ヨーロッパを中心に活躍している、ピアノデュオ「Duo　FourTe（デュオフォーテ）」。
ドイツ在住のピアニストである中石智仁さんとエバマリア・ワインライヒさんによる情熱的な演奏は、地元メディアでも取り上げられるなど高い人気を誇っています。

そんなお二人が9月28日に岡垣サンリーアイにてピアノリサイタルを初開催するとのことで、この機会に詳しくお話を伺いました。

ピアノと共に過ごした青春時代

７歳からピアノをはじめたという中石智仁さんは、熊本生まれの福岡育ち。小中高とピアノ漬けの日々を送っていたと言います。
高校を卒業後、2001年には単身でドイツに渡り、ワイマールのリスト音学院へ入学。在学中にフィンランドに1年交換留学したのちピアノ科を卒業し、ディプロマを取得しました。同大学院の歌曲伴奏科とオペラ伴奏科に進み音楽の視野を広げてからは、ソリストとして西南学院、オーケストラ、クラクフ管弦楽団と共演。またイエナ管弦楽団、アイゼナハ管弦楽団とは、 ピアノ、チェレスタ、ハーモニウムで共演。2012年にはクルーズ客船の音楽監督にも就任し、ポーランド、フィンランド、ドイツなど、世界各地で活躍。帰国した際には日本での演奏活動も精力的に行ってきました。

一方ドイツ・ミュンヘン郊外の街に生まれたエバマリア・ワインライヒさんは、ギムナジウム（日本でいう小学校 5 年生から高校 3 年生に相当する生徒が大学進学を目指すことを念頭に 通うドイツの学校のこと）卒業後、イギリスに渡り奨学生としてバーミンガム音楽院に2年間在籍。交換留学生としてワイマールのリスト音楽院でピアノ科を卒業し、ディプロマ取得。さらにリート伴奏科で国家演奏家資格も取得。数々のコンクールで受賞を重ね、ソリスト、リートピアニスト、室内楽パートナーとしても、ドイツ、日本、イギリス、フランス、中国など世界各地で意欲的に活動をしてきました。

運命の出会いは学生時代

そんなお二人の出会いはリスト音楽院時代まで遡ります。

当時授業の一環で周りの生徒たちが次々とペアを組んでいく中、2人だけ残ってしまったことをきっかけにデュオを組み、そこから恋に落ちていくというなんだか映画のようなストーリー。

卒業後もお付き合いは続けていたものの、ピアノデュオの活動自体はそれっきりになっていたと言います。だけど別々の場所でピアニストとして活躍する中でも、「またデュオをやりたいなぁ」という気持ちはお互いに持っていたんだとか。

そしてそんなお二人の念願が叶ったのが2014年。「Duo FourTe」として本格的な活動を開始します。デュオ名は英語の「4」（four）と日本語の「手」を組み合わせた造語です。

「二人の情熱が混ざり合い、一つのグルーヴが生まれる」

溢れる想像力を持ってピアノデュオの世界を探求しているお二人は、多種多様なピアノの音色や響きを聴いて体感できるようにすることをかなめとしていて、日本と西洋音楽の響きを用いた独特の自作作品も発表しています。これまでに日本、ドイツ、イタリア、オーストリア、フランス、セルビア、クルーズ客船などでの演奏活動も行ってきました。

だけど迎えた2020年。中石さんの故郷でもある福岡でのピアノリサイタル初開催を目前にして、コロナによるパンデミックが発生、中止を余儀なくされます。

そこからは自身のYouTubeチャンネルに演奏動画を上げるオンライン活動だったり、拠点であるドイツでの演奏活動がメインとなりましたが、3年の月日を経て福岡で再度チャレンジすることを決意、今回のリサイタル開催に至ります。

会場となるのは3年前にも予定していたサンリーアイのハミングホール。

演目は「リスト／プロメテウス（交響詩第5番）」「インファンテ／アンダルシア舞曲」「グラス／ 2台ピアノのための4つの楽章」「ピアソラ／天使の組曲」 の4曲を予定しています。

中石さんは「僕たち自身もすごく楽しみにしていたコンサートなので、たくさんの人に来てもらえると嬉しい。グランドピアノを2台並べての迫力ある演奏は中々見る機会がないと思うので、この機会に間近で楽しんでもらえたら」と意気込みを見せてくれました。

お二人のピアノ演奏はもちろんですが、お人柄そのものにもすっかり魅了されてしまった筆者は、取材中にも関わらずついつい楽しくなっちゃってお喋りが止まりませんでした。だけどそんな私にも嫌な顔一つせず、終始なごやかな雰囲気で対応していただいたこと、感謝しかありません。
穏やかなお二人からは想像もできないくらいの迫力ある生演奏、私も楽しみにしています！

ちなみに「Duo　FourTe（@duofourte）」公式Instagramをフォローして「抽選会参加希望」とDMを送ると、抽選会に参加できるチケットプレゼントキャンペーンも開催中です！