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からあげ×みぞれ鍋!? 昆布ダシのスープにくぐらせて食べる〈進化系からあげ〉を食べてみた

「元祖!からあげみぞれ鍋」(写真は2人前)

からあげには〈進化系からあげ〉といわれるジャンルがあります。からあげとはおよそ縁遠いと思われている食材や調理法などを組み合わせたもので〈変化球からあげ〉〈ハイブリッドからあげ〉といわれることもあります。日本唐揚協会主催・からあげグランプリには“味バラエティ部門”があり、進化系からあげへの人気も高まっています。

西武池袋線・練馬駅から徒歩で1分ほどにある『AkiTaka』
西武池袋線・練馬駅から徒歩で1分ほどにある『AkiTaka』

今回ご紹介する『AkiTaka』は第11回・12回からあげグランプリ・東日本味バラエティ部門で、2年連続で最高金賞を受賞したお店。名物の「元祖!からあげみぞれ鍋」は進化系からあげのひとつといえるものです。揚げたてのからあげを昆布でダシをとった鍋に入れて食べるものですが「鍋にからあげ!?」「ありえない!」などという声が聞こえてきそうですね。しかし考えてみてください。水炊きや寄せ鍋に鶏肉を入れるのは普通のこと。その鶏肉が生ではなく味付けされて衣がついて揚げてあるだけです。何はともあれ百聞は一食に如かず。まずは実食といきましょう。

白菜、長ねぎ、にんじん、水菜、まいたけなど野菜がたっぷりのみぞれ鍋
白菜、長ねぎ、にんじん、水菜、まいたけなど野菜がたっぷりのみぞれ鍋

「元祖!からあげみぞれ鍋」(1人前1,210円)は2人前からオーダー可能です。運ばれてきた鍋を見ると、たっぷりの野菜に大根おろし。なじみのあるみぞれ鍋のスタイルです。野菜がしんなりしてきたら、からあげを投入です。白ダシベースのスープに30秒ほどくぐらせてから食べるのがオススメ

からあげは1人前4個(写真は2人前)。このまま食べてももちろん美味しい!
からあげは1人前4個(写真は2人前)。このまま食べてももちろん美味しい!

スープにくぐらせているので、からあげはアツアツです。ビックリするのは衣がしっかりしていること。こんな煮立ったスープにくぐらせると衣が崩れたり溶けたりしそうなものですが、それがまったくないのです。むしろダシをしっかり含んで美味しさが倍加しているよう。スープを含んだ大根おろしがからむので、肉にも味がよくしみて美味。「プルン!」とした歯ざわりと舌ざわりがたまりません。

野菜がしんなりしてきたら、からあげを入れて軽くしゃぶしゃぶ!
野菜がしんなりしてきたら、からあげを入れて軽くしゃぶしゃぶ!

からあげはこちらのオーナーが開発した「唐揚げ専用鶏肉 からあげ鳥」を使用しています。そのまま食べてももちろん美味しく、ほんのりスパイシーでエスニックな風味。そこに鍋のスープの味が加われば複層的で深みある味わいになります。

野菜もスープも美味。野菜がたっぷり食べられるのもありがたい
野菜もスープも美味。野菜がたっぷり食べられるのもありがたい

からあげをそのまま食べるだけでは体験できない味。野菜もスープも美味しくて、食べ終わるころには体がポカポカです。まだまだ寒い季節が続くので、こういうからあげの楽しみ方もアリだと感じました。

お好みでスープにじっくりひたしてみるのもアリ。自分が「美味しい!」と思える食べ方で
お好みでスープにじっくりひたしてみるのもアリ。自分が「美味しい!」と思える食べ方で

さてこの進化系からあげ。今回ご紹介したみぞれ鍋のようなスープ系以外にも、あんこやクリーム、シロップなどと組み合わせたスイーツ系や、衣におせんべいやインスタントラーメンなどをブレンドして独特の食感を生み出したものなども登場しています。

からあげの構成要素といえばおもに肉、油、粉、調味料。変動要素といえば調理法や調理時間などが挙げられます。いままではこれらが大きく変わることがなかったため、からあげが長年安定的に愛されてきたのかもしれません。しかし進化系からあげの登場でひとつの変化が生まれました。からあげ界に新しい歴史が始まったということでしょう。これからどんな進化系からあげが生み出されてくるのか。楽しみです。

【店舗情報】
『AkiTaka(アキタカ)』
■住所:東京都練馬区豊玉北5-17-21 レヴァンテIII-2F
■TEL:03-5946-9855
■営業時間:
ランチ/11:30~15:00
ディナー/17:30~23:00(LO22:30)
■定休日:不定休
■店舗ウェブサイト:AkiTaka オフィシャルサイト

「からあげの聖地」と呼ばれる大分県中津市出身。一般社団法人日本唐揚協会認定カラアゲニスト。年間の唐揚げ喫食数は平均300食。美味しい唐揚げを求めて各地を巡る「から活」に励んでいる。

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