創業40年超！大曲の住宅街にある手打ちそばの店『久兵衛』とは？

大曲白金町に趣のある1軒の蕎麦屋がある。創業から40年以上の歴史を誇る『久兵衛』である。季節はいよいよ冬のド真ん中へ。これからさらに厳しさを増すガチの冬を乗り切るために、今日はこの老舗の蕎麦屋で英気を養おうという魂胆だ。

年季の入ったその暖簾をくぐると、店を切り盛りするふたりの男性が迎えてくれた。アットホームな雰囲気が漂う店内はテーブル席のほか、座敷も完備。歴史ある蕎麦屋だが清潔感があり女性人気も高そうだ。

そうか、もうそういう時期か。座敷の奥に貼られた「年越そば」の文字を見ながら感じるエンドオブザイヤー。だが今年を振り返る前に、まずは腹ごしらえだ。私はさっそくテーブルの品書きに手を伸ばした。

品書き

もりそば・うどん：800円、かけそば・うどん：800円、ざるそば：850円、たぬきそば・うどん：850円、きつねそば・うどん：850円、肉そば・うどん：900円など。

玉子丼：800円、特天丼：1,100円、上天丼：1,500円、玉子焼き：800円、おにぎりセット：200円など。

天ぷらそば：1,150円、天丼：1,300円、鍋焼きうどん：1,200円

ざるそば：850円、天ざる：1,300円、カレーそば：1,000円

今日は完全蕎麦モードだった私だが、品書きを見ていたら鍋焼きうどんも気になり始めた。蕎麦か鍋焼きか。年の瀬に訪れた究極の2択だが、ここはやはり蕎麦に。……と、思ったそのとき、私より少し遅れて入店したお父さんが1ミリの迷いもなく鍋焼きうどんをオーダー。

私の意思は決まった。今日はやはり鍋焼きうどんだ。

心も体も温まる老舗の味！『久兵衛』の絶品鍋焼きうどんで冬をゆく！

鍋焼きうどんが到着。土鍋の蓋を開けた瞬間に広がるホカホカの世界。具材は海老天、鶏肉、ネギ、かまぼこ、しいたけ、ほうれん草、そして半熟の卵。鍋焼きチルドレンが正月の実家並みに全員集合だ。

具沢山な『久兵衛』の鍋焼きうどんだが、主役の麺も負けてはいない。モッチモチの食感が良い塩梅で汁との絡みも抜群だ。麺から感じる老舗蕎麦屋の貫禄。フーフーして麺を口に運ぶ私の速度もあがる一方だ。

ビッグで食べ応え抜群の海老天、旨味たっぷりの柔らかい鶏肉、そしてトロトロの半熟卵。私は土鍋の中の精鋭たちを夢中で口に運んだ。ああ、ウマい。これから寒さが加速する秋田の冬だが、この鍋焼きうどんがあればいつでもひとときの幸せに浸ることができそうだ。

大曲の住宅街で長年愛され続けている久兵衛。料理の味もさることながら、お店の方々が親切で居心地がいいのも嬉しい。

温かい料理と温かい人柄。それを求めて今日も誰かが街のお蕎麦屋さんの暖簾をくぐる。今日も良い店を見つけた。相変わらず外は寒いが、ほっこり気分で家路へと向かう私だ。