Yahoo!ニュース

【藤沢市】一体だれが何のために?見るたびに顔が変わる、世にも奇妙なお地蔵さん

ころんころライター(藤沢市)

【プライスレス藤沢】
~藤沢の魅力を再発見~

藤沢市内で見つけたプライスレスな情報シリーズ。10カ所目は、藤沢市羽鳥にある“お地蔵さん”です。

そのお地蔵さんは、県道44号線沿い「養命寺」の向かいあたりにある、オレンジ色の小さな祠の中にいます。

10年以上前、初めてこのお地蔵さんを見た時は「一体だれが何のためにこんないたずらを!?」と、あまりにも奇妙なその姿に衝撃を受けた覚えが・・・。確か、夜に車中から見たので、なおさら奇妙に見えました。汗

今回はそのお姿をお伝えしたく、もう少し寄ってみますね。

びっくりするでしょう?このお顔。

いつ通ってもこんなメイクなので(笑)元のお顔を見たことはありません。また、見るたびにメイクが少しずつ変わっているような・・・。

この日のお地蔵さんの足元には、お供え物やピンク色の箱が置いてありました。

箱の蓋をそっと開けてみると・・・

なかには、たくさんのお化粧品が!

実は・・・
このお地蔵さんは、地元の人から『おしゃれ地蔵』と呼ばれ親しまれている“双体道祖神”。祠の横には『おしゃれ地蔵』についての説明が書かれた案内板が立てられています。

『おしゃれ地蔵』
「女性の願い事なら、何でもかなえて下さり、満願のあかつきには、白粉(おしろい)を塗ってお礼する。」と伝えられており、今でも、お顔から白粉が絶えることがないという。そのような所から、誰からともなく「おしゃれ地蔵」と名付けられたとされる。形態的には「地蔵」ではなく、道祖神(双体道祖神)の表現が妥当であると考えられるが、土地の言い伝えを大切にしていきたい。平成七年十二月 藤沢市教育委員会

もう少し情報が欲しかったので、藤沢市役所郷土歴史課へ問い合わせてみました。

すると、現在の『おしゃれ地蔵』となる前の姿の写真が残っている文献があるそうで、そこには天明8年と銘文(めいぶん)が彫られているとのこと(西暦にすると1788年、江戸時代に建てられたということですね)。誰がどういう理由で建てたのかは不明。そしていつからこの『おしゃれ地蔵』としての風習が根付いたのかも不明とのことでした。現在は、女性の願いを叶えてくれるお地蔵さんとしてだけではなく、美容関係のご利益を求めてお参りされる方もいるそうです。

これらの情報を知ってから、再び『おしゃれ地蔵』のお顔を拝見すると・・・

なんだか優しい表情に見えてくるから不思議。またこの白粉や口紅は、願い事が叶った女性たちが、その御礼にほどこしていたものだったのですね(奇妙だなんて連呼してごめんなさい)。

通りすがる人々を穏やかに見守っている『おしゃれ地蔵』。女性の願い事なら“何でも”叶えて下さるという言い伝えのようなので、悩み多き乙女のみなさん、一度『おしゃれ地蔵』に願い事を伝えてみませんか?

基本情報
『おしゃれ地蔵』
住所:藤沢市羽鳥5丁目13
アクセス:小田急線「藤沢本町駅」より徒歩15分「養命寺」向かいあたり

※藤沢市が「大切にしていきたい」「守っていきたい」「創っていきたい」景観をまとめた「わがまちふじさわの景観」のなかで、明治地区のスポットの1つとしても紹介されています(景観ベストテンパンフレット/藤沢、明治⓹養命寺とおしゃれ地蔵)。

【関連情報・藤沢市の面白いスポット】
のぞき見しかできない公園
裏門公園(うらもんこうえん)
宇宙レベルの願いが叶う...?
鵠沼伏見稲荷神社(くげぬまふしみいなりじんじゃ)

ライター(藤沢市)

湘南エリアの複数メディアや紙面、昭文社「まっぷるトラベルガイド」などで、記事執筆&撮影を担当。取材スポットは1000ヶ所近く。そんな取材後記や、徒然なるままのゆるゆる日暮らしを、Instagramに綴っています。ほわっとあたたかくなる「神奈川県藤沢市」の情報をお届けできたら幸いです。※「毎週日曜の20時10分」に約1週間分の記事をまとめてお届けする「LINEでの配信」がスタートしました。ご登録いただくと藤沢市の話題(特に美味しいもの情報)に困りません。

ころんころの最近の記事