Yahoo!ニュース

子どもがゲームばかり!幼児教育講師が教えるゲーム依存にならないために意識して欲しい4つの観点

子育て勉強会TERU幼児教育講師/家庭教育アドバイザー

こんにちは!幼児教育講師のTERUです!

「子どもがゲームばかりして困る!」「もっと外で遊んで欲しい!」お子さんとゲームの事で言い合いになってしまうご家庭は多いのではないでしょうか?

今回はゲームとの関わらせ方に悩まれている方向けに『子どもがゲーム依存にならないための親の心得』というテーマでお話ししていきます。

現代はどんどん面白いゲームが出てきて、それを訴求するように広告が打たれ、さらにテレビゲームだけでなく、携帯やスマホでも簡単にゲームができてしまうという環境があります。

そして周りの子たちはゲームを持っているのに自分だけ持っていないと疎外感を味わってしまうこともあり、子どもとゲームを切り離すのはかなり難しいですよね。

とはいえ、成長や将来のことを何も考えずにゲームを好きなだけやらせるような子育ては、子どものためにならないことの方が多いです。

そんな状況で親は子どもに何ができるか、ゲームとの良い付き合い方について一緒に学んでいきましょう!

▼動画で観たいという方はYouTubeでも配信していますのでこちらをご覧ください。

登録者10万人超のYouTube『子育て勉強会TERU ch』より
登録者10万人超のYouTube『子育て勉強会TERU ch』より

【ゲームが子どもに与える影響】

ゲームが子どもに与える影響は様々ありますが、一番避けたいのは次の2つです。

①ゲーム依存症やゲーム障害

ゲーム障害とは、ゲームに熱中しすぎて、利用時間などを自分でコントロールできなくなり、日常生活に支障が出る病気です。WHOでは新たな病気として2019年5月に国際疾病分類に加えました。

ゲーム障害になると、暴力的になったり、引きこもりがちになったり、朝起きられなくなったり、昼夜が逆転してしまったり。さらには学校に通えなくなり、退学してしまう子すらいます。

②成長に必要な刺激や経験の不足

ゲームに多くの時間を取られる生活をしていると、当然ですが、勉強や読書の時間、他にも外遊びで得られる刺激や人とのコミュニケーションの機会などが減ってしまい、多くの刺激と経験が不足してしまいます。

これは子どもの成長にとってとてつもなく大きいことだと感じます。

さらに、運動機会の減少により、体力の低下や脳の成長も阻害される可能性があります。

幼少期の運動機会は単に体力をつけるだけでなく、脳の成長にも大きく関わっています。幼少期に歩く経験が少ないと脳の前頭葉が発達せずに我慢できなくなったり、自制ができない子になってしまうかもしれません。

まずはこのような状態にならないようにコントロールするのは大人の1つの役割だと思います。

【家庭でのゲームとの良い接し方】

理想は10歳くらいまではゲームは最小限に留める

これは私が幼児教育者として子どもたちと関わってきてやはり一番だと思う選択です。

先程の脳や子どもの成長への悪影響を考えると、脳の土台が出来上がる10歳まではゲームとは最低限で関わっていくことが理想です。

ですが、そんな理想中の理想ばかり言っても難しいと思いますので、ここからはなるべくどのご家庭でも使えるように4つの観点でゲームとの良い関わり方をご紹介します。

①ゲームの立ち位置的観点

ゲームと上手に付き合っていくのであれば、報酬的な立ち位置にゲームを置くのが良いです。

つまり「宿題を最後まで終わらせたら◯分ゲームができる」というような方法です。

この方がゲーム以外の学習などの動機付けに役に立ちます。

その際に注意して欲しい点

・『罰』ではなく『報酬』として表現する

「〇〇しないとゲームさせないからね」という『罰』の感覚になるゲームの立ち位置ではなく、「〇〇が終わったらゲームをしようね」という『報酬』としての立ち位置を意識させる表現をすると、子どもが宿題などをやる良いモチベーションに繋がります。

・子どもを思い通りに動かすための『報酬』にはしない

子どもがグズったり、わがままを言うのをコントロールしたいという親都合で、スマホでゲームをやらせて子どもを落ち着かせる。みたいな方法でゲームを使うのはなるべく避けたいですね。

子どもがわがままを通せばゲームができるという間違った思考回路が身についてしまう可能性があります。

②コミュニケーション的観点

ゲームの弊害の1つである、コミュニケーション不足。これは私が一番大きな問題として懸念していることです。

もし子どもにゲームをやめさせたり、制限したりするのが難しいと考えているのであれば、大人も一緒に楽しんでしまいましょう!1人でゲームをやっているのか、家族と一緒に会話をしながらゲームをするのかでは、子どもに与える影響は大きく変わっていきます。

一緒にゲームをすることで、子どもとのコミュニケーションの機会にもなりますし、親子の信頼関係や愛情を伝えることもできます。

『ゲームは家族みんなでやるもの!』という位置づけになると、時間制限もしやすくなったりします。

その際のポイント

・意識して会話を増やし、褒めることも多くする

ゲームは意識しないと無言になりがちです。

コミュニケーションの機会としてゲームをするためには親から積極的に話しかけてあげてください。そして褒めたり認めたりする言葉を多くできるとなお良いですね。

「上手だね!」「前より上手くなったんじゃない?」「やるねぇ」「そんな方法があったかぁ!」「なるほどね!」「すごい!」ゲームの内容にもよるとは思いますが、褒める言葉と認める言葉で愛情を伝えていきましょう。

・子どもの目を見ることを意識する

ゲームをしていると子どもの目を見ないでの会話が多くなります。実際にプレーしている時はしょうがないですが、間の時間などは時折子どもの目を見て褒めたり、言葉を伝えていくようにしましょう。

意識して目を見ていくことで「ゲームではなく、僕と遊んでいることを楽しんでくれている!」と感じることもできて、自己肯定感にも繋がっていきます。

このように、ゲームを思い切って一緒に楽しんでしまって、親がゲームの主導権を握るくらいでも良いかもしれませんね。

③内容的観点

続いてはどんなジャンルのゲームがいいのかということです。これは2つの軸から考えることができます。

・娯楽ゲームより教育的ゲーム

教育的な内容のゲームが学力の面や脳の成長の面で良いという研究結果は最近ちらほら増えてきています。

ゲームの中で勉強ができるものや、脳トレ関係のゲーム。どうせゲームにハマるなら、こういった子どもの成長に少しでも意味のあるゲームにハマって欲しいですね。

・1人ゲームより大人数ゲーム

これは先程のコミュニケーションの観点でもお話ししましたが、1人ゲームではコミュニケーション練習になりません。なるべく家族みんなでできるゲーム。少なくても2人以上でできるゲームを選ぶことをおすすめします。

今のゲームは本当にたくさんの種類がありますから今の2つの軸をなるべく考慮しながら、お子さんが楽しめるゲームを探してみると良いと思います。

④時間と場所的観点

ゲームはどのくらいの時間が良いのかという観点ですが、もちろん短いに越したことはありません。

ですが、やるのであればMAX2時間というのが今の科学的認識です。

正直まだ完璧な研究結果とは呼べませんが、2時間を越えると前頭葉の萎縮が始まり、9時間を越えると中毒になりやすいと言います。ですから、1〜2時間くらいにコントロールできるのが理想です。

そして場所的観点でいうと、ゲームはリビングに置くのが良いです。子どもの部屋にゲームがある状況は親として制限するのが大変すぎますよね。

お子さんのゲームをお子さんの成長のためにコントロールしてあげたいと考えるのであれば、リビングに置き、まずはいつお子さんがゲームをするのかをちゃんと管理できるようにしておきましょう。

【さいごに】

今の4つの観点を全て満たせなくても、できることから実践していくと、一歩ずつゲームの悪影響から遠のいくかと思います。

悪影響についてはお話しましたが、現代はゲームに対する考え方も多様化してきており、ゲームは将来に活かされる!ゲームには多くの学びがある!ゲームが仕事になる時代だ!そんな良い観点でゲームとの付き合い方を考えることもできます。

ご家庭それぞれの価値観は大事にしていただいた上で、参考になる部分があればお子さんの健やかな成長のために取り入れていただけると嬉しいです!

幼児教育講師/家庭教育アドバイザー

YouTube登録者11万人超。これまで1,200人を超える子どもの教育に携わらせてもらってきました。幼児教育現場で培った知識を世の親御さんにお届けし、親子共に成長できる子育ての実現を目的として活動しています。現在は、親御さん向けの子育てコミュニティの運営や、子どもの脳と心を育む子ども向け動画作成に力を入れています!

子育て勉強会TERUの最近の記事