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子どもが自分から毎日勉強してくれるようになるには?幼児教育講師が教える習慣化10のコツ

子育て勉強会TERU幼児教育講師/家庭教育アドバイザー

こんにちは!幼児教育講師のTERUです!

前回の記事【「宿題しなさい!」言わなくても子どもが勉強してくれる勉強習慣の作り方】で勉強の習慣化の基本形について詳しく解説させていただきました。

今回はさらに深堀りし、習慣化を助ける武器となるテクニックや方法を10個ご紹介していきます!

▼動画で観たいという方はYouTubeでも配信していますのでこちらをご覧ください。

登録者10万人超のYouTube『子育て勉強会TERU ch』より
登録者10万人超のYouTube『子育て勉強会TERU ch』より

【①習慣化を始める時期】

厳密にいうと0歳からだと私は思っています。

もちろん0歳からプリント学習をやるとかそういったことではなく、0〜3歳くらいであれば絵本の読み聞かせや自ら絵本を読む習慣がのちの勉強習慣にあたると思ってください。

子どもがこれからしていく勉強の多くは、何かを読んで理解するところから始まります。それを考えると読み聞かせや自ら絵本を読むことを毎日行っていくというのは、まさに勉強の基本を習慣化していくこととイコールになるというわけです。

【②幼児はプリント学習でなくてもOK】

3〜4歳くらいになったら『机に向かう習慣』をつけていきたい時期です。

基本的に幼児期はそこまでガツガツ勉強させる必要はないと思います。プリント学習で毎日アップアップしているよりも、遊びなどもしっかりとできるようにバランスをとっていくことが、お子さんの成長の形としてはベストです。

ですが幼児の内に勉強の習慣が身についているということは後々の大きな力になるので、まずは机に向かう習慣作りを始めることをおすすめします。

最初は以下のような楽しく取り組めるものを5分だけやってみてください。

・絵本を読む
・迷路や間違い探しをする
・お絵かきや塗り絵

私は朝の時間にやることをおすすめしていますが、大事なのは毎日なるべく決まったタイミングで、3分〜5分だけ机に向かうという習慣をつけることです。

そのためにはやることのハードルはできるだけ低い方がいいです。

これは心理学の研究でもよく言われることですが、人が何かを習慣化しようと思った時、はじめに気をつけないといけないことが、

・努力が必要だと感じないこと
・困難を感じないこと
・疲れを感じないこと

どれか1つでも感じてしまうと、習慣にすることを億劫に感じてやりたくなくなってしまうわけです。

ですから、この3つを感じない各ご家庭にあったものに取り組むと良いでしょう。

ただし、床に寝そべってただ積み木で遊ぶとか知育おもちゃで遊ぶなどといったことでは机に向かう習慣にはなりませんし、遊びと変わりませんので『机に向かって静かにできるもの』という観点で選んでみてください。

もちろん毎日同じものをやる必要はありませんので、複数の選択肢の中からやることを変えていって問題ありません。

机も別に勉強机でなくて大丈夫です。リビングのテーブルなどに集まってみんなでやるでもOKです。できれば、今後お子様が自宅学習をしていくであろう場所を使えると良いですね。

【③勉強時間の延ばし方】

ここまで3分〜5分の勉強から始めると言いましたが、子どもが学力を伸ばしていくためには徐々に勉強量を多くしていく必要があります。

まずそもそも、どのくらい続けば習慣として定着したと考えていいのでしょうか。難易度などにもよりますが、一般的に40〜50日くらい継続できれば習慣として身についている状態だと言われます。

子どもの場合はさらに時間がかかることが予測されるので、最低でも3ヶ月は5分勉強を継続していくのがいいのではないかと考えています。まだ3・4歳であれば、1年くらいは5分勉強を基本にしても大げさではありません。

5分勉強を基本としている期間でも、お子さんが「もうちょっとやりたい!」と言い出す日が出てくると思います。そういう日はやりすぎにならない程度に時間は延ばして良いですが、あくまで基本は5分。プラス5〜10分くらいは延長しても大丈夫ですが、次の日はまた基本の5分に戻していきましょう。

そうやって朝の勉強の時間が家族で当たり前になったら、これで勉強習慣という軸が出来上がります。

ステップアップ

習慣化してきたら次は勉強時間を増やしていくという方法もあるのですが、時間勉強を続けてしまうと時間が長くなれば長くなるほど、ただダラダラと机に向かっているだけになる恐れがあります。それでは時間だけ無駄に浪費して学力は一向についていきませんよね。ですので、私はタスク勉強に切り替えていくことをおすすめしています。

「◯分勉強しようね」ということではなく「◯ページ終わらせようね」という方法です。

タスク勉強になったから勉強時間が増えたと感じるといきなりハードルが上がりすぎて勉強が億劫になってしまう可能性があるので、切り替えてからも最初は5分〜10分で終わるタスク量にコントロールしてあげましょう。

そしてタスク量を親がコントロールするとはいえ、ここで重要なのは『何をするかは子どもが決める』ということです。

人は自分で決めたことにはモチベーション高く取り組むことができて、やらされていることにはモチベーションが上がらないものです。

ですから「今日はどれをやる?」ということを子どもに選ばせながら、何ページやるかも親が一方的に決めるのではなく子どもと話しながら決めましょう。

勉強の配分が偏ってしまっても全く問題ありません。好きなことへ時間をどんどん使って、得意や好きをどんどん伸ばすことが最初のうちは大切です。

あとは年齢に応じて徐々にタスクの量を増やしてあげてください。

増やし方の大まかな基準としては、お子さんが毎回勉強に疲弊しないくらいの量であるかどうかです。お子さんの様子をしっかりと観察していきながら考えていってほしいと思います。

おすすめのタスク勉強ツール

タスク勉強の時間を増やしていく時に、強い武器になるのがストップウォッチです。

今日のタスクや取り組む順番を決めたら、お子さんに目標時間を決めてもらいましょう。自分で目標時間を決めることでタスク勉強をダラダラやらずに、早くこなしていく意識が生まれます。

ここでのポイントは

「お母さんは〇〇ちゃんならこの量は◯分くらいでできると思うんだけど」と最初に基準となる時間を伝えておくこと

この基準があれば、子どももありえないような時間は言わないかと思います。

【④外部からの宿題の量に縛られない】

習慣化するために重要な短い時間で行うことや少ない量を意識することを邪魔する最強の宿敵がいます。それは、学校の宿題や幼児教室・通信教材などの宿題です。

これをこなすことに縛られすぎて、自宅学習がアップアップしてしまうご家庭がかなり多いです。

幼児期や小学校低学年において重要なのは、『学習の量ではなく勉強習慣と勉強が楽しいと思えていること』です。

ですから、お子さんが今まさに勉強習慣を作ろうとしている時はこの外部からの宿題などのタスクは無視していただいて構いません。少なくとも私が関わらせていただいてきたご家庭にはそうお伝えしています。

学校や幼児教室などは、子ども1人1人に適した学習量を把握して個別最適に宿題を出すことなんてできませんし、与えられたものが全てできないと子どもが遅れるなんてことはありません。それよりも習慣化をしていく大事な時期に、宿題が多すぎて勉強が嫌になったり習慣化にもならない方が後々大変になっていきますから、キャパオーバーにならないようご家庭でコントロールしてあげる必要があります。

【⑤毎日が難しい時は曜日を固定して週4日以上】

ご両親とも本当に多忙でどうしても難しいというご家庭は、週4日以上・曜日固定で習慣化をしていきましょう。もちろん習慣化は毎日継続することが理想ですが、4日以上であれば習慣化に繋がりやすいと近年の研究では言われています。

習慣とは「そんなに意識することなく、無理なくできるようになること」だとお伝えしましたが、やるのかやらないのかがわからない状況では、都度やるかどうかに意思決定が生じます。その時点で意識や意思力を使わなくてはいけませんので、習慣作りにはだいぶ不利になります。

なので最低週4日以上は確保していただき、できる時に行うではなく曜日時間を固定して取り組んでいきましょう。

【⑥例外を事前に作っておく】

毎日やる!というのをミッションとしていても、どうしてもできないときがありますよね。

ここまで毎日頑張ってきたのに、1日やらない日ができるとそこからガラッと崩れてしまい、やらなくなってしまったというご経験がある方もいるのではないでしょうか。

それを回避するテクニックが、例外を事前に作っておくことです。

・家族で旅行に行く時はやらなくても良い
・習い事のサッカーの試合の朝はやらなくて良い

このように、これから習慣化を妨げる可能性があるシチュエーションを考えてその時にどうするのかを家族で決めておきます。

そうすることで、その状況がきたら迷わず選択ができ、習慣づくりが疎かになってしまったという感覚にもならないので、また次の日から頑張ることができます。

例外の作り方は「やらない」としてしまっても良いのですが、完全にやらないのではなく「〇〇の場合は少しだけやる」もしくは「〇〇の場合は夜にやる」というようなルールのがおすすめです。

【⑦勉強のハードルを下げる種まきをする】

特に幼児期の子ですと習慣化以前に勉強する時にストレスになる要素があります。その代表が鉛筆を上手く持てないということです。

線を引きたいけど上手く引けない。早く書きたいけどスムーズに書けない。そんなジレンマから少しずつ勉強の時間が嫌になっていってしまったりします。

それを防ぐためには、2歳くらいから鉛筆を持つための種まきとして握力を鍛えておくと良いでしょう。握力を強くすると、鉛筆をしっかり握ることができるようになり、結果上手く鉛筆をコントロールできるようになります。

具体的な方法としては

・新聞紙や紙をぐちゃぐちゃに丸める
・粘土遊び
・紙飛行機飛ばし

特に紙飛行機飛ばしはそのまま鉛筆を握る指の使い方に繋がりますので、たくさん遊んでいきたいですね。

【⑧学習環境を整える】

1)勉強している時間に集中を阻害する要素を取り除いておく。

テレビやラジオなどは消し、おもちゃなどは片付けて、気が散る要素を減らすことも習慣化において大事です。

2)準備のハードルを下げる。

勉強に必要なものを準備するのに手間取っていては始めるのが億劫になってしまいますので、勉強場所の近くに置き場所を作っておきましょう。何も考えなくてもそこから道具やテキストを出せばすぐに始められる!というようなハードルの低さが習慣継続の鍵です。

【⑨幼児期から勉強する理由をちゃんと伝えていく】

勉強する意義や目的が明確にある子は自分の目標に向かって必要な勉強を続けることができます。ですがそれがまだ難しい幼児や低学年の子には、日々勉強する理由を伝えていってあげてほしいと思います。

私は「人は勉強することで可能性が広がるんだよ」という言葉を大切にしています。

まだこの表現が難しければ「お勉強をするとたくさんパワーが入るんだよ」「お勉強をするとできることがたくさん増えて楽しいよ」という言い方でも良いかもしれませんね!

ただ漠然と勉強時間を習慣にするだけではなく、そこに一生の価値観を作るような勉強の意義を小さい頃から伝えていくことで、大きくなってからも勉強を頑張ることができるマインドを育てることに繋がっていくのでぜひ積極的に伝えていきましょう!

【⑩子どものモチベーションを高める工夫をしていく】

特に習慣化と相性の良い工夫は『継続の見える化』だと思っています。

見える化の方法としては何日間連続で勉強できているかをカレンダーなどにチェックしていくことをおすすめしています。

詳しくは『子どものやる気を引き出すシリーズ』の記事に多くのヒントがあると思いますので、参考にしてみてください!

【さいごに】

最も重要なのは、勉強時間を家族で楽しく行うことです。

・笑顔でお子様と接すること
・細かいことは気にしないこと

その時間が楽しければお子様は喜んで取り組んでくれると思いますので、ぜひお子様の多少の書き間違いや効率の悪い進め方などは気にせずに、どんな方法でも取り組んだことを大いに認めてあげてその時間を終えましょう。

小学生以降子どもが勉強しないことに悩まれる方は多いので、ぜひ幼児期のうちに焦らず無理のない範囲で勉強習慣を作っていけると良いですね。

幼児教育講師/家庭教育アドバイザー

YouTube登録者11万人超。これまで1,200人を超える子どもの教育に携わらせてもらってきました。幼児教育現場で培った知識を世の親御さんにお届けし、親子共に成長できる子育ての実現を目的として活動しています。現在は、親御さん向けの子育てコミュニティの運営や、子どもの脳と心を育む子ども向け動画作成に力を入れています!

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