますが、それがどのように作られたかと、どのくらい使われたかを考える必要があります。牛豚鶏などの家畜糞を原材料にした堆肥は廃棄物の有効活用という点で合理的なのですが、その家畜飼料(家畜のエサ)がどのように作られているかも考える必要があります。

先進国の畜産業では生産効率を高める為に集約的に家畜を育て、早く太るように品種改良された家畜に栄養価(カロリー)の高い麦やトウモロコシなどを与えます。飼料の価格も安価にするためには大量生産が必須となり、そこにはもちろん農薬・化学肥料が使用されます。そして地下水も。

そして、不自然に色々なものを投入された土は、自然の状態とはかけ離れたものとなり、いきすぎれば、植物が育たない土になってしまいます。

乾燥地域での灌漑農業は50年以内に不可能になる?

乾燥地帯で農業を行う場合、水と土の養分さえ有ればその気候は大きなメリットになります。

雨が少ないのは晴れが多いということ。光合成が促進されて作物は良く育つし、
作物の病気の原因となるカビが発生しにくいので、特にカビが大敵となる穀物類の栽培に向いています。
それもあり現在では世界の食糧の半分が乾燥地域で生産されているそうです。

しかしその代償として、地下水の枯渇と塩害の問題が起きます。

世界各地の乾燥地域で地下水を使った灌漑がおこなわれていて、そのいずれも今のペースなら今後50年以内に地下水が枯渇すると言われています。
更に土のバランスが崩れて塩害まで起きてしまうともうそこでは農業ができなくなります。

また、乾燥地域で地表が剥き出しになると土がどんどん乾いて風にのって土埃になって飛んでいってしまいます。これが土壌流出で、日本のように雨の多い地域では水に養分の多い地表面の土が流されて土地が痩せていきますが、乾燥地域では、風で飛ばされます。

植物が生えるのに必要な栄養分を含んだ地表の土が無くなると、栄養分の殆ど無い無機質な土になります。そういう土は乾けばガチガチに固まり、濡れればドロドロにぬかるみ、農作物どころか草も生えないような土になってしまいます。

こういった土壌の劣化・流亡・喪失によって世界では栽培可能な農地がどんどん減っているのが現状です。

《後編に続く》

ここまで読んでくださりありがとうございました。
皆様の日々の暮らし、これからの暮らしがより良くなっていくための一助になれたら幸いです。

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