ここは藤沢市西俣野。閑静な住宅街のど真ん中に、家の横幅よりも大きなキャンピングカーが停まるひとつのガレージがあります。

1階部分には内部が見える窓もなく、中のようすをうかがい知ることはできません。また、ガレージの門には手のひらよりも大きな錠前がかけられており、ただならぬ雰囲気が漂います…。

周辺をうろつく挙動不審な筆者の姿に、防犯カメラが即反応。家主がすぐに出てこられました（汗）。実はこちらの立派なガレージ、自動車やバイクのコーティング専門店『PROTECS（プロテックス）』の代表・鈴木 義彦さんが所有するガレージ。

今回は、読者さんから筆者のInstagramに寄せられた「西俣野に高度な技術を持つ会社経営者がいるのでぜひ取材を！」という情報をもとに、ガレージの持ち主・鈴木さんに取材を依頼。その直撃レポをお届けします。

ごあいさつのあと「まずは仕事場兼、趣味の空間のガレージを見て！」と鈴木さん。さきほどの「ただならぬガレージ」のシャッターが上がった先には…

「ルパン三世」でしか見たことのない「モーガン」が！しかも日本に50台しかない限定車種です。もちろん乗車が可能で、鈴木さんは車好きの仲間たちと一緒にドライブなどを楽しまれているそうですよ。庶民代表の筆者には、まぶし過ぎて立ちくらみがしそうなほどでした...。

この「モーガン」が置かれているフロアの隣に、鈴木さんがコーティングを手掛ける作業場があります。

ここで少し『PROTECS』の事業内容に触れると…

それにしても…

コーティングのほか車内クリーニングまで行うというのに、壁や床には溶剤の汚れひとつありません。鈴木さんの徹底した仕事ぶりを垣間見る作業場ですよね。もはやため息と「すごいですね...」しか出ない筆者に（汗）「よかったら2階に！」と声をかけてくれた鈴木さん。2階へお邪魔すると、そこには和テイストを散りばめたカフェのような空間がありました。

立派過ぎるソファに座りコーヒーとお菓子までいただきながら（恐縮です）、サクセスストーリーをじっくりとうかがいましたよ。

今でこそ仕事と趣味を両立させた華やかな日々を過ごす鈴木さんですが、中学卒業後は朝夕新聞配達に明け暮れ、初めての収入でバイクを購入。その後トレーラーの運転手などを経て現在の会社を立ち上げます。「まだコーティングというものがメジャーではなかった時代に、いち早く着目したことが転機になりましたね」と鈴木さん。長年の実績をもとに大手企業との取引を増やし、他社が容易に真似できない技術力と人間力を持ったコーティング専門店へと成長させたのだそうです。ですが「ここまでこられたのはほとんど運だけどね！たまたま！(笑)」と付け加えることを忘れない鈴木さん。ほかにもいろいろとお話させていただきましたが、とてもやわらかな心を合わせ持つ方に感じました。

今は仕事の傍ら、サッカーチーム「鎌倉インターナショナル（鳩サブレースタジアム）」のスポンサーを務めたり車関連の取材を受けたりと、仕事以外での人とのつながりも大切にされているそうですよ。

しばらくお話をおききしたあと「このガレージの隣に秘密の隠れ家があるの。そこは遊び場のようなものだけど、見る？」と茶目っ気たっぷりに言う鈴木さん。その「隠れ家（第2のガレージ）」にもお邪魔しました。

こちらは先ほどのガレージとはうってかわり、鈴木さんの好きなものをギュッと詰め込んだ「趣味のガレージ」。車・バイク・自転車・革小物・靴・服などがていねいに並べられていました。どれも思い入れのある大切な宝物だそうですよ。

約2時間半にわたり、「巨大な錠前がかかる、ただならぬガレージ」を見学させていただいたこの度の取材。記事を通じて「藤沢市には、高度なコーティング技術を持つ鈴木さん率いる『PROTECS』がある」ということが広まれば幸いです（企業の詳細は公式ホームページをご確認ください）。

（取材後記）
とにかく全てが驚きの連続で、本当に貴重な学びの時間だったなぁと回想している今。ただ一つ、超ポンコツ＆汚れMAXの車でお伺いした後悔を除いては…。