西区発寒の「ハツキタ商店街」に7月16日にオープンした「716 COFFEE」。店主の加藤英理欧さんの思いがたくさん詰まったお店です。できれば時間のある時に、コーヒー片手にゆっくりと過ごしてほしいお店です。

コーヒーの記憶

大学卒業と同時に札幌を離れ、金融機関勤めを約20年続けた加藤さん。多忙の中、2度の精神疾患を経験しました。

ただ、「コーヒーを飲んでいる時など、コーヒーが傍らにある時は心が落ち着いた」のだそうです。

小学生の頃に、お父様が手挽きのミルでコーヒー豆を粉にしている横で香りを嗅がせてもらい、「いい匂いだ」と感じた記憶があり、将来は、カフェやコーヒーに携わる仕事に就きたいと思ったこともあったそうです。

店主の思い

休職中に、カフェや自家焙煎コーヒー店を巡り、いろいろなコーヒーに触れました。

そうして、子供の時に抱いた夢の第一歩を踏み出します。

焙煎技術や抽出技術を学ぼうと、中南米の豆を専門に取り扱う珈琲店や90年以上続く老舗の器具メーカーに休日などを利用して通いました。さらに、コーヒー豆の販売を始め、地域でのイベント出店や自宅でのコーヒー講座の開催なども経験してきました。

自宅を改装して、コーヒー店を開こうと思った矢先の新型コロナウイルスの蔓延。せっかく前を向いて進み始めていたところに、気持ちがトーンダウン。

身内の勧めもあって札幌に戻り、少し落ち着いた2022年4月から物件探し。そうして、出逢ったのが「ハツキタ商店街」だったのです。

紆余曲折の末のオープン！

約1年かかった物件探し。大切な自分の空間は自分の手で作りたいという気持ちが強かったのでしょう。加藤さんが内装工事をしているのを、私もインスタグラムで見ていました。

そうして、7月16日に、「716 COFFEE」がオープン。

オープン日を7月16日（なないろ）にしたのは、加藤さんの誕生日だから。そのほかにも理由があります。コーヒーの味は、人それぞれの感じ方があり、さらに、「置かれた環境や状況でも変化す、これは生き方についても同様だ」と言います。"ありのまま（なないろ）"の自分を受け容れて欲しいというメッセージも込めています。

こだわりのブレンドコーヒーは3種類

ホットコーヒーはハンドドリップで丁寧に落とし、アイスコーヒーは時間をかけて抽出した水出しコーヒーを提供しています。

シングルオリジンコーヒーもありますが、ブレンドコーヒーのNANAIRO BLEND「壌（つち」、NANAIRO BLEND「樹（き）」、「NANAIRO BLEND「澪（みず）」もオススメです。

大自然を育む北海道の大地や、新鮮な野菜や果物を生み出す黒土をイメージした「壌」。深く煎ることで重厚さや豊かなコクが生まれるケニアやタンザニア、インドネシアの豆をブレンドています。

北海道の春夏秋冬にさまざまな表情を見せてくれる木たちをイメージした「樹」。ブラジルやグアテマラ、エチオピアの豆をブレンドした中～中深煎りコーヒーで、香ばしさや甘さ、酸味がバランスよく感じらます。

北海道でみられる四季折々の水の姿を、エチオピアやグアテマラ、ペルーの豆を中浅～中煎りで表現している「澪」。さらさらと、そしてきらきらと流れるような飲み口です。

私は中間の「樹」にしてみました。

スイーツは2タイプのチーズケーキとガトーショコラがあります。

せっかくなので、抹茶のチーズケーキをいただきました！

ナチュラルで気持ちのよい店内

店内は木やグリーンを多用し、まるで自然の中に身を置いているかのような気分が感じられます。

加藤さんは、お店をオープンする前に、「コーヒーインストラクター」や「コーヒー鑑定士」の資格を取得してコーヒーの専門性を高めるだけではなく、「心理カウンセラー資格」を取得しています。

それは、病から克服し、自分らしくあるために得たきっかけとなった"コーヒー”。コーヒーとともに居ることで自分らしくなれたことから、いろいろな気持ちを抱えて来店するお客様の想いに耳を傾けたいから。

「多めに入れたコーヒーを飲みながら、時間の許す限りゆっくりな過ごしてください」と加藤さん。ぜひ、時間のある時にゆっくりと訪れて欲しいお店です。

＜716COFFEE（なないろこーひー）＞

＊住所：札幌市西区発寒12条3丁目4-13 あずみビル1階

＊TEL：011-676-4617

＊営業時間：月・水・木・土日7：00～20：00（7：00～10：00はテイクアウトのみ）、金曜11：00～20：00

＊定休日：火曜日

＊詳細はホームページをご覧ください。

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