【札幌市中央区】コロナ禍でほぼ2年間をパソコンの画面越しでしか学べなかった学生たちの卒業研究作品展
「Zoomed」というタイトルを聞いてちょっと納得! 2020年に入学した学生は2年間学校に行けない日々を過ごしました。3年生の春にやっとリアルな友達や先生たちに出会ったのですね。今回は、東海大学国際文化学部デザイン文化学科の60名の学生たちのすばらしい作品の一部をご紹介します。
東海大学国際文化学部
南区にある東海大学国際文化学部では、海外や日本各地での活動やフィールドワークを重視し、社会に接する機会を数多く設け、実践的な学びの場を提供しています。
同学部デザイン文化学科では、2月15~18日まで、「札幌市民ギャラリー」において「Zoomed 2023年度 卒業研究作品展」を開催いています。
今年の卒業生は特別?
今回の作品展は、卒業を控えた同学科の4年次生が、1年をかけて取り組んだ卒業研究作品を、多くの人にみてもらおうと企画したものです。
入口には「Zoomed」という文字がたくさん目につきます。ちょっと違和感を感じました。
しかし、話を聞いてハッとしました。
この学生たちは、新型コロナウイルスによって日常が変わり始めた頃に入学。世の中の混乱の中、大学と学生、学生と学生を繋いでいたのはオンラインツールだったのです。
タイトルの「Zoomed」には、オンラインならではの環境下で培われた技術や知識をもとに制作した作品展示のタイトルです。
2年間もの長い間、ほぼ画面を通してでの学びや、リアルにできない同級生との会話など、ちょっとほかの年代では経験できない時の過ごし方をした学生たちです。
私が感動した作品はこちら。
同学科4年次生の渡邉愛梨さんは、バイト先の西区の介護施設を事例とし、地域の人が介護のことや福祉のことで困った際に気軽に尋ねることができる環境づくりをさまざまな形で提案しました。
単にリーフレットやフライヤーなどの制作物を作るというだけではなく、活動を可視化したり、SNSなどで活動を発信したり、それもその後は施設職員が作り続けられるようなフォーマットの制作まで行ったそう。
改めてデザインの力を知りました!
ほかにも、よく考えられた作品がいろいろ。
ちょうど仏壇の作品を作った吉田遥さんがいらしたのでお話を聞きました。
ただサイズを小さくしただけではなく、「このスタイルに至るまでに、仏壇のことはもちろん、宗教や慣習などにも調べたりするなどずいぶん時間がかかりました」。
学びの原点を見た気がします。
会期中は、「プロダクトデザイン系」「グラフィックデザイン系」「メディアデザイン」「建築系」の4系統で個性豊かな作品60点が展示されています。
オンラインならではの環境下で制作した作品をズームして観てみてはいかがですか?
そうそう、おもしろいものを発見!
「ご自由にお取りください」と書かれたたくさんのシール。どうするのでしょう。
zoomミーティングしているイメージで、「このリーフレットの四角い部分に、好きなシールを貼ってみてはどうでしょうか?」ということだそうです。
<Zoomed 2023年度 卒業研究作品展>
*会期:2024年2月15~18日 10:00~18:00(最終日は~16:00)
*会場:札幌市民ギャラリー1階第3展示室(札幌市中央区南2条東6丁目)
*TEL:011-271-5471
*入場料:無料(事前申込不要)