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わざと悪いことをする子の心理とは?子どもの困った行動の意味を幼児教育講師が解説

子育て勉強会TERU幼児教育講師/家庭教育アドバイザー

こんにちは!幼児教育講師のTERUです!

今回は、子育てのお悩みの1つでもある『子どもの試し行動』について、子どもの心理を含めお話ししていきます。

試し行動は愛情不足なのでは?と不安を煽るように書かれていることもありますが、もっと視野広く原因を知っておくことで対応方法が見えてくると思いますので、ぜひ一緒に考えていきましょう!

▼動画で観たいという方はYouTubeでも配信していますのでこちらをご覧ください。

登録者10万人超のYouTube『子育て勉強会TERU ch』より
登録者10万人超のYouTube『子育て勉強会TERU ch』より

【試し行動とは】

・それが悪いと思っているのにわざとやって大人を試している
・言ったことと反対のことをわざとやって大人の様子を伺っている

そんな子どもの行動全般を『試し行動』と言います。

大体2歳くらいから始まり、小学生以降でも起こりうる行動です。

この試し行動はイヤイヤ期や反抗期などの姿と混同されることがありますが、イヤイヤ期などはとにかく自己主張!という面が強く出るのに対して、試し行動で特徴的なのは良くない行動をした後や良くない行動をしながら、大人の顔を伺っているという点です。

もちろんこういった子どもの様々な行動をこれはイヤイヤだ、これは試し行動だ、なんて厳密に分ける必要はありません。

まずは試し行動がどういうものか知っていただき、「そういう原因や対応があるのか」と知識として得ていただければ大丈夫です!

【試し行動でよくある行動】

・わざと物を投げる
・絵本やおもちゃなどを破ったり壊したりする
・食べ物や飲み物をわざとこぼす、吐き出す
・言うことを聞かずわがままを繰り返す
・わざとお漏らしをする

そういった行動をしながら、大人をチラチラ見て様子を伺うような感じがあったら「試し行動かも?」と選択肢に入れてみると良いですね。

【試し行動の原因】

多岐に渡り、原因は1つではないことの方が多いのですが、主に以下のようなことが考えられます。

①愛情の確認や信用して良い人かを確認したい

試し行動は親にだけではなく、保育士さんや幼稚園の先生などにも行う子が少なくないです。

「こんなに悪いことをしても、受け止めてもらえるのか?」という信頼の確認としての行動なので、特に先生が変わった時や、入園した後などに多く起こったりします。

これはその人との信頼関係を作りたい!という表れでもありますから、ぜひチャンスと思って対応してあげてほしいと思います。

②相手にされない寂しさから気を引いて注目を集めたい

これはあまり深刻に考えすぎないでほしいのですが、ちょっとした寂しさが続いてしまった時や、親が忙しくて構ってあげられなかったりすることが続くと、自分に注目してほしい!という思いで試し行動をしてしまうことがあります。

ある意味子どもからサインを送ってくれているとても良いことなので、気づいたらきちんと対応してあげれば大丈夫です!

③大人の態度と言葉が不一致で混乱や不信感を感じている

例えば、子どもが「ご飯食べたくない!」と言ったら、本当は食べてほしいのに困った行動をなんとかしようとして「じゃあご飯食べなくて良いよ!」とあまのじゃく的に伝えてしまうことってよくありますよね。

その際「食べなくていい」と言ったにも関わらず、親がイライラしていたりすると、子どもは言葉では受け入れられたにも関わらず親の態度からはその反対の拒否を感じて混乱してしまったりします。

そんな言葉と態度の矛盾から不安などを感じて試し行動をすることもあるので、そういったことが原因にもなることを頭の片隅に入れておいていただけると良いかなと思います!

④叱られていたりすることが多い

シンプルに寂しいとか悲しいという感情からの愛情確認のための試し行動です。

極端に叱ってしまっていることが多い場合などは、大人の行動を見直していくと少しずつ収まっていくことがあります。

⑤虐待など

これは多くのご家庭では大丈夫だと思いますが、虐待などを受けていた場合、人を信用できなくなってしまい、どこまで受け入れてくれるのか?というのを押し測ろうとして試し行動をすることがあります。

ではここからは「試し行動かな?」と感じる行動が増えてきたと感じたら、どのような対応が有効とされているかをご紹介していきます!

【試し行動への4つの対応方法】

①たくさんのスキンシップを取る

ここまでの話を見ていても、総じて自分に注目してほしい、受け入れてほしいという原因が挙げられますから、ぜひスキンシップなどをできる限り大切にしてあげてください。

体が触れるスキンシップでも良いですし、話を聞いてあげる時間を増やす・認める声かけをしてあげるなども効果的です。

日頃の関わりを通じて「自分をちゃんと見ていてくれている!」と思えると、試し行動は自然と減っていきます。

②良い行動には大げさに反応してあげる

注目を集めることを目的としている際に、悪い行動をしてたくさんの注目を集めることができる経験を積み重ねると、また次も悪い行動で注目を引くようになっていってしまいます。

ですから逆に、悪い行動に対する反応よりも良い行動をしたときに大げさに反応をしてあげることで、ポジティブな行動で注目を集めようとするようになっていきます。

これの注意点として『悪い行動を無視』はしないようにしましょう。

「反応をしなければ悪いことで注目を集めることができないから、悪い行動をしなくなるのでは?」と思うかもしれませんが、忘れてはいけないのが、子どもたちはちょっとした不安などから「応えてくれるかな?受け入れてくれるかな?」ということを試しているということです。

そこで無視してしまうと、当然ですがもっと寂しい思いをすることになり、より試し行動が増えていってしまうことがあります。

・良くない行動には淡々と普通に対応する。
・良い行動に大げさに反応する。

というようなスタンスが良いと思います!

③いけないことはいけないと伝える

試し行動の根底には「受け入れてほしい」という想いがあるわけですが、いけないことも全部まるっと肯定してしまうのはおすすめしません。

これは先ほどの“悪い行動には淡々と対応する”ということと通じるのですが、良くない行動で気を引こうとして、受け入れられてしまうと、また悪い行動を繰り返してしまうこともあるのです。

良くないことは「良くないよ」ときちんと伝え、そしてその後に「ちゃんと話を聞いてくれてありがとう!大好きだよ!」など愛情表現の言葉を伝えて抱きしめてあげるなどすると良いですね!

④大人の一貫性がない行動が無いかを見直す

原因の1つに『大人の態度と言葉が不一致で混乱や不信感を感じている』ということを挙げましたが、もしこれが原因なのであれば大人側が見直していく必要がありますよね。

例えば、同じシチュエーションで昨日は怒られたのに今日は怒られないとか。同じことをしたのに毎回全然違う反応をしていたり、言っていることが全く違ったり。

そういったことが多いと子どもは混乱や不信感を抱き、試し行動で大人がどんな反応をするのかを伺うようになったりします。

ポイントとしては次の2つをチェックしてみてください。

・叱る時や叱らない時などの一貫性が無さすぎないか?
・言葉で言っていることと態度に違いが無いか?

もし当てはまるかもと思うことがあれば、それを見直していき、さらにお子さんに対し素直に「〇〇って言ったのに、怒ったような態度をしてごめんね」と伝えていきましょう。

試し行動をしている子どもは実は非常に計画的だったりしますから「ママが私の考えていることをわかってくれた!」と感じて安心できたりします。

いかがでしたでしょうか?

試し行動は多くの子がする自然な行動です。もちろん何かのサインであることもあるので、それに気づいてできる対応をしてあげてほしいなと思うのですが、あまり大きな問題だと深刻に考えすぎないのも大切です。

親だってできることできないことがありますから、できる限りできる範囲で関わってあげてくださいね!

幼児教育講師/家庭教育アドバイザー

YouTube登録者11万人超。これまで1,200人を超える子どもの教育に携わらせてもらってきました。幼児教育現場で培った知識を世の親御さんにお届けし、親子共に成長できる子育ての実現を目的として活動しています。現在は、親御さん向けの子育てコミュニティの運営や、子どもの脳と心を育む子ども向け動画作成に力を入れています!

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