【秋田県横手市】夜の横手で人情の一杯を啜る!創業37年の老舗食堂『上州ラーメン』とは?
酒吞み人の〆ラーにもおススメ!気さくな夫婦が営む『上州ラーメン』へGO!
こういう店、好きなんだよな。白い暖簾を振り返り、私はそう思った。
横手市役所の近くに、創業から37年を数える老舗ラーメン店がある。営業時間は夕方から、日付が変わる頃まで。夜の横手で愛され続ける『上州ラーメン』は、仕事帰りの腹減るサラリーマンや、顔を赤らめた酒呑み人で連日賑わいを見せている。
年季を感じる『上州ラーメン』の看板に、「夢」と書かれた白い暖簾。何とも言えない味わい深さが、外観からもヒシヒシと伝わってくる。以前から気になっていたが、私がその暖簾をくぐるのは今日が初めてだ。
「いらっしゃい」
哀愁漂う扉を開けると、年配の夫婦が迎えてくれた。カウンターでは常連のお父さんがビールを煽り、その隣では仕事帰りの横手ヤングがラーメンとチャーハンをダブル食い。小上りでは女性のお客さんが、ちょっぴりワンパクな息子さんにガチ説教をかましている。
そんな若干カオスな状況の中「何にしましょう?」とご主人。そうだ、周りの雰囲気に目を丸くしている場合ではない。私はとても腹が減っているのだ。
品書き
上州雷ラーメン(大辛・中辛・小辛):700円、チャーシュー麺:700円、スタミナラーメン:700円、醤油ラーメン:500円、ギョウザ:400円など。
種類豊富なラーメンに加えて、酒のアテも揃う『上州ラーメン』。特筆すべきはその安さだ。醤油ラーメンがワンコインで、チャーシュー麺も700円と激安。そんな中、今回私がチョイスしたのは店名の冠をかぶった上州雷ラーメンと好物のギョウザ。野菜炒めが乗った味噌ベースのスタミナラーメンやチャーハンも、常連さんに人気のようだ。
夜の横手で愛され続けて37年!活気ある店内で人情の一杯を啜る!
注目の上州雷ラーメンが到着。赤みがかったスープの上に、ご主人が強火で炒めた野菜が乗り、さらに落とし卵やコンニャクの姿も見える。今どきの洗練されたラーメンも好きだけど、この昭和感あふれるノスラーもときどき恋しくなる。そんな気持ち、わかるでしょう。
さっそく赤色のスープから麺を救出し口に運ぶ。ああ、こういうのが良いんだよな。野菜の旨味が溶け込んだピリ辛スープに、食べ慣れた安定の中太麺、そして不意に顔を出す落とし卵が、一日を終えて疲れた体をそっと癒してくれる。
ちなみに私は今回中辛をチョイスしたが、野菜の甘みも加わって、思ったよりもマイルドな仕上がり。吞んだ後の〆ラーとしても力を発揮してくれそうな一杯だ。
そしてこいつの存在も忘れてはならない。外はカリッと香ばしく、中はニンニクがジュワっと広がる安定のウマさ。皮もモッチリしていて、食べごたえも十分。もはや無限に食えそうだ。
ウマいギョウザを頬張り、その勢いで隣のラーメンを啜る。春の横手で過ごす王道の夜。手元の酒をビールから焼酎に変えた常連さんをちょっぴり羨みながら、今夜もごちそうさま。
帰り際、少しだけ大将や女将さんと話をして、再び暖簾をくぐり店を出る。新参者の私にも温かく接してくれるご夫婦、心地よく酔う常連さん、そして哀愁という名のスパイスが効いたウマいメシ。……こういう店、好きなんだよな。「夢」と書かれた白い暖簾を振り返り、私はそう思った。
よし、次回は電車で来て、ここで一杯やるかな。こっそりそんなことを思う40歳のミドルエイジ。夜の横手で愛される老舗食堂の賑やかな空気を背に、今夜は良い夢見れそうだ。
【店舗情報】
上州ラーメン
住所:秋田県横手市田中町4-31
営業時間:18時~23時か24時頃まで
電話番号:0182-32-1441
定休日:日曜日