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何ですって?タマネギのアイス⁇ タマネギ入りラーメン? 札幌黄を使った商品あれこれ!(札幌市東区)

吉川雅子野菜ソムリエ上級プロ&フードツーリズムマイスター(札幌市)

札幌市東区に広がるタマネギ畑。多くのタマネギ生産者さんがいますが、9月に入ると敷地の一角にのぼりが立てられ、今年のタマネギが並ぶ農家軒先のタマネギ直売所が登場します。この地で150年ほど前から作り続けている「札幌黄」を求めて多くの人が訪れます。あまりスーパーには並ばない札幌黄。東区にはこのタマネギを使った商品がいろいろあります。その一部をご紹介します。

9月4日に今年のオープンをした「湯浅農園」のタマネギ直売所。10kg1000円って安すぎですよね
9月4日に今年のオープンをした「湯浅農園」のタマネギ直売所。10kg1000円って安すぎですよね

「札幌黄」というタマネギのこと!

札幌市東区の丘珠エリアはタマネギの産地で、その歴史は150年ほどある話は前回ご紹介しました。特に、当時から作り続けているという、北米から導入された「札幌黄」(元の名前は「イエロー・グローブ・ダンバーズ」)はこの地を代表するタマネギでした。

今年は干ばつで、乾燥期間が短く美味しい「札幌黄」になったそうです
今年は干ばつで、乾燥期間が短く美味しい「札幌黄」になったそうです

札幌黄」は、現在主流になっているタマネギに比べると、病気に弱いことに加え、遺伝子に多様性があるため形が不揃いのものが多くて生産者泣かせ。また肉厚で柔らかく、加熱後の甘みが強いという特徴は食べる側にはいいのですが、それが裏目に出て日持ちがしないという、今度は流通関係者にとっては泣き所なのです。

しかし、タマネギの王様といわれる「札幌黄」。2007年には「食の世界遺産」に登録され、現在、現在札幌市民、特に東区民がとても大事にしているタマネギなのです。

札幌黄の美味しさを生かして!

そんな美味しさに目を付けた商品があるので、いくつかご紹介します。

1991年に東区で開業した「ケーキハウス アルディ」。2011年6月に現在の店舗へ移転。地域に愛される「まちのケーキ屋」を目指しています。北海道産の素材をできる限り使用した、季節感を反映したケーキや焼き菓子などを作っています。店内奥には20席のカフェスペースも併設し、コーヒーや紅茶とともにケーキ、パフェなども食べることができます。

オリジナルケーキなどの種類も豊富。事前に電話をすると、アレルギー対応もしてくれます
オリジナルケーキなどの種類も豊富。事前に電話をすると、アレルギー対応もしてくれます

この店には札幌黄を使ったキッシュがあります。よく炒めた札幌黄は甘さと香ばしさが相まって、本当に美味しい!

札幌黄を使ったキッシュ。分厚い生地の中にはよく炒めた札幌黄が入っています
札幌黄を使ったキッシュ。分厚い生地の中にはよく炒めた札幌黄が入っています

札幌黄が入ったキッシュは想像がつくと思いますが、驚くことなかれ、実はアイスクリームもあるんです。その名も「伏古発 玉ちゃんアイス」。

バニラアイスですが、口に入れると炒めタマネギの少し香ばしい風味と甘さが残ります
バニラアイスですが、口に入れると炒めタマネギの少し香ばしい風味と甘さが残ります

最初はドキドキでした。でも、意外においしい! 加熱することで増す札幌黄の甘さ、そして少し香ばしい風味が後味に残ります。

このアイスクリームは、札幌市商店街地域活性事業「商店街みらい会議」で、商店街の活力アップに向け、大谷大学の学生とのコラボで発案されたものです。加熱すると甘さを増す特徴に着目して、札幌黄のジャムを作ってアイスクリームに練り込みました。パッケージデザインも同大学の学生によるものです。

販売場所は、東区の「きせつや」や「丘珠空港」内の「スカイショップおかだま」など。問い合わせは伏古商店街振興会(理容室たむら090-2879-5043)へ。

札幌市内にある丘珠空港
札幌市内にある丘珠空港

丘珠空港の「丘珠キッチン」には札幌黄を使ったラーメンがあります。

さすが空港内のレストラン。朝早くからオープンしています。一般の人のモーニングにもオススメですよ
さすが空港内のレストラン。朝早くからオープンしています。一般の人のモーニングにもオススメですよ

丘珠拉麺」(820円)は札幌黄を練り込んだ麺を使っています。

やさしい色合い、もちもちつるつる麺です
やさしい色合い、もちもちつるつる麺です

札幌黄を練り込んだ麺はつるつるでもっちりしていて、豚肉とタマネギなどを炒めたあんかけと絡んで美味しい! ショウガやネギ、糸唐辛子、黒コショウなどの薬味もたっぷりで、個性的で、他店では味わえない大人の味ですね。飛び立つ前の飛行機を見ながらいただきました。

整備中の飛行機を眺めながら!
整備中の飛行機を眺めながら!

ところで、この札幌黄を練り込んだ麺ですが、「北海道メンフーズ株式会社」で製造しています。同社にこの麺の製造秘話をお聞きました。

開発者であり、社長の須貝昭博氏は、十数年前、新しい商品を作るにあたり、市内の人気ラーメン店を食べ歩いたところ、昔、食べていた「毎日食べても飽きない」滋味深いラーメンの味がなくなっていることに気づいたのだそうです。ラーメンの素材を一つ一つ分析した結果、昔と今では大きく違っていたのはタマネギだということに行きつきました。

「1970年前半までは札幌黄がスープの素材に使われ、実にいい香りの甘くまろやかな味わいを出していたのです。今はそれがF1種のタマネギに変わっていることに気づき、札幌黄のことをとことん調べました」。

そこで当時の美味しさを復活させようと試行錯誤の上に誕生したのが、札幌黄を練り込んだ生ラーメンだったのです。

アリオ札幌の「イトーヨーカドー」にある「北海道メンフーズ」の「札幌黄ラーメン」。ほかにも「フーズバラエティすぎはら」や「ホクレンショップ北49条店」などで販売されています
アリオ札幌の「イトーヨーカドー」にある「北海道メンフーズ」の「札幌黄ラーメン」。ほかにも「フーズバラエティすぎはら」や「ホクレンショップ北49条店」などで販売されています

この麺をゆでるとわかるのですが、生ラーメン特有のかん水臭がしなく、札幌黄の甘さが溶け込んでいるので、逆にそのゆで汁がそのままスープに使えるのです。同社によると、「このかん水臭がなく、甘さが出ることが、この麺が女性に好まれている理由ではないか。ゆでた後ものびにくく、驚くほど滑らかでコシのある食感が続き、麺自体に札幌黄の甘みと旨味がある」と。

袋の裏のラーメンの作り方に、「ゆで汁を使ってー」と書かれていますね
袋の裏のラーメンの作り方に、「ゆで汁を使ってー」と書かれていますね

現在は、味のバリエーションも増え、10種類あります。私は今までに、味噌としょう油味を食べたことがあるので、今回は「海老みそ」味を買って作ってみました。盛り付けには炒めた札幌黄もトッピングして。

つるつるとした麺と濃厚な海老の出汁が効いた味噌味です
つるつるとした麺と濃厚な海老の出汁が効いた味噌味です

このほかにも、「ちょびりこジャム。研究所」の札幌黄とフルーツのジャムや、「ノース・クロップ株式会社」の札幌黄のピューレをタレに混ぜ込んだ「丘珠ホルモン」や「丘珠ジンギスカン」などもあります。

いかがでしたか? 札幌市東区民の札幌黄に対する愛や惚れこみようを感じていただけましたら幸いです。

野菜ソムリエ上級プロ&フードツーリズムマイスター(札幌市)

札幌市在住。「野菜ソムリエ上級プロ」。ほかにも生産者のブランディングをする「青果物ブランディングマイスター」、地域の食をツーリズムに生かす「フードツーリズムマイスター」などの資格を有する。「簡単におうちで野菜たっぷりな料理をしよう!」をモットーに料理教室やワークショップなど食に関する話題提供や、野菜や果物を使った商品開発やメニュー開発、アグリツーリズム企画なども行っている。また、原田知世・大泉洋主演の映画『しあわせのパン』では、フードスタイリストとして映画作りに参加。著書:『北海道チーズ工房めぐり』『野菜ソムリエがおすすめする野菜のおいしいお店』など。

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