【世田谷区】入館無料、「食と農」の博物館を訪れました。身近なようで知らない農業と食にふれる
大きな鶏のオブジェが出迎えてくれる『東京農業大学 「食と農」の博物館』。馬事公苑近くにある博物館なんですが、気になっていたもののなかなか訪れるタイミングがなく、この機会に行ってみました!
取材として学芸員の方にお話を伺いつつ、普段は意外と意識していなかった「食と農」について知る機会になりました。
1・2階が展示室となっており、展示温室のバイオリウムが隣設しています。
博物館へ入ってまず気になったのは、赤い車?
車といっても、トラクターでした。
なかなか実物をこんなじっくりと見ることがないので、なんだかとても新鮮です。
奥には全国各地の木の標本がありました。南は屋久島の杉から北は北海道のエゾマツまでずらりと並び、実際に触れて種類ごとの違いを体感できます。
この標本で建材や木製品として利用する際の材質の違いを教えてもらいました。自然を鑑賞する目的ではなく、自然の営みと人の生活利用の関わりを知る展示はまさに東京農大の博物館ならではですね。
1階には他に、植物が育つのに欠かせない肥料のもとになる世界中のリン鉱石標本の展示や東京農業大学の創立者・榎本武揚と初代学長・横井時敬にまつわる資料をはじめとする農大の歴史に関する展示がありました。
リンの展示について最初、なぜリンだけ展示に取り上げられているのだろうと思いましたが、肥料にも使われている農業において重要な元素みたいです。知らなかった。
2階に上がると、鶏の標本がたくさん。
実は博物館の入口脇にカツラチャボ、東天紅と呼ばれる長鳴鶏が飼育展示されています。また、博物館の前にもナレースワン大王鶏と呼ばれる鶏の像が立っていて、鶏がたくさんいます。
鶏にまつわる展示が多いのは大学の研究のため、系統的に各品種の剥製を収集してきたからだそう。
鶏の標本展示の次はお酒にまつわる展示が続きます。
農大卒業生がいる蔵元の酒瓶がおしゃれに並んでいるスペースが。全国約1600の蔵元のうち半分ほどの蔵元で東京農大の卒業生が働いていらっしゃるそう。
古式酒造りの様子を表現したミニチュアや、約200点もの酒器、お酒と人々の生活に関する錦絵の展示もありました。やはり「食」の分野でもお酒は、なんだかんだ人の生活と切り離せない身近なものなのかなと感じました。
さらに奥には中に古農具を展示して農家の古民家を再現したジオラマがありました。
1階に戻り、バイオリウムも見学しました。実際の植物や動物の魅力にふれることができる施設になっています。
この博物館では東京農業大学と一般財団法人進化生物学研究所の情報発信地として、研究内容・収蔵品を広く一般に公開して知っていただくことを目的にしていると、お話しを伺った学芸員の方はおっしゃっていました。
入場無料と思えない、「食と農」、特に馴染みが薄い農業についてじっくり学べる博物館でした。
東京農業大学「食と農」の博物館
世田谷区上用賀2-4-28
開館時間:9時30分〜16時30分
休館日:日、月、祝、大学が定めた日
入館・入園料:無料
公式サイト: